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Heartache City (失恋船長)


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Heartache City

ギターとドラムを務めるのはUS産の正統派HM/HRバンドで知られるRattlefaceのロン・サックスとディヴッド・ホワイト、紅一点のベーシスト、ワンダ・オルフェスはThe Iron Maidensで活躍する彼女、そして歌うはステファン・フォンテーヌというマニア泣かせの実力派集団が2000年前後に録音した音源。正式な商品が当時リリースされたのかは現物を見たことがないので分からないが、BandCanpを通じて2015年には世に出ている貴重な一品です。

ど派手に突っ走るわけではないが、2000年代にアメリカの地で、ここまで本格派のメロディアスサウンドで勝負を賭けようとしたバンドがいた事に驚かされる。トレンドなど糞喰らえ丁寧に積み上げた叙情美のあるフレーズと、大陸的なグルーヴ、そして少々衰えを感じるがステファンの歌声は、古き良きメロディックロックの旨味を倍増、そのダイナミックな叙情派アメリカンロックに華を添えてくれます。
バラードも多めだしミドルナンバー主体の構成の為に、ガツーンとスピードナンバーが欲しくなるので、その辺りが個人的には不満なのだが、方向性を定め技巧派ギタリストが、ここぞとソロで派手目のプレイをねじ込んでくるの姿には2000年と思うと好感が持てたりと、簡単に切り捨てられない我が身を恨みます。こんなことしているから散財するんだよなぁ。
高い声だけじゃないステファン・フォンテーヌの歌声を楽しむのも一興ですよ。彼はミック・ボックスの目に留まった人物ですからね。

失恋船長 ★★★ (2020-09-17 01:00:41)