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From the Barren Womb of Night

フィンランド産フューネラルドゥーム2020年作
この作品がこのバンド初体験。今年は良作フューネラルドゥームが結構多いが、そんな中でも特にイチオシしたい作品だ。
余計なオカズは一切無し、淡々とスローに4ビートを刻む飾りっ気の無いドラムと、ロングトーンを垂れ流すのが基本のギターによる
真性度の高い真っ黒カルトドゥームだ。スピードによる緩急のような茶目っ気や、無駄に凄みを効かせるコマーシャルな一面も皆無。
また、厚めの音像でヘヴィに圧死させるタイプでもなく、重量感はそんなに無い。劇的に展開する楽曲でもなく、地味な展開を見せる楽曲。
そんな楽曲群が4曲、ボーナストラック3曲で構成される作品。そんな苦行のような音楽性でありながら、惹き込まれると抜け出せない。
森で黒装束を着た人物が松明を持っているジャケだが、暗闇の中で粛々とアヤシゲな儀式を行っているかのようなサウンドが魅力だ。
このサウンドの最も素晴らしいところは、ギターの適度な歪みと絶妙な空間系エフェクトに職人気質を感じるところだ。相当レベルが高い。
そんな音作りの妙に中毒性があるが故に、余計な音数の無い、サステイン部分をしっかりと聴かせるスローな楽曲が、むしろ素晴らしいのだ。
過去作品を調べると、MMXV-I(2015年作)あたりでは、よりアンビエント色が強く、シンセと女声を絶妙に導入した、この作品とはまた趣きの
異なる素晴らしい作品だった。そういう作品を経ているだけあって、ギターエフェクトや空間系エフェクトには相当コダワリがあるのだろう。
重量感や激しさで聴かせるタイプではなく、むしろ静かで、カルト色が強く、呪術的なアヤシゲな雰囲気を絶妙な歪み・音響で楽しむ作品だ。
就寝前に明かりを消してじっくりと聴くと、とてもムードがあってイイ。手に入らなくなる前に過去作もちょっとずつ蒐集したい。

kamiko! ★★★ (2020-10-31 19:45:35)