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SEX PISTOLS - Never Mind the Bollocks Here’s the Sex Pistols ★★★ (2023-09-01 22:06:27)

荒らしが何やら楽しそうですね。
僕のジャッジャジャにウケていて何より。
このサイトに迷惑かけてもいかんので、しばらく沈黙します。
さらば。


JAMES BROWN ★★★ (2023-08-30 14:58:50)

名前をずっと前から知っていたけど、メタルにしか興味がなかったため最近まで聴いていなかったアーティスト。
今のところファンクをやっている時期のものしか聴いていないが、とても良い。
声は良いし、歌もめちゃうまで、シャウトなんてメタラーの僕にも響く素晴らしさ。
バックの演奏もキレキレでとても心地よい。
最低限の素材でこんなに面白いことができるのかと感動した。
ちなみに僕が聴いたのはThe PaybackとIn The Jungle Groove。


THE WHO - My Generation - I Can't Explain ★★★ (2023-08-30 14:19:06)

ベスト盤の1曲目で初めて聴いた時は全く気に入らなかったんだけど、今更になって効いてきてハマっている。
こういうのがブリティッシュビートど真ん中のサウンドなのかな。ブリティッシュビートに疎いのでよく分からないので、断言は出来ないけど。
ジャッジャジャジャッジャジャとコードを刻むだけのリフがとてもカッコよく、ピートの良さがよく表れた演奏だと思う(ジミーペイジが関わっているらしく、この刻みはもしかしたらピートじゃないかもしれないが)。
ちなみにコード進行はこの時代の流行りなのか、EDAというもので、ストーンズの悪魔を憐れむ歌やZepのグッドタイムズバッドタイムズと同じだったりする。


THE ROLLING STONES - Exile on Main St. - Stop Breaking Down ★★★ (2023-08-29 17:28:47)

ストーンズのブルースはハッキリ言ってパチモンなんだけど、それが故にかっこいい時がある。
この曲なんか正にそれの良い例で、元はロバジョンの曲だが、それをエレキandバンドアレンジにしていて、とてもヘヴィでかっこいい曲に仕上がっている。
原曲の方が高尚ではあるんだけど、こっちの汚らしいロック版も捨てがたい。
しかしこういった白人の若者によるブルースへの冒涜みたいな行為を、その当時のブルースマンたちはよく怒らずにいられたな、とちょっと不思議に思うところはある。


THE ROLLING STONES - Exile on Main St. - Rip This Joint ★★★ (2023-08-29 16:52:16)

名盤の2曲目。
簡潔に言うと、勢いがあってパンキッシュ。正確にはこういうのはブリティッシュビートというらしい。
ファンの間ではかなり人気の高い曲ではなかろうか。
僕がこのアルバムで最も再生した曲かもしれない。少なくとも名曲Rocks offより聴いてると思う。


CRYPTOPSY - None So Vile - Phobophile ★★★ (2023-05-05 17:13:57)

この曲の始めのリフはスケール的に見ればただのフリジアンなんだけど、個人的な解釈では、エオリアンにナポリのⅥのコードトーンを入れたものだと思っていて(この方がフリジアンと考えるよりもEm C F Bという綺麗なコード進行が出来る。多分この時のジョンはコード進行の知識もないだろうから、そんなことは考えてないだろうけど)、それがシンプルながらにとてつもなくかっこいいんだよな。
このアルバムの全てがこれのように調性のある曲であれば(無調であってももっと面白いメロディが詰まっていれば)僕にとっては名盤だったかもしれない。
僕は前から思っていたんだけど、Phobophileを好きな人ってのは結局、調性のあるメロディアスなものが好きってことだよね?


DISGORGE(US) - Cranial Impalement ★★★ (2023-05-05 14:32:12)

Demoを二つ合わせただけのアルバムですが、1st扱いの作品です。
で、クソ名盤。
Disgorgeの作品はどれも良いので(4つしかないけどね)、どれを聴いても期待を裏切らないと思いますが(個人的には4thは長くて退屈します)、僕はこの1stを一番おすすめします。
とは言ってもこういう音楽がダメな人はとことこん嫌悪する内容ではあると思いますね。
デスメタルと一口に言っても音楽性にそこそこ幅があるので、デスメタルが好きだからと言ってこのバンドが好きとも限らないと思います。
このバンド、あるいはこの作品の良さは矛盾するようですが、単調さと複雑さを同時に内包していることだと思います。
ギターリフや曲の展開は複雑(というより統制のないカオスのような感じ)なのですが、ドラムがすごく単調なんですよね(一応、テンポを変えたりリズムを変えてはいるんですが、単調に聴こえます)。
これがこのバンドの特徴的な部分で、他のバンドでは聴けなかった音楽性でもあり(後の模倣したバンドを除いて)、とても癖になる部分でもあります。
なので、リフはキャッチーじゃない上に繰り返しもあんまりないから曲を覚えられないし、ドラムはトコトコトコ単調に叩いていて面白くねぇ!っていう人が居ても不思議ではないと思います。
でも僕は大好き。
ぶっちゃけこのバンドのパワーコードでズンズンするリフはあんまり好みではないのですが、単音の音の動きが速いリフがなんと言っても絶品でこれを聴くために僕はDisgorgeを聴いています。
あと他の作品にはないこの作品だけの良さといえば、荒々しい音質ですね。
これがとっても雰囲気が出ていてかっこいいんですな。特にギターの音が他の作品と比べて僕の好みに近いんです。
ちなみに上記の通り二つのDemoを合わせたアルバムなので途中から音質が変わります。ここが普通の人には聴きにくいポイントかも知れません。
てか、おすすめしといてなんですが、この作品は今、入手が難しいので、チャンスのある場合は多少高くても買う価値があると思います。1万超える場合はスルーしても良いと思いますが、3千円くらいなら買うべきだと思います。


CRYPTOPSY - None So Vile (2023-05-05 13:19:01)

名盤2nd。
ただし、僕はあまり好きではありません。
というのもCrown of hornsとSlit your gutsとPhobophile以外で好きな曲がないからです。
ドラムの上手さ云々かんぬんは僕にはあまりわからないのですが、確かに聴いていて面白いプレイだなとは思いますし、なんならこのドラム(と奇天烈ボーカル)がなければ完全に面白みのないアルバムに仕上がっていると僕は思います。
まあ、上記の3曲はリフが良い感じなので仮にドラムが別の人であったとしても面白い曲になっているとは思いますが。
で、僕がCryptopsyのディスコグラフィーに関して解せないのは、名盤2ndとその他のアルバム、という扱いがファンの間でよく見られることです(僕の思い違いではないよね、多分)。
2ndが名盤なら他のアルバムももっと良い評価を得ても良いのに!と思ってしまいます。
Cryptopsyに関して音楽的な楽しさは後の作品になるにつれて増えていると僕は思っているので、この2ndだけやたら評価が高く、他の作品はあまり評価されていない状態は本当に嫌です。
あと、僕はこういうジャンルを聴く人間にしては珍しく、どのアーティストでも基本的に後期の作品になるにつれてクオリティが上がっていくと考えているタイプの人間なので、余計にそう思うのかもしれません。
ロックやメタルのファンの初期3作くらいまでをやたら持ち上げて後の作品をあまり評価しない風潮は早く消え失せるべきと思っていますが、まあ、そう簡単にはなくならないですよね。


JUDAS PRIEST - Firepower ★★★ (2023-04-28 12:56:30)

デスメタルばかりを聴く僕だけど、Judas Priestだけは特別なのでこのCDは確か予約して買いました。
で、今更感想を。
とにかく1,2,8〜14曲目が素晴らしい!
3〜6曲目は個人的には好きになれない雰囲気の曲なので、ここらでちょっとテンションは下がっちゃいますが、総じて良い出来の作品だと思います。


VEIL OF MAYA - [id] ★★★ (2022-05-15 15:23:20)

デスコアと言われたり、Djentと言われたりとどのカテゴリーに属するのかイマイチわからないバンドですが、そういうカテゴリーがどうのこうのというのをあまり気にせずに聴けるクオリティの高いバンドです。
これはそんなバンドの3rdで、5th以降に登場するエモいクリーンボイスを含まないゴリゴリのデスコア、Djent作品です。
このバンドの個人的にツボなところは少し明るいメロディを含んだリフで、それがメロデスのものとも少し違っていて独特なのですが、とても気持ちいいのです。
この独特でメロディックなリフの造りはPeripheryあたりとも通ずるもので、Djent系のバンドではよく使うタイプのリフなのかもしれません。僕は最近になってやっとここら辺のバンドに手を出し始めたので、比較対象が少なく確かなことは言えませんが。
ちなみにこのバンドの作品は2ndから4th、それと6thを聴きましたが、個人的には2ndから4thのクリーンボイスを含まない時期が好みです。
というのも、リフに関してはメロディセンスがいいなぁとは感じたものの、6thに出てくるエモい歌メロにはあまり良い感想を抱かなかったので、どうしても4thまでの作品がお気に入りとなってしまいます。
Peripheryなんかもそうですが、リフのメロディはそれなりに上手く作れるのに歌のメロディがそこまで良くないのは何故なのでしょう?
まあ、個人的にはこのVeil of Mayaの歌メロの方がPeripheryの歌メロより良いと感じますが。
僕はクリーンボイスの存在自体がダメと言うわけではなく、クオリティさえ高ければなんでも良しなので、もっとマシな歌メロを作ってくれることを願います。恐らく歌メロが微妙な原因はコード進行が間違っているとか、音の跳躍のさせ方が間違っているとかが考えられますね。
って3rdの感想じゃなく6thの文句になってしまいましたね。すみません。
3rdのことに話を戻しますと、この作品はメロディやリズムに面白い仕掛けが沢山あり、時間も29分と良いくらいの長さで最後まで飽きずに楽しく聴けます。
この3rdを気に入れば、前の2ndや次の4thも少しの作風の違いはあれど同じ要領で聴くことができるので、とてもおすすめです。


