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Huginn (kamiko!)


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Huginn

カナダ産ブラックメタル2023年作
音源自体は2022年にテストリリースのような形で世に出ているみたいだが、まあ今年の作品。
自然崇拝に寄ったアトモスフィアブラックが定期的に聴きたくなる性癖が発動しまして、いくつかチョイスしたうちの1枚。
ドイツのVendetta Recordsがリリースするブラックを一通り聴いた中で、一際輝いていたバンドがコレだ。
鳥が描かれるジャケに対しては、殊更愛着が沸いてしまい、中身がどうであれ買ってしまう衝動に駆られるんですが
近年出会った鳥ジャケの中ではかなりイイ感じだ。油絵調の質感でカラスのシルエットの中に滝が描かれるジャケにまず惹かれる。
サウンドクオリティも悪くない。激しすぎず、適度にカスカスの粉っぽいギターとオーソドックスなガナリ声ヴォーカルだ。
濃霧ではなく、適度な湿り気で、ジャケにある山林の滝の情景にジャストフィットした自然崇拝ブラックに酔いしれることができる。
このテのブラックをやってるバンドも物凄い数いるから、適当にゲットしてもまあそこそこ楽しめたりはするんですが
適度なギターの歪みで、ボク好みの湿度で、あまり凄みを利かせないガナリ声で、ドラムがあまり煩わしくなく・・・
といった感じで注文をつけていくと、なかなかストライクゾーンを捉える作品というものに巡り合わないんですが
コレはほぼストライクゾーンを捉えている上、ジャケがイイというお宝作品。ただ、残念なのは、収録時間が25分、3曲という
若干ボリュームに欠けるところだ。送料込みで3000円超えたし・・・まあ、それだけの価値は充分にあるんだけどね。
ほぼストライクゾーンと書いたが、概ね許容範囲ながら若干気になったのは、ヴォーカルの熱量が若干好みよりも高めなところと
バスドラがほんの少しだけ音量が大きいかな。繰り返し聴いていたら耳に馴染んで殆ど気にならなくなった・・という程度。
演奏や曲構成が特別凄いかというと決してそうではなく、巷に溢れかえる無名ブラックのひとつに過ぎないといったレベルだと思うが
まあ、ジャケを含めボクの好みにバッチリとハマる珍しいパターンのバンド、ということだ。
ボクの超お気に入りバンド露Янтарные Слезы(Amber Tears)というドゥームメタルバンドがいるが
そのバンドが針葉樹林の烏と風をテーマにした曲を作っている。まあ、そういう世界観がボクはツボなので
それに非常に近い雰囲気を持つこの作品は、とても気に入っている。恐らく向こう何年かは頻繁に手に取る作品になりそうな気がする。

kamiko! ★★★ (2023-08-30 00:40:20)