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Nearly Forgot My Broken Heart / Higher Truth (帰ってきたクーカイ)


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Nearly Forgot My Broken Heart / Higher Truth
 冒頭に配されることで、アルバムそのものの価値を規定する曲というのは多い。その曲が良い曲ならアルバム全体の印象も良くなるが、その曲が今一つだったなら2曲目以降でアルバムに好印象を与えることは、ややハードルが高い仕事となる。

 それで本楽曲は前者だ。アコースティックでキャッチーで、少しばかりコミカルな部分もある。名曲だと思う。

 メロディを聴いていて心惹かれるものがあると、たまに歌詞の内容が気になることがある。何について歌っているんだろうと。

 日本盤を購入していれば、とりあえず日本語訳を読むのだが、訳詩を読んでいて「?」となることは多い。「この曲って、そういうことなのか?」。・・・訳者もそのアーティストのことを好きで仕事を請け負っているとは限らないので(場合によっては「なんでこんな馬鹿アーティストの詩を訳さなきゃなんないのよ」と思いながら訳している人も、昔いた)、思い入れが無い場合にはやっつけ仕事になってしまう。そんな時は床がわずかに傾斜している部屋のように、いささか妙で違和感を感じる代物となってしまう。
 また、そもそも輸入盤を入手していると、詩の意味を知りたければ自分で訳すこととなる。
 それで、この曲も訳してみた。理由は後者だ。


「危うく壊れた心を忘れるところだったよ」

 太陽を見つめるたびに 続ける理由を見つけようと努めている
 僕が手に入れるものは いつでも焦げ付いた見せかけのもの
 雨が降り注ぎ空が血を流すまではいつも 君は正しい時にやってきた

 赤く熟した林檎のように僕をもぎりとった ものすごく長いってわけじゃないけど 君は齧りついたね
 僕が間違っていたのだろうか それは僕に善をもたらしたのか

 そして僕は危うく壊れた心を忘れるところだったよ
 それは僕を遥か遠くへ連れ去ってしまうだろう 粉々に砕けた想い出からね

 さあ、再び回りはじめよう

 全ての小さな鍵が扉の錠を開ける
 全てのささいな秘密には偽りがある
 太陽の写真を撮ろうと試すんだ
 それは君の理解の助けにはならないだろうけど

 全ての他愛ない言葉は君の口から
 少し傷つけるんだ 血が流れ出す
 全ての小さな血の滴 逃れられない口づけ
 何かの為ではない

 そして僕は危うく壊れた心を忘れるところさ
 それは遥か彼方へと僕を連れ去ってしまう 粉々に砕け散った想い出からね

 さあもう一巡しよう

 全ての素直な感覚が教えてくれる
 これが粉々に砕け散った心へと導いていく
 そして君は知る 僕にはこれが頭に空いた穴のように欠けているのを

 そして僕は危うく壊れた心を忘れるところだった
 それは僕を遥か遠くへと連れ去ってしまう 粉々に砕け散った想い出から

 さあ、もう一度やり直しさ

帰ってきたクーカイ ★★★ (2016-06-13 12:56:39)