SPAWN OF POSSESSION - Noctambulant ★★★ (2022-04-17 20:53:22)

テクニカルであること以外特筆すべきところがないのですが、なぜか嫌いになれないバンドの2ndです。
ほとんどが疾走曲で、スルッと聴けるという長所がある反面、曲にキャッチーさがないのでどうしてもBGM的な聴き方になってしまい、全て聴き終えた後、どんな曲があったのかほとんど思い出せないアルバムです。
曲が覚えられる覚えられないというのはデスメタル的に良し悪しに直結しないという考え方もありますが、個人的にはもう少しキャッチーで覚えられる曲があってもいいかなと思うところです。まあ、僕自身、あまり記憶力がなく、頭も良くないので、こういうタイプのデスメタルを聴くのに向いていないとも言えますが。
しかし、聴き終えた後に妙な爽快感があり、悪い作品だとは思いません。現に曲が覚えられねぇと言いながらも何回も聴いている僕がいますし、依存性の高い音楽であるとも言えます。
あとはやはり、テクデスの醍醐味である細やかで速いフレーズはなかなか爽快であり、それを聴くだけで幸せになれる方には強くお勧めします。
それと最後に、後に元NecrophagistのChristianがメンバーになったことからネオクラ的なフレーズが乱舞するメロディアスなデスメタルを想像する方もいらっしゃるかもしれませんが、それは間違いなのでそういったタイプの音楽を期待すると肩透かしを食らうと思います。このバンドははっきり言ってメロディでは勝負しておらず、ほとんどのフレーズは無調です。多分...。
速弾き的なピロピロもしていますが流麗なメロディは皆無ですので、そこはご注意を。


DEATHROW - Deception Ignored ★★★ (2022-04-16 22:23:55)

2ndの時でも十分テクニカルである気がしましたが、更にテクニカル度の上がった3rdです。
Deathrow基準で言えば全体的にいい出来で、かっこいいのですが、相変わらず歌メロはダメダメです。
更に頂けないことに、その歌メロが2ndの曲と被っているものがあります(確かThe Thing WithinとN.L.Y.H)。
まあ、しかし、そのくらいは大目に見た方がいいのかもしれません。元々そんなにクレバーで器用なバンドには見えないので。
スラッシュメタルのメインディッシュのリフに関してはかなり独特の変態的な音使いで、1曲目を聴けばそのヘンテコな音使いが顕著に表れているのが分かると思います。Release〜の頃のDestructionやMekong Deltaに近い部分もあるかと思います。しかし、僕はあまりスラッシュメタルに明るくないので、少し的外れな意見かもしれません。
で、アルバムを通して特にダレる箇所もなく、クオリティは非常に高いと僕は思います。ただ、個人的には3曲目にインストを持ってくるのはやめて欲しいと思いました。Coronerのようなメロディを聴かせるインストならまだしも、この3曲目のように普通の曲からボーカルを抜いただけのようなインストは最後の方でいいと僕は思うんですよね。


MEKONG DELTA - Tales of a Future Past ★★★ (2022-01-10 15:59:31)

変態スラッシュMekong Deltaの2020年作です。
僕はこのバンドの作品はKaleidoscopeまでしか聴いておらず、近作は全く聴いていないのですが、昔から芯の部分は変わっておらず安心しました。
だがしかしですね、アルバムの途中に挟まっているLandscape2やWhen All Hope Is Goneなどのクラシック、オーケストラ風の曲がイマイチで、個人的にこれらはいらないかなと思いました(最後のLandscape4は中々良いのですが)。
というのも、色々なクラシック作曲家(主に近現代)から影響を受けているらしいラルフですが、クラシック音楽の作り方が分かっていないのか、どうにもクラシック、オーケストラ風の曲はツメが甘いように感じます。
これは昔のアルバムでも同じで、元々あるクラシック曲のカバーは原曲が良いからそこまで残念感はありませんが、オリジナル曲のストリングスやオーケストレーションを取り込んだクラシック風の曲はどれもイマイチだった印象があります。
もう少し、メロディの作り方やハーモニーの勉強をすれば良いのにな、と思いました。僕がMekong Deltaの音源を聴いた限り、インタビューなどでクラシックがどうたらと語っているラルフですが、まともに和声の勉強をした人にはとても思えません。
まあ、僕はあまり近現代のクラシックを聴かないので、そこらへんのところを掴みきれてないのかもしれませんが。
ただ、近現代のクラシックを聴いたならもっと面白く音を重ねると思うんですよ。
ストリングスやオーケストレーションの使い方があまりにもつまらないし、ハーモニーも凄く薄いので、和声やクラシックの勉強がんばれ、ラルフ!って感じです。
しかしですね、いつもの奇数拍子、混合拍子をバリバリ使ったメタルチューンは流石の出来でこれらの曲はとてもかっこいいと思います。
それだけにクラシック風の曲が余計に邪魔に思えるんですよね...。
あと、Mekong Deltaのメタルチューンを聴くと、クラシックとかなんとかよりRushの影響の方が強いと感じるのですが、ラルフはRushを意識しているんでしょうかね?
ボーカルに関しては昔より上手い人になっていますが、ラルフのメロディセンス、というかメロディの作り方が良くないので、上手く活かせているようには思えませんね。
このダメダメな歌メロのせいもあってほとんどの曲が印象に残り難くいものになっていると思います。特に8曲目はボーカルメインの曲なのですが、メロディも伴奏もつまらなく、酷い出来だと思っています。9曲目も同じくボーカルメインの曲ですが、8曲目に比べてマシな出来だと思います。ただエレキギターは入っておらず、最早メタルじゃないので頂けない部分はあります。
てことで、品質は昔から変わりなくいつものMekong Deltaといった感じです。なので今までの作品が好きな方には抵抗なく受け入れられる作品だと思います。
ただ前述した通りクラシック風の余計な曲があるため、密度はDance of Deathには敵わないかな、と思います。
それでもこのバンドが好きなので星3つつけちゃいます。


KING CRIMSON ★★★ (2021-11-18 14:51:33)

今になってクリムゾンにハマり中。
まだ数回しか聴いていないアルバムもありますが、80年代の3作以外を全て聴いてみました。
そしてそれら全てが良かったのでびっくりしています。
一般的に宮殿、太陽と戦慄、レッドが名盤とされていますが、それ以外のアルバムも僕はすごく楽しめました。
例えば宮殿の二番煎じだとされますが、冷静に聴いてみれば文句の付け所がない「ポセイドンのめざめ」。
妙な雰囲気で馴染むのに時間がかかるとはいえ、ハマってしまえばこの音世界から抜け出せなくなる「リザード」。
これまた異色の作風ですが、とてつもない美しさに心奪われる「アイランズ」。
即興曲が多く収録され一回聴いただけでは消化しきれないけれど、バラエティ豊かでスリリングな演奏を聴かせる「暗黒の世界」など。
これらの評判の良くない作品もそれぞれ個性があり、クオリティは一定以上で僕の基準で測ってみれば全て名盤レベルでした。
てことで色々書きましたが、まだまだ聴き込みが足りないし、まだ僕の発見できていない魅力もあるかと思うので、またクリムゾン聴き込み修行に戻ろうかと思います。さらば。


GORGUTS - Obscura ★★★ (2021-10-06 14:41:26)

以前にこの作品をこき下ろした文をここに投稿した事があったのですが、後になってやりすぎだったと反省したためその文を削除させてもらい、今回また新しくこの作品について書いてみたいと思います。
以前は2ndからこの作品にかけての作風のギャップと、あまりに通常の音楽から逸脱した音楽性とが相まって、この作品をあまり好きになれず、その気持ちを発散するかのようにこのサイトにレビューを書き殴ったものですが、今日、久々に聴いてみると前ほど悪い印象は持ちませんでした。
やはり以前の僕の音楽に対する感受性は乏しかったんだなと、まざまざと思い知らされました。
あの文を書いた後、更に色々な音楽に触れる過程で、この手の奇天烈な音楽に対する耐性がついたのかもしれません。
事実、最近はこの作品以外にも、前まで嫌いだったバンドや作品を何故か好きになってしまうという現象がちょくちょく僕の中で起きるので、時間の経過と音楽的体験を積むことによって感受性も変化するんだなと実感しました。
それとこの作品に対する見方が変わったもう一つの要因として、様々な音楽に触れるという以外に、このバンドの最新のミニアルバムを聴いたことが大きく影響しているのではないかと自分で思っています。
そのミニアルバムというのは2016年のPleiades'Dustという作品で、33分の曲が1曲だけ収録されているというデスメタルに於いてはとんでもない仕様の作品なのですが(メタルはメタルでもプログレ系では普通のことだと思います)、間違いなくObscura以降のGorgutsの作風でありながら、僕にも受け入れられる内容で非常にクオリティの高い作品でありました。
このミニアルバムが僕にとって聴きやすかった理由としてはおそらく、Obscuraよりは調性感があり、メロディアスなシーンが豊富であるからだと思います。しかし、それでもやはりObscuraの延長にある作品であったので、このミニアルバムが楽しく聴けるのならObscuraも楽しく聴けていいんじゃない?と自問してしまい、今回このObscuraという作品を改めて聴いている訳です。
で、そんな過程を経てこの作品を聴いてみると、以前より解像度が一気に上がって、作品に対する理解度も凄く上がりました。
不思議と理解度が上がるだけで、音楽に対する快感も得られるようになりましたし、以前のような不快感はほとんどなくなりました。本当に不思議です。
という訳で、以前のレビューから打って変わって手のひら返しをする形になりましたが、時間が経ったり、経験を積むと人の考えも変わるんだと捉えていただけるとありがたいです。


HOUR OF PENANCE - Regicide ★★★ (2021-10-03 16:15:04)

