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FREE WITH PYG (1971年)
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解説 - FREE WITH PYG
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コメント・評価

Recent 50 Comments



1. 正直者 ★★★ (2019-03-30 20:18:27)

タイガース、テンプターズ、スパイダースの3大GSグループから成るスーパーバンドPYG。沢田研二(vo)、萩原健一(vo)、井上堯之(g)、岸部修三(b)、大野克夫(kb)、大口ヒロシ(ds)が参加。オリジナル曲の他に、多くのカヴァー曲で展開されるステージに驚く。2大看板ボーカリスト、ジュリーとショーケンが分かち合う熱気の籠った唄、腕に覚えのあるメンツによる演奏に支えられながら叩きつけた衝撃のライブ。アイドル的な人気があったグループの集合体なのに、地位や名声に溺れることなく本気のロックを聞かせてくれた。今こそ見直されるべきスーパーグループである。

自動登録が出来ないので収録曲とオリジナルを別記しておきます。カヴァーのセンスも渋い。

ディスク:1
1. ブラック・ナイト (Deep Purple)
2. ウォーキング・マイ・シャドー (Free)
3. エヴリ・マザーズ・サン (Traffic)
4. カントリー・コンフォート (Elton John)
5. ヴィッチ (The Rolling Stones)
6. スピード・キング(Deep Purple)
7. カウボーイ (Harry Nilsson)
8. ラヴ・イン・ベイン (The Rolling Stones)
9. ツゥ・ラヴ・サムバディ (Bee Gees)
10. トラベリン・イン・ザ・ダーク (Mountain)

ディスク:2
1. 淋しさをわかりかけた時
2. 戻れない道
3. 何もない部屋
4. 悪魔(シンバシー・フォー・デビル/The Rolling Stones)
5. アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー(CCR)
6. 自由に歩いて愛して
7. ハイヤー (Sly & The Family Stone)
8. ゴナ・リーヴ・ユー (Led Zeppelin)
9. 祈る




2. 火薬バカ一代 ★★★ (2019-03-31 10:42:37)

内田裕也に続いてショーケンまで死んでしまった。世代的に、この人に関しては完全にドラマや映画で見る「俳優」という認識で、ミュージシャンとしての経歴については殆どフォローせずに来てしまった身ゆえ、初めて本作を聴いた時はそりゃもう驚きました。
萩原健一(Vo)、沢田研二(Vo)、岸部一徳(当時は修三/B)、大野克夫(G)、井上堯之(Key)ら、知名度も実力も抜群な面子により結成されたスーパーバンドながら、音楽シーンが端境期を迎えていた当時は正当に評価されず短命に終わってしまったPYG。本作は彼らが'71年に田園コロシアムで行った野外ライブの模様を収めた2枚組実況録音盤です。
洋楽バンドのカヴァーが大半を占め、オリジナル曲はオマケ程度の扱いのセットリストや、出している音は本格派だけどジュリーのMCは歌謡ショー風…という取り合わせに当初こそ戸惑ったものの、邦楽HR創世記の試行錯誤をドキュメンタリックに伝えてくれるこうした作りも本作の大きな魅力。ジョン・ポール・ジョーンズが認めた岸部のBを始め、卓越した演奏力を誇る楽器陣と観客の悲鳴のような声援(まさにアイドル)をバックに、ジュリーが声を振り絞る息も絶え絶えな“SPEED KING”!ショーケンが出鱈目英語でシャウトする“悪魔を憐れむ歌”!と、人によっちゃ噴飯ものかもしれませんが、個人的には「でも演るんだよ!」という前のめりな姿勢と、荒々しい熱気が迸るこれらのカヴァーを嫌えるわけがねえ。ショーケンの後者なんて一周回って「寧ろこれがロック」と。Disc-2のオリジナルの名曲③における彼の全身全霊を込めたシャウトにも魂を持っていかれる思いですよ。
萩原健一を単なる「お騒がせ芸能人」と認識している人に聴かせて回りたい1枚でした。合掌。




3. 失恋船長 ★★★ (2019-04-17 17:11:50)

この作品には、ちょいとした思い出がある。まだ子供だったころの自分には、ジュリーとショーケンがいたグループなんて完全に色モノ扱いでした。
GSと言えばメンバーが失神するオックスのアイ高野のエピソードや、集団ヒステリー状態の映像等が頭を過り、まともに相手にすることなど出来なかった。
そんな頭でっかちの思春期真っ只中の少年にとって、この作品など取るに足りないものだったのだが、もうチョイ大人になると、俄然収録曲に目がいく。DPの曲をやっている事にも驚くが悪魔を憐れむ唄など、誰がどう歌うのか、どんな演奏しているのか等など興味が尽きないのも事実。

そんな自分に、このコンサートに直接見に行った人の話が面白過ぎた。
まず、ショーケンとジュリーの共演というエキセントリックな組み合わせは、同時、賛否が物凄くあり、双方のファンが共存を認めなかったという事らしい。だから、ジュリーが唄えばショーケンファンが邪魔をして、ショーケンが唄えばジュリーファンが、それを許すまじと大騒ぎするというのだから、ライブ会場は一色触発状態のカオスだったとの事なのだ。

そして、そのカオスな臨場感を、このライブでは垣間見える事が出来るから、一度は聴いた方が良いと教えてもらった。当然アナログ盤なので、子供だった自分はまともに聴く事もなく、やりたい事と実力が追いつかないライブと切り捨て終了だった。ところが2007年にディスクユニオンから再発される事となる。さほど興味はなかったが、大人になった自分には、同聞こえるのか興味があった。もう一度手に取り聴きたいと言う願望に従い迷うことなく購入。

再度向き合った感想は、やはりカオスなライブ版であった。悲鳴なのかブーイングなのか、興奮の坩堝と化す観衆の熱気。息も絶え絶えに歌い切り二大スターのヴォーカリゼーション。これがライブなんだと言う生々しい、作り込みに引き寄せられるでしょうね。

最近のジュリーと言えば、ドタキャン騒動時の謝罪会見のお映像や、インチキくさいコメンテーターが語る、TOKIOやカサブランカダンディなどのヒット曲を歌う芸能人時代の話でジュリーを語るのだが、彼の本筋は、こういうところにあるのだろう、そう思うと日本の芸能界ってお金の為に、あそこまでイメージを変えさせるんだなぁと驚く。

オリジナル曲の少なさよりも、本当に自分達が有りたいのは、こういう曲なんだと叫んでいる有名海外アーティストのカヴァー集、ベタな選曲で終わっていないのも、彼らの本気度の高さと言えるだろう。

結局、このグループは短命の終わるのだが、当時の日本にこういう音楽を受け止められる受け皿がなかった事が悔やまれる一枚である。早すぎたスターの競演。その本気のステージには、手垢まみれの芸能人では出せないロックな魂を感じずにはいられません。



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