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NEW TROLLS
CONCERTO GROSSO N 3
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1.
火薬バカ一代
★★★
(2022-05-05 00:13:28)
名盤『CONCERTO GROSS』が未だ愛され続けるイタリア・プログレ界のベテランNEW TROLLS。60年代からキャリアを重ね、時代毎に音楽性が変化している上、しかも途中でバンドが二つに分裂してそれぞれアルバムを発表したかと思えば、再びメンバーが合流して新作を作ったりといった複雑な活動経緯を辿ってきたバンドだけに、美味しい部分だけつまみ食いしてるような我が身にはとても全容など把握しようもないのですが、とはいえ彼らが映画音楽に腕を振るうルイス・エンリケス・バカロフとタッグを組んで、正式に『CONCERTO GROSS 3』を発表したとあっては、そりゃチェックしないわけにゃいきますまい!と。
強烈な泣きやプログレ・テイストが薄まり、ポップな歌モノ風味が強まっている点に不満を表明する向きもあるようですが、そもそも『~2』だってかなりポップ方向に振られた仕上がりでしたし、名盤『~1』にしても、よりユーロ・プログレ風味が強まる4曲目以降はあまり聴き直した覚えがないプログレ弱者としては、本作の親しみ易さはむしろ「買い」。勿論少々薄味の味付けに物足りなさを感じる場面も無きにしも非ずとはいえ、イタリアのバンドらしい泣きのメロディは要所で息衝いていて、壮大なOPナンバー①に始まり、アコギが映える②、HRとクラシックが劇的な融合を果たした③、甘美なストリングスの調べに目が細まる④、クラシカルな小曲⑤からファンファーレを配した⑥へ…と流麗に展開していく本編には忘我の境地で聴き惚れてしまいますよ。特に憂いを帯びたメロディとオペラVoの組み合わせにグッとくる⑪は個人的にアルバムのハイライトとして一聴をお薦めしたい名曲。
『CONCERTO GROSS』の名を冠するに相応しい品質を備えた1枚ですよ。
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