Hour of Penanceの6th、Regicideです。
前作が名盤とされており、その影に隠れて目立たない作品かもしれませんが、僕はこの作品も好きです。
勢いで押し通す感じだった前作に比べて、やや落ち着いており、おとなしくなっていますが、音楽の質は高く維持していると思っています。
収録されている曲の数が14曲とかなり多いので、全て聴くのは少し体力がいりますし、覚えるのも大変ですが、ボリューム満点なのでここも個人的には評価が高い部分であります。
テクニカルでスピーディーな楽曲は以前と変わらずですが、そこにテンポを落とした緩急の緩の部分が導入されたので、全体的な知的レベルは少し上がった気がします。ずっと走りっぱなしだと頭の悪さみたいなものが見えたりしますが、スピードを緩めるパートを少し挟むだけでこうも賢く聴こえるのかと少し驚きました。
前にHour of Penanceのリフは大したことないという意見もネットで見かけたことがあります。確かに耳に残るようなリフはあまりないかもしれないのですが、個人的にはそこはあまり問題ではなく、退屈せずに最後まで聴ける作品に仕上がっていることが重要なので、そこをクリアしているHour of Penanceは本当に良いバンドだと思います。
なので、ややとっつきづらい部分もあるかもしれませんが、激しくてテクニカルなデスメタルが聴きたい方は聴いてみると良いと思います。


CRYPTOPSY - Whisper Supremacy ★★ (2021-10-01 21:03:28)

EmaciateとCold Hate,Warm Bloodという名曲が収録されていることで有名なアルバムだと思います。
確かに上記のニ曲はとてもクオリティが高く、即効性の高い曲だと言えます。
しかし、その他の曲は少し弱いと僕は感じています。
まだLoatheやFlame to The Surface、Faceless Unknownなどはキャッチーで聴きやすい曲に仕上がってますが、残りの3つは攻撃性は高く勢いはありますが、あまりに無機質でつかみどころのない曲だと思います。無機質であることが悪いかどうかは人それぞれだと思いますが。
で、僕の場合、このアルバムは少し聴きづらいので、お気に入りの作品とまではいきませんでした。この次の4thのAnd You'll Then Begの方が曲の質が高く、ボーカルのテンションが低いことを除いてはこの作品より優れていると感じました。
しかしこの作品はこの作品で独自の空気を持っているので、嫌いではないし、割と好きではありますが。


ARSIS - A Celebration of Guilt ★★★ (2021-09-26 14:43:49)

Arsisの傑作1stです。
日本ではイマイチ人気がないようですが、海外ではこの1stは名盤とされており、その評価も頷けるくらいクオリティは高いと思います。
音楽のベースはテクニカルデスメタルとメロディックデスメタルですが、攻撃性とメロディの匙加減が絶妙でこれらのジャンルが苦手な方でも聴けるのではないかと思います。
メロメロで攻撃性がなくなるわけでもなく、攻撃的すぎて曲のメロディやキャッチーさがおざなりになるわけでもない、本当にちょうど良いバランスで纏っている作品だと感じました。
ただ、少し気になるのはギターのピッチが危ういところがいくつかあり、え?音外した?と聴くたびに少し引っかかってしまう点です(例えば2曲目の1分2秒あたりのメロディで僕はそう感じました。気のせいかな?)。僕の耳か所持しているCDがおかしいのかもしれないし、はたまた僕のCDプレイヤーがおかしいのかもしれないので、正確なことは言えませんが。
ただこれは人によっては気にならない些細な欠点だと思いますし、こんなメロディアスでヨーロピアンな雰囲気が漂う気品の高い作品がアメリカから出てきたという凄さの前ではどうでも良いことかもしれません。
あくまでもテクニカル、メロディックデスメタルファン向けの作品だと思いますが、これらのジャンルにありがちなナヨナヨとした「芯のなさ」みたいなものは感じられなかったので、僕は素直に受け入れられました。特に僕は攻撃性の少ないメロディックデスメタルが苦手なのですが、この作品はそういった欠点も補っていたのでとても良い印象を持っています。


HATE ETERNAL - Upon Desolate Sands ★★★ (2021-09-22 14:16:40)

現時点での最新作です。
作風は前作の延長線上のもので不穏なムード全開で攻めてくる内容になっています。
ただ少し気になるのはErikの声がややしゃがれていて元気がないように聴こえることと、曲のスピード感が少し落ちて、ヘヴィでずっしりした感触を持つ曲が多いことです。
どちらも悪くなったということではありませんが、Erikの調子が良くないのかな?と僕は少し心配になりました。
しかし、僕はそんな風に思いながらも前作より、少しばかりこっちの方が好きかもしれません。それは僕が他のところでも書いている通り、全編ブラストで攻めまくる作風がやや苦手であることと、今作のヘヴィにしっかり重心を置いた作風がなかなか心地よく感じられるからです。
爆走感が薄まり、それに伴って派手さもなくなった気もしますが、この絶妙な渋さは僕のようなタイプの人間にはウケるのではないでしょうか?
あと、楽曲の獰猛さに反して、相変わらずギターソロは甘美なメロディのものが多く、それはこのバンドの昔からの長所であり、それを期待している方には安心して聴ける内容になっていると思います。
それに、今作では今までになかったような独特なメロディの単音リフが少し使われており、それが僕の好みにクリーンヒットして、そこもこの作品を気にいる要因になっています。
Erikも歳をとってそれに伴い、少し元気がなくなったようにも思えますが、相変わらず良い作品に仕上がってますので、これまでのHate Eternalが好きな人はマストバイだと思います。


HATE ETERNAL - Phoenix Amongst the Ashes ★★★ (2021-09-22 14:01:26)

Hate Eternalの5thアルバム。
僕はこれをHate Eternalの中で最も分かりやすい作品だと思っています。
速いパートばかりでなく、スローパートも程よく織り込まれており、更にはイントロで印象的な変態速弾きを披露していたりと、曲毎の区別がつきやすい作品であると言えます。
あと、メロディ感もだいぶ出てきており、今までより曲の親しみやすさは上がっていると感じました。このメロディ感を押し出した作風は次作へと繋がっていく重要なポイントだと思います。
今までの凶暴な作風の作品とメロディアスな作風の次作の間の作品なので、バランスが良いとも言え、今までほど殺伐としているわけでもなく、次作ほどメロメロもしていないので、人によっては聴きやすい作品になっていると思います。
僕がその聴きやすかった人間の一人でHate Eternalの作品の中では一番とっつきやすかったと思います。
まあ、しかし、Hate Eternalは我々ファンを裏切ることがないバンドなので、とっつきやすさの違いはあれど、どれも良い作品ですし、作品毎のクオリティの差はないと考えた方が良いと思います。
作品毎のカラーの違いから好みの問題で、人によって差が生まれるかもしれませんが、今のところ僕はどの作品も好きです。
しかし、僕はまだFury and Flamesを聴いていないし、全作品を聴き比べた訳ではないのでアテにならない部分はあります...全部持ってるかのような物言いをして申し訳ない。


HATE ETERNAL - I, Monarch ★★★ (2021-09-22 13:39:16)

Hate Eternalの3rdアルバム。
前作のKing of All Kingsから更にキャッチーになった内容だと思います。
上でも書いてあるとおり、入りが印象的な曲が多く、前作より曲毎の違いがわかりやすくなったと思います。
一本調子気味の作風も少しは改善されているようにも感じました。
ただ、前作よりこちらの方が優れているというようなわけではなく、どちらの作品もカラーが違うだけで良い作品だと思いますし、どちらが好きかは完全に好みの問題であると言えます。
僕はどちらの作品も好きなので優劣をつけずに聴いています。
こちらの作品の方が少しばかりHate Eternalを初めて聴く人には馴染みやすいかなとは感じましたが。
んー...まあ、そんなとこかな、Hate Eternalはどれも良い作品だし、これといって書くことがないっすなぁ。


BOLT THROWER - ...For Victory ★★★ (2021-09-21 14:45:39)

一般的にポンコツだと評されながらも、嫌いにはなれないバンドBolt Throwerの5thです。
ジャケが以前のチープな絵から(前作はドラクロワの絵でチープではありませんね)、写真になって少しイメージが変わりましたが、音の方は大きく変わっておりません。
前作あたりからややメロディアスになってきており、正統派メタル的な感触も得られるようになっていますが、がっかりするような変化は無いと思います。
かっこよさは健在で、本当にもう最高としか言えません。
Bolt Throwerのポンコツなイメージはどこから来たのか分かりませんが、僕はこのバンドをそんな風に評価をするのは少し違うんじゃないかと感じるところがあります。
たしかに、他のバンドに比べて派手さやキャッチーさはないかもしれませんが、オールドスクールデスメタルを好んで聴いてらっしゃる方ならそんなことは気にしないはずだし、初心者受けが悪いのはともかく、もう少しマシな評価をされても良いんじゃないかと思います。
まあ、これ以上評価されて有名になったところで、ファンである僕達に特にメリットはないかもしれませんが。もう解散しちゃってるし...。
しかし、デスメタルファンの中の好き者だけの音楽に留めるには惜しい気がするんですよ。


SUFFOCATION - Pinnacle of Bedlam ★★★ (2021-09-20 12:37:31)

Suffocationの7th。
of the Dark Lightのところでこの作品を消化不良だと書いてしまいましたが、今改めて聴いてみると結構良いと思います。
1、4、5、6曲目は代表曲になると思うくらい出来が良いと思います。
後は比較的、派手な音質に反して地味な楽曲が並んでいるイメージがありますが、悪くはないと感じます。
特に7〜9曲目なんかは先に挙げた4曲とは違って派手さ、キャッチーさは抑え気味で、オールドスクールな造りの曲に僕は感じました。
個人的に少し気になったのは2曲目で、もう少し先の展開があってから終わっても良いんじゃないかと思うくらい、物足りない楽曲に感じました。ただインパクト大の1曲目の余韻と勢いがあって、あまり気にならないとは思いますが。
で、その1曲目ですが、かなり名曲でメロディと勢いが両方備わった最強の曲です。これだけのためにこのアルバムを買っても損はしないと思うくらいです。
4曲目も1曲目に劣らずキャッチーでインパクトが強い曲だと思います。疾走曲ですし、メタラーならノリノリで聴けるはず。
あと5曲目はSuffocationらしくない抒情性を含んだミドルテンポの曲で、かなり異色な雰囲気を放っていますが、これもかなり良い曲で僕のお気に入りです。
次の6曲目はこれまた疾走曲ですが、メロディを多分に含んだ曲で、これもまた異色と言えるでしょう。しかし、of the Dark Lightの方針を決めたのはメロディアスな要素を含んだこれらの曲なので、次作への重要な掛橋のような役割を果たしたと僕は思います。
そんなわけで、この作品がなかったら次作もなかったと僕は思うので、Suffocationのディスコグラフィーの中で初期作に劣らず重要な位置にあると思います。


