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アクセル2020さんが同意した発言一覧 1-2
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LIONSHEART - Abyss

知らないうちにホワイトスネイクと比較されたと言うか、ポストホワイトスネイク的な扱いを受けたスティーブ・グリメットの伸びのあるハイトーンと古典ロックが魅力のバンドによるフルアルバム。NWOBHMファイターだったグリメットが、何故カヴァーディルと比較されたりされたのかは分からないが類似点は、そんなに無いですよ。向こうはホワイトブルースに触発されたバンド、このバンドにそんなテイストは少ないでしょう。1stには少しあるかも知れないが、それよりもドラマティックな様式美路線が人気だったりしたので、尚更ホワイトスネイクは重ならないような気がします。あえて類似バンドを探すならカル・スワンのいたLIONかも知れませんね。

なんだかんだ言いましたが個人的には、随分とご無沙汰のバンドです。オープニングから懐かしい雰囲気満点の楽曲で掴みはOK、②③とブリティッシュ路線で湿らせ、ブルージーな④も登場、重厚な⑤以降も正統な古典ロックを踏襲、自らのルーツたるサウンドを無難に展開しています。新鮮味はないが英国風味満点のハードサウンドにハイトーンが絡む、お得意のスタイルを披露していますね。

音質的にもう少し深みのあるサウンドメイクの方が、この手のスタイルは際立つのだが、そこは嗜好の問題だし、個人的にはグリメットの衰えが気になりましたかね。
逆を言えば生々しい歌声を収録したと言えるので、そこもやはり趣味趣向の問題でしょう。

何か一曲、突き抜けたリーダートラックがあればアルバム全体も絞まり、もっと高い評価もあったアルバム。しかし2004年という背景を考えると、当時のファンにとってはありがたい音楽性だったでしょうね。総じて75点から80点という無難さがもどかしい。

失恋船長 ★★ (2022-03-27 17:11:38)


LIONSHEART - Abyss

先日AFTER HOURSの感想を書いていたらふと思い出して聴き直したくなり、CD棚から引っ張り出して来たスティーヴ・グリメット(Vo)率いるLIONSHEARTが’04年に発表した4thアルバム(最終作なのかな)。
3rd『UNDER FIRE』リリース後にバンドは一度解散しており、これは復活作に当たるようなのですが、お世辞にも話題になったとは言い難い…というか「まだやってたの?」「4thアルバムなんてあったか」ってな反応も珍しくはないくらい。いやでもこれが内容は悪くないんですよ。ここまで付き合えば今更様式美系HMナンバーが見当たらないことに不満を感じることはありませんし、寧ろLIONSHEARTにとってはデビュー作の作風こそが例外であったことが了解できているので、本作においては仄かにブルージーな香り漂う、ブリティッシュHMらしい愁いを湛えた収録楽曲の数々を素直に楽しむことが出来るという塩梅で。
とか言いつつも、アグレッシブな疾走ナンバー①から派手なGプレイをフィーチュアした⑬(日本盤のみのボートラ)まで、適度にアップテンポの楽曲も散らされた本編はこのバンド史上最もヘヴィ・メタリックな仕上がりといえ、これなら「ブルージー」なるキーワードに拒否反応を覚える向きにもお楽しみ頂けるのではないかと。とりわけ重厚にしてドラマティックに盛り上がっていく⑤は、スティーヴの伸びやかで情念迸る熱唱が映える名曲っぷりに特にグッときましたね。
前3作に比べると中古盤屋でもとんと見かけませんが(かといってプレミアが付いてるわけでもないのが悲しい)、もし遭遇したら是非レスキューをお勧めしたい1枚。

火薬バカ一代 ★★★ (2023-07-07 01:11:27)