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CARPE DIEM (2022年)
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CARPE DIEM
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解説 - CARPE DIEM
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コメント・評価

Recent 50 Comments



1. HIGASHI ★★★ (2022-03-31 07:41:34)

22年発表の23作目。
今回のアルバムは近年の中でも傑作だと思う。先行発表されていた“Carpe Diem”、“The Pilgrimage”、“Remember The Fallen”あたりの出来が良かったので期待はしていたけど、そのあとに続く“Age Of Steam”、“Super Nova”が鬼気迫るド迫力ナンバーで圧倒される。後半も緩急つけた曲順でいい意味でモタモタした感もなく、あっという間にトータルで聴き終えられる。ラストの“Living On The Limit”は前作にもあったMOTORHEADへの敬意を示した曲で、ニヤリとさせられる。 日本盤のボーナストラックの“Killing Ground”のライブバージョンもこのアルバムの雰囲気にうまく溶け込んでおり、いい選曲だ。
SAXONは良くも悪くもビフのバンドだ。アルバムの出来は彼のVoに左右されることが今までは多かったと思う。しかし本作は2人のギタリストとプロジューサーのアンディ・スニープのリフへのあくなき追及が感じられる。まるで求道者のようなこの3人の闘気が満ち満ちているのだ。ヘヴィメタルの最大の魅力はギターのリフにある、っと改めて思わされる本作であるが、23作目にしても彼らは満足することはない。まだまだ自分たちの音楽を追求していきそうな雰囲気が凄い!
彼らのこの姿勢があってこそ今まで続いたのだろうし、これからも続くのだろう。SAXONのファンは世界一幸福なのかも知れない。これからもどこまでもついていきますよ!




2. 失恋船長 ★★★ (2022-09-12 12:43:24)

かつて日本では一部の批評家の影響もありアメリカンナイズドの権化のような扱いを受けたバンドとして知られています。その影響は絶大なモノであり、縦ノリの曲をヨコノリでやっているなどの、リッチーブラックモアが親指だけでギターを弾いたばりに嘘が流布されるのだからたまりません。その批評家の意見に全乗っかりするピュアな人たちのおかげで日本ではイマイチ人気を獲得できないバンド。
今の若い人には信じられない話でしょうが、マジなのです。ガチなのです。

そんな不人気を日本だけで背負わされたサクソンですが、コンスタントにアルバムをリリース、一度も歩みを止めずに邁進しているます。
その確固たる信念は、現代的なマッシブさも取り込み、近年のアルバムはヘヴィロックに接近、その為にサクソンの淡泊さや武骨な面が強まり、アメリカンナイズドと叩かれた80年代中期よりも深刻な問題を抱えていたのですが、病床に付するビフ、その影響もあったでしょう、また、前作のカヴァーアルバム、そしてサクソンの1stの次は、本来こうだったんじゃないのなソロアルバム、そして息子との共演等々、エポックメイキングな出来事が続き辿り着いたのが今作と言えるでしょうね。

多くのファンにそっぽを向かれた、あの80年代中期を想起させる音楽性に着手した今作。ハッキリ言えば、サクソンがNWOBHMスタイルを取っていたのは80年から81年までにリリースされた3枚のアルバムのみ、1983年のアルバム『Power and the Glory』からは、英国からアメリカへ活動拠点を移すためにワールドワイドな作風へと着手しています、常に時代の流れの中で、音楽性をキメてきたのですが、今作はそういう意味では、少々遅かった原点回帰とも言えます。
個人的につまらないアルバムをリリースした時期の80年代中期、しかしアメリカンナイズドなんて十把一絡げのメディア論に乗ることなど出来ず、単に不器用な彼らには似合わないだけでした。
もしアメリカンナイズドがダメなら総じて同様の意見で切り捨てなければイケません。WHITESNAKEのサーペンスは、完全にアメリカンナイズドです、ムッキムキのヘヴィロックに変貌、情緒もクソもあったモノではない別のバンドになりました、メディアも絶賛、誰もアメリカンナイズドなんていいません。EUROPEも同様ですね、ロマンティシズム溢れる2枚目から、3枚目のアルバムは洗練されたメジャー感は正にアメリカンナイズドの極地ですが売れたので、誰も文句をいいません。むしろ代表的なアルバムです。ワタクシにとってはアメリカンナイズド以外の何者でもありません、アメリカンナイズド=ダメなら、全てがダメです。80年代中期のメジャーアルバム全滅です。JPも『TURBO』だもんね。オジーもジェイクとモダンなのやっていたなぁ。

なぜサクソンだけが叩かれたのか、それは批評家の発言に尽きます。聖飢魔Ⅱの0点と同じですね、信心深い統一教会にも負けないメディア論者の盲信ぶりで失速したサクソンでしたが、今作はそんな裏切り者達へ痛快なほど、80年代中期の総括を意味するような作風を叩きつけてきましたね。

近年のアルバムになかったキャッチーさ、本文を取り戻した快活なメロディとノリ、その堅牢なる精神性を取り戻した今作に嘘偽りはなく、NWOBHM時代の初期を想起させるスタイルにも着手しています。
直情的なリズムと爽快感溢れる歌メロ、そういう小細工無用な作風、そしていい意味でのキャッチネスを取り戻し、その中で威厳溢れるコクのある重厚なナンバーを放り込み、往年の姿を取り戻しました。

多くのファンが待ち望んだ古典ロックへの邂逅、古いアイデアだが鮮度がある、それは過去を模倣するだけではない現役バンドの強み、ある意味、強固な岩盤層に支えられる彼らだかこそ選べるスタイルでもある。

ちなみにメディアでは今作の評価はどうなっているのか知り合いに聴いたら、写真付きで送ってくれた。GOD伊藤のレビューって、全然レビューになっていませんでしたね。あれじゃ、信者も苦しかろうよ。点数85が浮いていましたよ。かつては失敗したみたいな言い訳をしていましたが、昔の事なんて誰も気にしていないし、意見は意見、参考程度が普通の認識、むしろ、あの人がああ言っているから、そうなんだど聞き分ける耳も感性もない方が問題なのに、不思議な言い訳レビューを見て笑いました。
当時の批評なんだから言い訳なんていらないのにね。

そんな迷走するメディア論が象徴するようなバンド。いわれのない悪評が吹くのですが、日本でも一部だけですので、多くのメタルマニアからは尊敬されているのは間違いありません。
今作はそういうマニアにとっては会心の一撃でしょう。カヴァーアルバムは呼び水になったろうねぇ。

こういう作風が2、3枚と続けば良いのだが、それも難しいでしょうね。残された時間は僅か、そういう中で実に清々しい古典メタルをやり遂げました。そしてメディア論に乗ってきた人たちには皮肉なアルバムでしょうね、なんたってアメリカンナイズドと叩かれた作風をど真ん中でやるなんて想像していないでしょう。日本でしか通用しない話ですが、ワタクシは性格が悪いので、ざまぁみやがれと大喜びです。

だってそうでしょう、アメリカで売れようとして失敗しただけだもの。それを再構築したのが今作。手のひら返す奴が多すぎる。



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