SUFFOCATION (2021-09-19 14:39:55)

IncantaionのJohnがSuffocationのアルバムを順位付けする動画を見つけたので、そのランキングをここに掲載しておこうと思います。
前にImmolationのランキングも掲載しましたが、それと同じ投稿者の動画です。

1 ...Of the Dark Light
2 Pinnacle of Bedlam
3 Blood Oath
4 Suffocation
5 Pierced From Within
6 Solus to Deny
7 Effigy of the Forgotten
8 Breeding the Spawn

Immolationの時より意外なランキングですね。初期作が見事に下に集中しています。
まさかof the Dark Lightが1位になるとは思いもしなかったです。それに2位がof the Dark Lightの前のPinnacle〜ですし、意外でしかないですよね。
一般的な評価が低い二つをトップに持ってくるあたり、初期作しか認めないファンに対するアンチテーゼのようなものを感じます。というか実際に動画内でもそんなようなことを言っていました。大抵のバンドのファンは初期の作品ばかりを評価して、後期の作品には関心を持たないけれど、それは如何なものか、といったようなことです。言われてみれば、僕も前からそういう風潮を気になっていました。特にメタルファンはそういう傾向があるように僕は感じますね。始まりや原点に重きを置くのは悪いことではないと思いますが。
このランキングをきっかけにof the Dark Lightを含めた近年の作品も再評価されると僕は嬉しいと感じます。なんといってもこのランキングを考えたのがあのIncantationのJohnですから、初期しか認めないぞ!というファンも少し考えを変える気になるかもしれない、と期待を抱いてしまいますね。


INCANTATION - Diabolical Conquest ★★★ (2021-09-15 14:18:22)

前2作までのモノホン感はやや薄れて、割とまともになりつつありますが、それでもやはり圧倒的なオーラを放っていますね。
ただ、またまた個人的な不満がありまして、それの原因は意味がなさそうなインストが挟まれていることだったり、スローパートが半分以上を占め、16分もある最後の曲の存在だったりします。
途中に速くてかっこいいところもあって、人によっては楽しめる可能性もありそうな最後の16分の曲はともかくとして、4曲目のインストはいらないでしょう...。なんというか、明るいのか暗いのか分からんような、中途半端な曲ですし、ね。
しかし、それ以外の曲は過去最高に良い出来で、順調に曲作りが上手くなっていると感じました。
メロディの使い方が特に上手くなっていて、無調的なメロディを全面に出しながらも、ふとした瞬間に調性感のあるメロディをちょこっと聴かせるあたりは凄く素敵です。
メロメロになって軟弱になったわけでもなく、本当にいい塩梅のメロディ使いで、無調的なメロディばかりで聴いていてしんどくなるのを上手く避けていると思います。
それに、リフのパターンがトレモロとパワーコードだけじゃなく、少しテクニカルになっている気もします。なので、ギタープレイは結構冴えていると思います。
で、僕が楽しめるのは4曲目と最後の8曲目以外の曲、計6つなので少しボリューム面で不満が残りますが、1作目から順番に聴くとどう成長したかを楽しめるので、このアルバムを買ってよかったと思います。
これ、人によっては最高傑作という話も聴きますし、これからIncantationを聴きたい方ならマストバイでしょうね。
あ、書き忘れた。今作でボーカルが替わりましたが、前任の方より表現力があって良い声だなぁと思いました。ただJohnいわく、酒ばかり呑んでいてバンドメンバーとしては良くなかったらしいので、すぐにまたボーカルが交代していますね。


INCANTATION - Mortal Throne of Nazarene - Demonic Incarnate ★★★ (2021-09-15 13:53:33)

名曲すぎる1曲目。
オープニングのトレモロから名曲であることをプンプンと匂わせていますよね。
こういう宗教的な匂いがするメロディというのはデスメタルとの親和性が高く、僕は大好きです。
前半のある種、メロディアスでスピーディなパートからうってかわって、曲の後半はズッルズルでドッロドロなドゥーミーパートで、このバンドのおぞましさを象徴するような良い意味で後味の悪い終わり方をします。
こんな禍々しい曲をやるバンドは他にないっすね、多分。


IMMOLATION (2021-09-06 15:33:25)

IncantationのJohn McEnteeがImmolationのアルバムをランク付けしている興味深い動画を見つけたので、そちらのランキングをここに書いておきます。
少し意外な並びでなかなか面白いランキングですね。

1 Dawn of Possession
2 Majesty and Decay
3 Atonement
4 Here in After
5 Failures for Gods
6 Harnessing Ruin
7 Unhloy Cult
8 Close to a World Below
9 Shadows in the Light
10 Kingdom of Conspiracy


IMMOLATION - Failures for Gods ★★★ (2021-09-05 14:35:43)

Immolationの名作と言われている1stと2nd、4thに比べてあまりフォーカスされない地味な立ち位置にある3rdアルバムです。
個人的には結構好きなアルバムで、2ndや4thより好きなアルバムかもしれません。
2ndと4thの一般的な評価とは違って、僕はあまり好きになれなかったのですが、その二つに挟まれているこの作品はとても自分の好みにマッチしました。
2ndは無機質な曲が多く、個人的には聴くのが辛いところがあったのですが、今作は少しだけ1stの頃に回帰したのか、宗教的なメロディが多く登場し、やや無機質感が薄くなったと思います。次作の4thはその宗教臭いメロディはそのままにさらにカオテイックになった印象があるのですが、あちらの方も2ndと同様、未だに僕は好きになれません。おそらくですが、その要因は無機質感がまた復活しているからだと僕は考えています。
そして今作はその2ndや4thより幾分もリフが面白いと僕は思いました。
それは前述した宗教的なメロディが陰湿ながらも心地よいことが大きく影響しているのではないかと僕は思います。なんなんでしょう、このとてつもなく冷たくて暗いのに聴いていて気持ちいいリフは。
2ndのリフは単に暗いだけでなかなか心地よさに繋がらなかったのですが、今作はそういった点であちらより優れていると僕は思いました。
あと4thと比べた場合に、こちらの作品の方が単音のリフが多いので、聴いた感覚がオーソドックスなデスメタルに近く、僕にとって親しみやすいのは今作の方ですね。
そして2ndまでに漂っていた退屈感は今作では少し解消されていると思います。まだ全体を通して一本調子な感じは完全には拭えてはいないのですが、僕は2ndより聴きやすいと思います。
ただImmolationは路線を変えずにひたすらストイックに同じことを突き詰めていくバンドなので、やはり後々の作品の方が洗練されており、聴きやすさとクオリティは今作より上だと思います。
ということでImmolationを始めて聴くなら後期の作品の方をおすすめしますが、初期の隠れた名作的なものが聴きたいなら今作をおすすめします。何度も同じようなことを言いますが、僕は2ndや4thを買う前にこちらを買った方がImmolationの良さが分かりやすいと思いますね。ただ2ndや4thに僕が気づいていない魅力があるのかもしれないので、強くは言えませんが...。


BOLT THROWER - Realm of Chaos: Slaves to Darkness ★★★ (2021-08-26 22:00:32)

ココではダサいだの、イカレポンチだのと言いたい放題、言われ放題でありますが、とどのつまり皆んなBolt Throwerが大好きだってことですし、僕もすっかりこのバンドの虜になってしまいました。
で、これはそんなバンドの2ndアルバムです。
このバンドのファンなら、この作品を最高傑作と見る方も多いと思います。
僕は現時点でこのバンドの作品はこの作品を含めて三作しか聴いていないので、この作品を最高傑作とするかどうか判断しかねるところではありますが、とても良い作品であるという点に於いては、この作品に肯定的な意見には同意します。
ただ、僕が聴いた他の作品もこれとは少し作風の違いはあれど、全て高品質だったのでこの作品だけが突出しているようには感じませんでした。
で、何がそんなにいいかって、リフなんですよね。ええ、そんな当たり前のこと言うなよって思いましたよね。僕も自分で言っていてそう思いましたが、そうであるとしか言いようがないんです。
これほど戦場を想起させるような、きな臭くてかっこいいリフを演奏するバンドが他にあるでしょうか?ないでしょう!少なくとも僕はそんなバンドを他に知りません!浅知恵の僕が言っても説得力はないかもしれませんがね...。
とにかくこのバンドのリフは素晴らしいと僕は言いたい訳です。
で、そのリフなんですが、スケール通りに音を選択しているケースが多いからか、感情移入や情景を想像することが出来ない変なメロディというのが案外少なく、攻撃的でアングラな空気は漂ってはいても、デスメタル初心者でも聴けなくもないバンドだと僕は感じました。ジャケ通りの音世界が広がってますし、こういうタイプの漫画なり、映画なりがお好きな方にも合うのではないかとも思います。
ええ、てことで、要はこのバンドとこの作品が素晴らしいってことです。展開が下手とか、アートワークや雰囲気がB級っぽいとか、僕は全く気にならなかったし、マイナスポイントになっているようには思いませんでした。
リフ一発でリスナーを圧倒するメタルバンドって最高だとは思いませんか?


