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American Exce$$ (失恋船長)


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American Exce$$

所謂サザン系のバンドになるのだが、ナショナルチャートに食い込むバンドも出てきたことにより南部系にも少なからず変異が起きていたのでしょう、このアルバムなど、AOR調の洗練されたエッセンスを盛り込み感触を変えてきたとも言える。
南部系と言うことで埃っぽく土着的なフレーズやブギースタイルとイメージする人も多いでしょうが、良い意味で洗練された空気を持ち込み、良い意味で万人受けされるような音楽性を展開している。リードシンガーとして参加したババ・キースの歌声も、チョイハスキーな高音が力強く鳴り響き、どこか哀愁を漂わせているのもポイント。イントロの鍵盤プレイも印象的でコンパクトに仕上げた⑥など、モダンな事もやっているが、⑦では古典に根ざしており、このバンドの根幹はどこにあるのか如実に分かりますよね。

アルバム全体を支配する、どこかヒリつく荒涼としたメロディ、その哀愁とアーティスティックな感性は、AOR調スタイルを巧みに取り込み、自分たち流にしっかりをまとめ上げ昇華させている。このあたりが最大の聴かせどころなのだろう。
こっち方面のバンドには、とんと疎いので似たような作風があっても気がつかないのだが、地に足が付いたブギー過ぎないロックが好きな人には、グッと引き寄せるモノがあるだろう。

失恋船長 ★★★ (2023-02-14 16:07:47)