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1. 失恋船長 ★★★ (2024-02-22 00:38:37)

Count Ravenのヴォーカルだったクリスチャン・リンダーソンがフロントマンを務める北欧産サバスティカルメタルバンドの1st。初期サバスからの影響大のリフとリズム、そこにNWOBHM仕込みアグレッションを盛り込み温故知新なレトロサウンドを奏でている。
そのなりきりぶりというのか、徹底した作り込みは素晴らしいものがあり、北欧独特の冷ややかな感覚がいい意味でダークな世界観に氷河の奥底で眠るデーモン一族を思わせ、ダンテが魔界を彷徨うが如き魔術的な輝きが音に宿っている。

ドゥーム系ではあるが、引きずるような鈍重さではない加速度があり、初期ザバス倍速ヴァージョンみたいな感じで楽しめるだろう。サバスの遺伝子をふんだんに含んだ古典ロック、そのリズミカルなグルーブは随所で小爆発を繰り返しバンドサウンドの攻撃性をUP。オジーを意識した節回しも耳に残るが、この暴れるリズムの上で縦横無尽にギターをかき鳴らす、フレドリック・リンドグレーンの存在感音強さ、その柔軟な思考に彩られたサウンドは、抑圧された理性を解放するが如き破壊力に満ちている。
ヘヴィメタル/ストーナーロックかくあるべきな魅力に満ちたサバスティカルメタル、その旨味をタップリ含んだ意欲に満ちあふれたデビュー作。次のアルバムをリリースしてバンドは解散したが、90年代中期から雨後の筍如く登場したサバスチルドレンの中では最高峰に位置するバンドだったろう。短命に終わったのは残念でならない。

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