INCANTATION - Mortal Throne of Nazarene ★★ (2021-08-23 20:30:42)

大抵、名盤と評されている2ndです。
ただし、メンバーのJohn McEnteeは自分で考えたIncantationのアルバムランキングでこの作品を下から2番目に配置しています。
というのもJohnいわく、この作品制作時のバンドの状態は最悪だったらしく、メンバーの仲に亀裂が入っていたり、金とプロダクションのことでレーベルと揉めていたりと当時の良い印象はないようです。
ただ、Johnはそうは言いつつも、曲の中身には満足しているようで、この作品がランキングの下の方にきているのは、Johnの当時の嫌な思い出によるところが大きいと見ていいでしょう。
ちなみにこの作品にはミックスが異なる二つのバージョンが存在しており、一つは正式に2ndとして発表され、タイトルがMortal Throne of Nazareneとなっている今作であり、もう一つはMortal〜とは曲が逆に配置され、タイトルがUpon the Throne of Apocalypseとなっている作品であります。僕はUpon〜の方を持っていないし、聴いていないのでそれについて深く言及できないのですが、人によってはUpon〜の方が好きだったりするらしい。
それでこの作品のことに話を戻しますと、僕はこの作品に関しては微妙な印象を抱いています。
それはまだ未熟に思えるようなところが見受けられるからで、いいパートももちろんありますが、愛聴盤とまではいきません。
特に僕がひっかかるのは最後の曲で、この曲は8分もの長さで、全編スローなドゥームパートで構成されております。この要素だけ取り出してみると決して悪いとは言えないのですが、リフやメロディ、又はリズムパートの練りがイマイチに僕は感じるので、ぶっちゃけ退屈な印象があります。
他の曲に関してはこれといって悪いところがあるようには思えませんし、僕は楽しめましたが、最後のこの曲だけはどうしても楽しめません。
この曲の退屈感のせいで、この作品全体の印象も僕の中では悪くなっているように思います。なんせ、締めの曲ですからね。少し意味は違いますが、終わり良ければ全て良しの逆のことが起きているような気がします。終わりが悪いと全体もつられて悪く思えてしまうのは何故なのでしょう?


HATE ETERNAL - Conquering the Throne ★★★ (2021-08-13 16:50:14)

すっかりこのバンドに魅了されて、ついにこの1stもゲットしました!
かっこよすぎるぜ、Hate Eternal!
上の方々いわくMorbid Angelにソックリとのことでしたが、結論からいうと僕はそういう感想を持つに至りませんでした(Morbid Angelの作品はA〜DとGしか聴いておりませんが)。
ただDominationやGateways〜の頃のMorbid Angelに共通する何かをこの作品に感じたのであれば、それはおおよそ当たっているのではないかとも思います。
というのも、Dominationでは半分くらいの曲をErikが作曲しており、このサイトで人気のあるHateworkという曲も正にErik作曲のものであり、Treyは作曲には関わっていないようです(あくまでもネットの情報ではありますが)。ちなみに僕がDominationで特に好きなThis Means Warという曲もErikが作曲を担当しております。
そんなわけで、Dominationやその他のErikが関わった時のMorbid Angelに共通するものをこの作品から感じるのは当たり前の話なのですが、僕にはどうにもこのバンドがMorbid Angelにソックリだとは思えないのです。
もちろんリフやギターソロの端々にErikらしさが感じられ、ある意味ではMorbid Angel的とも言えるのですが、この作品に関わったもう一人のギタリスト、元SuffocationのDoug Cerritoの影響がこの作品には大きく表れていると僕は思うので、Moribid Angelの頃そのままとは言い難いのです。
Dougが作曲したものは当たり前ですが、Suffocation的な要素が見受けられますし、Erik作曲のものもまたMorbid Angelでは使わないようなリフが出てきます。それは捉えようによってはSuffocation的とも言えなくもありません。
そういうわけでこの作品がMorbid Angel的であるという意見には半分賛成であり、半分反対の気持ちを僕は持っています。なので、これからこの作品を聴く方がこれにMorbid Angel的なものを期待すると、がっかりする可能性があると僕は思います。反対にそういった先入観なしに漠然と激しくテクニカルなデスメタルが聴きたい方にはピッタリな作品だと僕は思います。
それと書き忘れましたが、僕は今作と次作からの作品ではやや作風が異なると感じました。僕はそれを前述したDougの存在の有無が影響していると考えています。


MALEVOLENT CREATION - Warkult ★★★ (2021-08-09 16:51:55)

何作目?9作目か...。
これはとても良い作品だと思います。
マルヴォレがハズレ作品を作るなんてことはほとんどないので、素晴らしいのは当然のことなのですが、それでもやはり感嘆してしまいます。
タイトルがWarkultなのできっと戦争をモチーフにした作品なのでしょうが、歌詞を全く気にしない僕にはあまり関係のないことで音だけに集中して聴いているわけですが、上の方々がおっしゃるように随分とメロディに気を使った作品のように思われます。
それとこれは個人的な感想なのですが、このバンドは3作目くらいからリーダーのPhilの趣味なのかBolt Throwerの影響を匂わせるような曲が聴かれました(3rdのタイトルトラックや4thのAlliance of Warは顕著にBolt Throwerの影響が表れていると僕は思いました。気のせいかもしれませんが)。今作はまさにタイトルがWarkultなのでそんなPhilのBolt Thrower好きが爆発してしまったのかなと思いました。しかし今作にはBolt Thrower風の曲は収録されていませんがね...。
ただメロディアスになった背景はもしかしたらBolt Throwerを意識したことが影響しているかもしれません。
Section 8やOn Ground of Battleといった全体的にミドル、スローな曲で特にメロディが全面に出ているように感じました。ただ、ここらでアルバムの流れ的に微妙なダレを感じる方もいらっしゃるかもしれません。ゆったりしたメロディなんか聴きたくねぇんだよ、疾れよ!という方には特にそう思われても仕方ないと思います。
しかし、やはり総合的なクオリティは高く、僕はこの作品に好印象を抱いています。
今なら前作のThe Will To Killとセットになっているお得な商品が売っていますので、初マルヴォレの方やまだこれらの作品を聴いていない方にはオススメです。


HATE ETERNAL - King of All Kings ★★★ (2021-08-09 15:42:19)

最高傑作だと言われているこの作品を聴いてみました。
たしかに、かっこいい。
しかし、これと同じタイミングで5thのPhoenix〜も購入したのですが、それもこれと同じくらいクオリティが高かったのでHate Eternalというバンドは良い作品ばかりリリースしているのかもしれない。
そしてこのKing of All Kingsも例に漏れず全編ブラスト祭りなのですが、とても勢いがあってかっこいいと思う反面、Infernusのところでも述べたように、もう少し別のやり方がなかったのかと疑問に思うところも相変わらずであります。
しかし、Infernusと同じで、不思議と聴き疲れはしにくいため、音の激しさに反して非常に聴きやすいことも確かではあります。
リフのキャッチーさはやや最近の作品の方が上かと思いますが、一般的に最高傑作と言われるだけあってめちゃくちゃかっこいい作品ですし、僕は他の作品と同様にオススメします。
逆に初期作しか購入していない方は是非、最近の作品も購入して聴いて頂きたいと思います。僕は全ての作品を聴いてませんが、今のところハズレがなく全て高品質な作品でしたから。


HATE ETERNAL - Infernus ★★★ (2021-08-02 15:53:08)

終始ドカドカ鳴っているドラムに、なんとなく耳障りのいいサウンドプロダクション、そして当たり障りのないアートワークと僕の嫌いな要素が3つ揃っているのにかっこいいと思ってしまったアルバムです。
まず、動画サイトで試聴した時からドカドカとブラストをかまし、ツーバスを踏んでいるドラムに嫌悪感を覚えていたのですが、いざCDを買って聴いてみるとそれがあまり気にならないんですよね。棘がなく聴きやすいプロダクションがそういった嫌なやかましさを緩和しているのかもしれません。ギターの音もかなりソフトで試聴段階では全くインパクトがなく、あまり良い印象を持っていませんでしたが、それも聴いていく内にどうでもよくなっていきました。
曲はどれもよくできており、捨て曲はないように思います。未だに元いたMorbid Angelと比較されるような節がありますが、Hate Eternal独自の要素は沢山ありますし、オリジナリティは確立していると僕は思います。
ただやはり惜しいと思うのは「Hate Eternalは速いだけ」と言われてしまっても仕方ないところがあるからです。それは前述した通りドラムがひたすら連打しているような印象を持つためで、せっかくギターがかっこいいリフを弾いていても埋もれてしまっているし、曲の緩急もあまりないように感じます(遅いパートや遅い曲もありますが、そこでもドラムが連打していることが多いです)。
しかし、そういった要素を克服するとかなり分かりやすく、割とすんなり入ってくる質の高い音楽だと僕は思いますし、これからもこのバンドを応援しようと思います。


NOCTURNUS - The Key ★★★ (2021-07-30 13:30:43)

90年でこれを作ったのかぁとビックリする作品です。
デスメタルにキーボードを持ち込んだことや、デスメタルというカテゴリでコンセプトアルバムを作ったことなど、その当時にしてみれば革新的な要素が多く含まれています。
スペーシーなキーボードと弾きまくりのギターは上手くマッチしていますし、キャッチーなリズムを叩き出すドラムとボーカルも素晴らしく、とにかく聴きどころが多いアルバムです。
ギターリフが前面に出てくる感じではなく、全体的なアンサンブルで聴かせるようなところはありますが、あまり気になりません。
ただ、アルバムを最後まで聴くのは少ししんどいと感じました。密度が濃すぎるんで、最後まで通して聴いたらヘトヘトになります。
あとは大体の曲にスペーシーなイントロがついてるのですが、それが少しうざいと感じる事もあります。なんというかスペーシーなイントロが入るたびにアルバムの流れや勢いがリセットされる気がするんですよね。
しかしそんなのはほんの些細な欠点なので、とても優れている作品には変わりないと思います。
そしてなんといってもこのジャケですよね。何ですか、このダサいメカは!


IMMOLATION - Here in After - Christ's Cage ★★ (2021-07-17 00:25:07)

最後の曲です。1曲目ぶりにキャッチーなメロディが聴けますが、それはイントロだけです(このイントロ、Nileみたいですね)。あとの部分はこのアルバムの他の曲同様、無機質なリフで進んでいきます。なんでやぁ!!
でもこの無機質で暗く、鬱成分をたっぷり含んだ作風がこのアルバムの特色なのかもしれませんね。
サビのタッピングの部分はややキャッチーでストレートなかっこよさがありますが、やはり全体を通して暗く無機質です。
このアルバムを聴くのは久しぶりですが、やはり通して聴くのは疲れますね。
しかし前ほど悪い印象は持ちませんでした。不思議。


IMMOLATION - Here in After - Under the Supreme ★★ (2021-07-17 00:14:40)

んー、前の曲とほとんど同じなので特に書くことないですね笑
カオティックにアグレッシブに進む感じです。やや前の曲よりキャッチーかなぁとは思いますが。
しかしこの曲を聴く頃にはこのアルバムの暗さと瘴気に頭がやられて、もうまともに曲を覚えるということが出来なくなってしまってます。もうちょい愛想があれば気持ちよく聴けるのになぁと惜しい気持ちになりますね。


IMMOLATION - Here in After - Towards Earth ★★ (2021-07-17 00:05:39)

ヘヴィでダークでアグレッシブな曲です。
あまり印象に残ってない曲なんですが、よくよく聴いてみるとカッコいいリフがあったりして、割と楽しめます。
ただ暗い。このアルバム全体に言えることなのですが、暗すぎるんですよ。無機質で暗い同じような曲が2曲目からずーっと続くので、アルバム通して聴くと、ここらで疲れてきます。でも悪い曲ではないと思いますし、勢いはあるので退屈せずに聴ける曲ではあると思います。全くキャッチーじゃないので、フレーズを何一つ覚えられない内に終わってしまいますけどね。


IMMOLATION - Here in After - Away From God ★★ (2021-07-16 23:54:48)

なんだか暗くなりきれてない間抜けなリフで、妙ちくりんな疾走をする曲です。
こう書くと悪い曲みたいですが、そんなことはなく、陰湿な曲ばかり集まったこのアルバムにおいてはひとつ箸休め的な存在でそれがなかなかいいんです。
名曲とは言えませんが、このアルバムには必要な存在だと思いますし、僕は好きです。
特に僕の場合、前のI feel nothingが苦手なもんですから、アルバムを通して聴く時にはお口直しにもなっている曲です。


IMMOLATION - Here in After - Burn With Jesus ★★ (2021-07-16 23:44:23)

これは良い曲...なのかぁ?
カオスと攻撃性だけで成り立ってるような印象があります。前の曲と変わってメロディアスなところがほとんどなく、ただただガァーと瘴気を放っていく感じです。
勢いがあって退屈はしませんが、これといって印象に残るフレーズもないのでそこは少し寂しいところですね。サビもあることにはありますが、なんとも味気ないし、次の曲に継ぎ目なく入っていくので余計に印象は薄くなっていると思います。あれ?いつ曲終わったん?と初めて聴いた人はなると思います。


IMMOLATION - Here in After - Here in After ★★ (2021-07-16 23:09:27)

1曲目がカッコ良すぎるもんだから影に隠れてしまっている印象がありますが、これもなかなかいい曲だと思います。
なんといってもサビがいいっすね。灼熱の炎に身を焼かれるようなリフです笑
しかし全体的に無愛想であるのは否めないので、あまり人に勧められるような曲ではないかなぁという気もします。
それに前の曲と組曲なのか合間なしに始まるので、初めて聴いた人にはどこから曲が始まったのか分からないという少し不親切な仕様でもあります。でも結構印象的なリフから始まるので何回か聴けば、あぁ曲変わったなとわかるようにはなりますがね。


IMMOLATION - Here in After - Nailed to Gold ★★★ (2021-07-16 22:47:15)

これは名曲!
どこか宗教的なメロディを持つサビと神々しいギターソロが最高です。
何回聴いてもかっこいいですなぁ。


IMMOLATION - Here in After - I Feel Nothing (2021-07-16 22:43:20)

今、このアルバムを聴き返してみると、この曲のせいで僕のアルバム全体の印象を悪くしているのではないかと思いました。
というのも13秒あたりから始まるメロディが気持ち悪すぎるんです。このメロディをどんな気持ちで聴けばいいのか僕には全く分かりません。ダークで重々しいという快感も得れないし、奇妙な魅力もないように僕は感じます。ただなんか気持ち悪いというだけです。何を表現しているのか作曲者の意図も僕はこのメロディからは汲み取れませんでした。
まあ、そのくらい僕には嫌なメロディだということです。
ただ異常な嫌悪感を覚えるのはこの部分だけで、他のパートはなかなか良いんじゃないかと思います。特に中盤のトレモロのメロディはかっこいいと感じました。
しかし、やはり曲の最後まで僕の嫌いなメロディが出てくるので、曲全体の印象はあまりよろしくない。


WORMED - Planisphærium ★★★ (2021-02-27 23:10:07)

なんでもかんでもケチをつけたがるボクなんですが、コレはすんなり受け入れられました。
先に2ndと3rdの方を聴いており、それらがあまりに好きになれなかったボクはこの1stをずっと避けていたのですが、気まぐれでなんとなく購入してみたら想像以上の出来栄えで驚きました。
2nd、3rdはアヴァンギャルド要素が強い音楽なのですが、この1stに関してはそれらと違って割とオーソドックスなブルデスだと思います。
この1stのリリースから2ndのリリースまで10年ほど時間が空いているので音楽スタイルが変わっちゃうのも仕方ないですね。
しかし、アヴァンギャルド要素がどうこうというより、2ndと3rdは少し中身が薄い印象があります。そういったボクの印象は、意味のないインストだったり無駄な語りシーンなどの挿入が起因していると思います。この1stはそういった要素がほとんどないので、邪魔がなく音楽に集中することが出来て良いです。
音楽性だけではなく音質に関しても1stと2nd以降とではかなり相違があります。この1stはそれこそ王道行くようなTheブルデスなサウンドですが、2nd以降何やらスッキリしたモダンなサウンドになってますし、そこのところも好みが分かれるところかと思います。
ま、しかしこの1stの路線を続けていたら埋もれた存在になっていたかも知れないですね、悪くいえばフツーのブルデスなので。
しかしボクにとって音楽は「フツーに聴ける」という事がとても重要なので、無理して音楽の道からハズれた事をしなくても...と思うことがしばしばあります、このバンドに限らず。
特にアヴァンギャルド指向のデスメタルに対して思うことが多いかも知れません。でもそんなのは個人の好みの問題なので、完全否定はできませんが。
しかし、方向性の問題は置いておくとして純粋にリフなどのメロディ、そして曲の展開、構成だけに着目して聴いた場合にもやはり2nd以降よりこの1stの方が勝るのではないかと思います。そしてこの1stの良い部分(音楽における普遍的要素)を残した上で、アヴァンギャルド要素を取り込み、昇華できていれば2nd以降の作品に対するボクの感想も変わっていたかも知れないです。
2nd以降は余計なものをぶち込んだ挙句に前まで持っていた良いところを切り捨てた印象がありますからね。
おそらく混沌としたものを表現したかったのでしょうが、ボクは人が作曲する以上はもう少しコントロールされていて、何かしらの意図が感じとれるものが聴きたいですね。ただ混沌としているだけでは何も面白くないし、だからなんなん?と反抗期の子供みたいにボクは突っかかってしまうわけです笑
そんな感じでこのバンドの三作の中では1stが一番ボクに合いました(後々アヴァンギャルドな音楽に対する耐性をつけていきたいところ。とはいってもデスメタルのアヴァンギャルドってどうにも低レベルな気がしなくもない...。アヴァンギャルドと名乗っているだけで芸術性は非常に乏しい印象がボクには強くあります。ま、ボクは感受性の弱い人間なのでね、どんな凄いものを聴かせても無駄なところはありますがね笑)。


PUTRIDITY - Ignominious Atonement ★★★ (2021-01-17 11:58:24)

ひたすらブルータルな作風は2ndから変わってません。
しかし、2ndが終始かっ飛ばしてたのに対し、今作はスローな曲が一つ収録されています(6曲目)。それもあってかこの3rdは2ndほど良い評価をもらえてないようです。
僕の場合はそこまで2ndに思い入れがないのでこの作品もすんなり受け入れられました。
リフの印象も相変わらず無機質で2ndから大きな変わりはないと思いますし(ややキャッチーになった気もしますが、それって悪いことではないと僕は思ってます)、作品のクオリティは2ndと比べて遜色は無いと思います。
しかし一般的に硬い響きに感じる無機質な4〜5度コードをガシガシ刻む場面が多いので、人によってはここのところが退屈に聴こえるかもしれません。あとドラムもひたすら同じ調子で叩きまくってることもあってグルーヴ感がほとんどなく、ここも嫌いな人が出そうな要因だと思います。ま、Disgorge(us)などを聴いてきた方には大した問題にはならないと思いますが。
そういう訳で僕はさまざまなレビューで言われている2ndとの差をあまり感じなかったので、素直に楽しめました。
いや、なんかアレですな、良い作品の方がかえって書くことが少なくなりますね。ちょっと欠点のある作品の方が筆が乗るってのがなんとも...笑


CHILDREN OF BODOM (2021-01-05 00:52:28)

そんなアホな...。
....。....。


JUDAS PRIEST - Nostradamus - Death ★★★ (2020-12-03 11:21:17)

エゲツナイ曲。
聴くたびに鳥肌が立つ。
この禍々しさはMorbid Angelなどのデスメタルを上回っているんじゃないかと思うくらい。
ロブの声がまたすげぇんだな。こんな壮絶というか人間の悲しみや苦しみなどのネガティブな感情を上手く表現できている歌はそうないと思います。
曲は長いんですが、構成や展開がバッチリで飽きずに最後まで聴けます。歌メロも複数パターンがある上に長いギターソロが2回もあってお腹いっぱい...。
正直Priestってこんな作曲能力高かったっけ?となりました。
リフや歌メロは禍々しくってめちゃくそ怖いけど、神々しさも放っていてただ怖くて気持ち悪いだけのものにならず、しっかり人の心に響く曲になっていると思います。
なんだろ、哀愁とかではないアプローチで泣かせに来てる曲かもしれない。
人生で一度でも絶望や苦しみ、悲しみを味わった人ならこれを聴いて感動できるはず...。
昨日久々にこれ聴いて「もしかしたらPriest史上最も完成度が高い曲の一つじゃないのか?」と思ってしまいました。


SUFFOCATION - …of the Dark Light ★★★ (2020-10-12 17:07:01)

8作目かな?
現段階ではこれが最新作です。
フランクがこの作品を最後にボーカリストを辞めました。
そういう意味では一つの節目となる作品です。(後任にDisgorge(us)のドラマーが入りました。なんでドラマーやねん!?とツッコミを入れたくなりますが、ライブを見てみてください。この人めちゃくちゃエグい声を出してます。なんで!?ドラマーはドラムしか演奏出来ないんとちゃうの!?笑)

今作に関して国内外ともにさほど良い意見を見ませんが、ベテランとなるとやはり過去作と比較してしまって皆んな辛口になるのかな?
僕はね、これ過去の名作と肩を並べる程のクオリティだと思ってますよ。
曲がマジで粒揃いです。
YouTubeで公開されている3、4曲目は代表曲になるレベルだと思います。
特に4曲目は素晴らしく、一発で気に入りましたね。
サフォにしてはキャッチーですし、リフがメロディアスながらもアグレッシブで流石としか言いようがない出来です。こんな曲作れるバンド他にいるか?ってくらい。
そりゃ大体のファンは1st〜3rdでサフォに出会って一回はおしっこちびってるはずだから、今更これくらいでは驚かないかもしれませんが、曲の質に目を向ければ素晴らしさに気づけると思います。
例えば1曲目なんかも、やはりサフォにしか作れないような曲展開で素晴らしいです。こんだけ展開しまくってるのに曲が破綻しないのは凄いし、しっかり印象に残るフレーズをぶちこんでます。
2曲目はやや地味ですが、クオリティに問題はありません。
なんかプロダクションも含めて、モダン化したDeeds Of Fleshみたいな雰囲気がありますね。Deeds〜がSuffocationから影響を受けてブルデスを始め、今のSuffocationがDeeds〜を逆輸入してるかのような不思議な現象が起きてます笑
実際にDeeds〜に影響されたかどうか知りませんがね。
そういえば今作は、前作から更にメロディアスになってます。
特に後半の曲に顕著に表れてます。
7、8曲目なんかこれサフォの曲か!?と耳を疑うくらいメロディアスです。
あとの5、6曲目もやはり濃度が高いメタルをやってます。素晴らしい!!
そしてラストの9曲目はお決まりの2ndの再録です。元が良いからもう言う事なし。
僕は別にいつまでもサフォに昔の姿を重ねてないので、新しいサフォとして純粋に楽しめました。
前作がやや消化不良だっただけに、今作のクオリティの高さは嬉しいです。
とりあえず1、3、4、7曲目を聴けばクオリティになんら問題がない事が分かると思うので、気になる方はYouTubeなりで視聴してください。
そして買いましょう!!

こんなかっこいいリフをよくもまあこれだけ詰め込めたもんだね...。
Suffocationはやっぱり凄いよ。


HIDEOUS DIVINITY ★★★ (2020-09-11 21:37:38)

イタリア産のブルデス。
3rdと4thを聴いた限りの感想になりますが、ご容赦ください。
Fleshgod ApocalypseやHour Of Penanceなどど並んで、イタリアのブルデスシーンを支えているバンドです。(Fleshgod Apocalypseは最早ブルデスの枠からはみ出てますが...。)
元Hour Of Penanceのギタリストが結成したバンドで、それとなく似てますが、目指す音楽性は違うように思います。
アクが少なく、音質も小綺麗で、ドラムがバカ速い点はこれぞイタリア産ブルデスといった感じではありますがね。
曲は音の多さから迫力はありますが、キャッチーというか印象的なフレーズは控えめで、意外とハードルが高いアーティストかと思います。
なので、聴いていて悪い気がしないという点では優れたアーティストではありますが、曲の区別がつきにくいのが弱点かと思います。
しかしデスメタルは然程キャッチーさを求められるジャンルではないので、大した欠点でもないですかね。
雰囲気を演出するフレーズ(コードストロークやアルペジオなど)が良く出てくるのが他のバンドとの違いで、人によってはコレが退屈かもしれません。(僕もあまり好きではないし、それをやるくらいなら刻んで欲しいと思ってしまう)
しかし、リフはなかなか良く出来ており、メロディックなフレーズの使い方や曲展開は流石としか言いようがなく、インパクトの面ではやや弱いですが、実力のあるアーティストだと思います。
触れてませんでしたが、ボーカルも迫力がありめちゃくちゃカッコいいです。
高低を使い分けるタイプで、デスボイスにしては表現が豊かだと思います。
インパクトや、リフの「強さ」を重視する方には物足りないかもしれませんが、とても高品質なブルデスをやっているバンドで僕は大好きです。

3rdと4thはブルデス好きの中ではそこそこ話題になった作品で、個人的には最新作(2019)の4thがおすすめです。
3rd(Adveniens)より更にクオリティが上がっており、とても気に入ってます。

余談ですが、2019年はBlood Incantationがデスメタルの枠を超えて話題になりましたよね(ポップスのアルバムなんかと並んで紹介されていた)。
しかし個人的にはHideous Divinityの方が優れた作品をリリースしたと思いましたし、アレの評価のされ方には少し違和感を覚えました。
Blood Incantationが良いなら、何故このアルバムも同様に評価されないのかと疑問に思います。
やはりデスメタルというのは、デスメタラーにしか分からない部分があるのかと、ポピュラー音楽のリスナーとの壁を感じました笑


ODIOUS MORTEM ★★ (2020-08-29 12:50:20)

2020年作のSynethesiaしか聴いておりませんが、なかなか良いバンドだと思います。
前作が大変評判が良いようで是非とも聴きたいのですが、現在入手困難っぽいので非常に残念です。
最新作を聴いた限りではまだ色々と欠点があり改善の余地がある印象を受けましたが、やりたい事は非常にカッコいいので聴く価値はあると思います。
コレ系のバンドにありがちなフレーズが全く印象に残らない楽曲がズラっと並んでますが、慣れでなんとかなるのでココに関しては問題無いと思います。
しかしやっぱねー、曲構成がイケてないんですよ。
リフなんかも思いついたものを順に並べただけ、という感じがあります。
曲の起承転結というか解決感が全くないし、もう一押し!!と思ってしまう曲が多いです。
リフの一つ一つは特段素晴らしい訳ではないのですが、なかなかカッコいいし、ギターソロも派手でセンスを感じるので、曲の聴かせ方だけを改善すればもっと良いバンドになると思います。
あとボーカルはかっこよくて好きです。素直に良いと思える声ですよね?
賛否がありそうな独特の音質は他では聴けないような雰囲気を醸し出していて、とても素敵だと僕は思います。
ドラムに関してはさほど疾走感がないプレイで、これもまたある種の個性かな?と思ってます。
しかし割と愛想がない上に、中身があるようで意外とアッサリ薄味なので、オリジナリティだとか分かりやすさを求める方には間違いなく向いてないでしょう。
手放しで褒められる程のクオリティでもないので、テクデス好きでも気にいる方は少ないかもしれないです。
まあ、でも僕は好きです。もっと曲を作り込んで(いや作り込んだのかもしれないけど)貰えればもっと良くなると思いますし、今後に期待します。(前作からかなり時間が空いたのでいつになるか分からないし、もしかしたらコレが最後かもしれないが...)


IMMOLATION - Dawn of Possession ★★★ (2020-08-28 14:46:30)

デスメタルレジェンドImmolationの1st。
デスメタル以外の何者でもないサウンドで、今のバンドに慣れていると地味で刺激的ではないかもしれませんが、僕は好きですね。
2ndから路線が変わってるので(2ndリリースまでにレーベルとのゴタゴタがあってかなり時間が空いてるので、音楽性が変わるのも必然か)オールドスクールと言えるのはこの1stまでだと思います。
デスメタルの名盤でこのアルバムが選ばれる事も多いようですが、日本ではイマイチ人気がないバンドです。
まあね、時代を感じる音質、ドラムのリズム、メロディなどクソ地味である事は否定できないし、飾り気も全くないので日本人受けが悪いのは分からんでもないです。
というか僕もあまり分かってない部分があるし...。
しかし、このバンド実はかなりメロディセンスが良く、このアルバムであれば1、2、4、8曲目あたりはめちゃめちゃ美味しいメロディが聴けます。
しかもかなり禍々しく軟弱さがないのがイカしてます。
個人的には2ndの1、8曲目、4thの8曲目、8thの4曲目なども素晴らしいメロディが聴ける名曲だと思います。
この1stではまだ洗練されてないギターソロですが、2nd以降からは覚醒しており他では聴けない神々しさ(アンチクライストには褒め言葉じゃないかもしれないが笑)を放ってます。
ぶっちゃけこの作品は色々青臭くて全部同じ曲に聴こえたりしますが、この後のアヴァンギャルドな路線よりは好きですね。
2ndまでのGorguts、1st時のSuffocation、2ndまでのMalevolent Creationみたいな激渋デスメタルがお好きな方なら満足できる作品だと思いますね。(よくIncantationと比較されますが、僕はあまり似てないと思います)
派手なデスメタルも悪くはないんですが、色々聴いていくとこうゆう作品の方が愛着が湧いたりするんですよね、不思議。
キャッチーなリフはあまりないし(しかしこの愛嬌もクソもないリフに唆られるんだよな)、マヌケに感じるようなヘンテコメロディも多いので好き嫌いはハッキリ別れるでしょうが、僕は好きです、愛してます。
ドラムはクソ単調だし、B級メタル丸出しで欠点は挙げれば沢山ありますが、これこそがホンモンのデスメタルやぞ、コラァ!!という気概が感じられる今やあまり聴けないサウンドで、逆に新鮮さを感じることも出来るのではないでしょうか?
ボーカルがめちゃくそ邪悪で雰囲気もバッチリですし、ジャケ絵そのまんまの音楽ですね。少しズッコケるようなメロディもありますが...。
現在入手は困難かもしれませんが、デスメタルとしては大変価値のある作品だと思うので買える時に買いましょう!僕はオススメ!!


Defeated Sanity - Psalms of the Moribund ★★★ (2020-08-07 18:01:15)

良いね。
たまらない。

「Disgorge系のブルデス」

それだけで片付けられる音楽性だけれども、Disgorgeより分かりやすくてキャッチーです。
Disgorgeは淡々としていてストイックなイメージがありますが、こちらの方があちらと比較した場合にはエンターテイメントな作品に仕上がっていると思います。
トゥルルルッとしたギターリフがなかなか新鮮で、ブルデス特有の殺伐としたオーラも纏いながら、比較的分かりやすいフレーズが多いのが特徴です。
ドラムも単調にならないプレイでこれがまたカッコいいんです!
ギターとドラムの独特のグルーブ感?が良いんだな。(グルーブ感って何かイマイチ分からないが笑)
小し洒落ていてブルデスには珍しい雰囲気ですよね。
1曲目の冒頭からブルデス好きなら、股間がビチョビチョになること間違いなし!!
全編通して特別ダレるところもなく、非常によく出来ていると思います。
しかし、スラムっぽいリフは少し面白味に欠けると思いますね。
単音のトゥルルルなリフが最高にカッコいいので、あまり気にならないですが。
ボーカルも結構イケてますね。今となっては特別なボーカルスタイルではないので、目新しさはないですが、なかなかディープで良い声だと思います。
ギターリフがとにかくカッコよくて、テクニカルな雰囲気がありますし、ブルータルさも失う事なく良い塩梅でキャッチーに仕上げてます。
音質は最高にブルータルで、ブルデスとしては理想だと思います。
僕はこのバンドの作品はこれ含めて3枚しか持ってないのですが、ずっとアングラな音質を保っていて安心しますね。
音楽性は少し変わっている様ですが、あくまでもブルデスの範囲内に収まっているので好印象です。
いや〜、質が高いアングラブルデスって最高ですな。
初期だけアングラで、作品をリリースするごとに洗練されてメジャー化するバンドが多い中、こーゆーバンドはホント貴重です。
Disgorgeに比べたら残忍さは無いかもしれませんが、聴きやすいし個性も確立しているので良いと思います。
アングラだけど、少し庶民的でわかりやすい部分があるのがたまらないですね。


GORGUTS - The Erosion of Sanity ★★ (2020-08-07 14:04:38)

次作で化けて有名になったこのバンドですが、僕は今作の方が好きですね。
音楽というのは、違和感と退屈が最大の敵であると思うのですが、このバンドは割とそういったフレーズが多くて長時間聴くのが辛いです。
2曲目のピアノのイントロが終わってからのギターリフが正に違和感&退屈なフレーズで、こういうところがあまり好きになれないんです。
次作で更にこの違和感&退屈な方向に振り切ったので、アララ...と僕は思ってしまいました。
テクデスとブルデスの混沌とした世界観は素晴らしいのですが、余計なものが混じっている感じがします。
コード感が薄く、単音でメロディを出してくるのでそこもアレンジ不足というか、物足りない感じがしますね。
スピーディでブルータルなリフに関しては素晴らしいとしか言いようがありません。
もっとこの方向性のリフを使えば良かったのになぁとちょっと惜しい気持ちになります。
ただし、誰にも注目されない平凡なバンドで終わったでしょうが笑
奇抜さだけで勝負するような音楽ってあまり好きになれないので、地味でもいいから曲の中身を重視して欲しいものです。
後にDeeds Of Fleshが4曲目をカバーしているので、ブルデス又はオールドスクールファンにはこのアルバムまでの作風があっているかもしれません。
上の方がおっしゃる通りキャッチーさがないので、特徴がないと感じるかもしれませんが、このアルバムの段階では良いデスメタルをやっていたと思います。(前述した通りズッコケるような違和感フレーズが飛び出すことを除けば...ね)
この殺伐とした(ジャケ絵のような)世界観はホントに素晴らしく、この方向で続けてくれたらなぁと思っちゃいます。
ハーモニクスを織り交ぜたリフや、単音でグチャクヂャ音が動くリフ、無機質なトレモロリフは後のブルデスに影響を与えたと思います。(DisgorgeやDeeds Of Fleshの描こうとするブルデスのビジョンと被る)
似ている作品としてはSuffocationの1stやImmolationの1stが挙げられると思います。
んーいや、やっぱり似てないか...。
あまり良い印象を持たないズッコケリフを除けば、良い作品だと思うので興味がある方は買ってみてはいかがでしょう。
この作品までのGorgutsを支持するファンは結構いるようなので、Obsauraが合わなかった人もチャレンジしてみると案外イケるかもしれません。
事実退屈なリフもある反面、カッコイイリフもたくさん入ってますし。
あと、泣き叫んでいるようなグロウルも素晴らしいと思います。


MALEVOLENT CREATION - The Ten Commandments ★★★ (2020-08-07 13:20:09)

アタマからケツまで隙がないアルバムです。
確かにエクストリームなデスメタルを求めると物足りないかもしれませんが、別にデスメタルって激しさだけが全てではありませんから、あまり気にならないです。
CryptopsyやDisgorge、Slipknotのメンバーがこのバンドから影響されたと言っているように、後続のデスメタル、エクストリームメタルシーンに多大な影響を与えたバンドだと思います。
リフの一つ一つがこれぞデスメタル!!という感じでたまらんのです...!!
特にトレモロ(刻み)リフの使い方がデスメタルのお手本のよう。
おそらく後のバンドはここら辺のリフの組み立て方に影響されたのだと思います。
このアルバムで聴かれるリフは、今やみんなが使っていて著作権フリー状態ですね。
ボーカルスタイルもギターリフもドラミングも全てが、今のデスメタル(またはエクストリームメタル)の基礎になっている気がします。
デスメタルのパイオニアとしてはDeathやMorbid Angelなどに功績がありますが、このバンドはデスメタルの様式?を固めた存在だと僕は思ってます。(交響曲の道を切り拓いたベートーベンと、交響曲の型をかっちり決めてしまったブラームスみたいなものか。クラシックにわかだから、的外れな例えかもしれない...。)
リフ又はメロディの作り方、曲構成、全てが今のデスメタルの基盤となってます。
それとMorbid AngelやDeath、Deicideなんかのデビューアルバムは青臭く、洗練されきってないものが多いのですが、このバンドの場合、最初から完成されてます。
やりたい事が決まっていて迷いがなく、明確なビジョンを持っていたんでしょうね。
音質はやや古臭いので時代を感じますが、この年の作品とは思えないくらいクオリティが高いです。
同年にSuffocationがあの伝説のデビューアルバムをリリースしていますし、91年にしてデスメタルというのはスタイルが固まってしまった印象があります。(あとImmolationもデビューしてるな。すんごい年だね、91年)
僕はこの作品が好きすぎるので、今更冷静に評価なんか出来ないくらいなのですが、初めて聴いた時はさほど良いとは思わなかったので(皆さんがおっしゃる通り地味だと感じた)、理解するには少し時間を要するかもしれません。
しかし、デスメタルをたくさん聴いていけば(僕はそんな多く聴いてるわけじゃないが)、良さが分かると思います...多分ね。
あと、この手の音楽はインパクトが重視される傾向にあるので、インパクトの面では少し弱いこのバンドはあまり評価されないのも必然なのかもしれません。
色々聴けば、インパクトや耳馴染みの良いメロディなどが無くとも良い音楽が成り立つ事が分かると思いますし、その時にはこのバンドの素晴らしさに気づけると思いますよ。


DISENTOMB - The Decaying Light ★★★ (2020-08-07 10:03:28)

2nd以降のImmolationとDisgorge(us)を合わせたようなデスメタルです。
リフやメロディの一つ一つはそれほど斬新なものではありませんが、Immolationの退廃的デスメタルとDisgorgeのグロテスク突貫ブルデスを掛け合わせるという発想は素晴らしいと思います。
クオリティはかなり高いと思いますし、曲の区別はつきにくいですが、アルバムを楽しんで聴き通せます。
基本スピーディなブルデスナンバーが並んでおりますが、何曲かスローナンバーも入ってます。
雰囲気重視のデスメタルは僕の守備範囲外なのですが、この作品に関しては悪い印象を持ちませんでした。
スローナンバーは情報量が少ないので、物足りなく感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、僕は好きですね。
音質も程よくて、綺麗になり過ぎず、劣悪でもない絶妙なプロダクションです。
Disgorgeタイプの単音ズクズクリフ(とボーカル)が楽しめるかどうかで評価が大きく変わりそうなので、Disgorgeを聴いてからの方が理解しやすいかもしれません。
Immolation的なあの暗黒世界もなかなか人を選ぶので、Immolationも先に聴いた方がいいと思います。(1stはフツーのオールドスクールな作品なので、暗黒世界を創造し始めた2nd以降の作品を聴くといいと思います。ちなみにファンの間では4thが最も評価が高いようで、この作品から入るといいかもしれないです)
DisgorgeとImmolationを合わせたデスメタルって一体どこに需要があるんだ?と思ってしまいますが、出来たものは大変優れているのでオススメですよ!
暴虐なブルデスを求めても、キャッチーなブルデスを求めても肩透かしを食らうような、マニア受けしかしない作品ですが笑