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Prodigal

プエルトリコ産プログレッシヴメタル2022年作
日本への空輸可能なショップが減り、興味あってもスルーすることが多くなった今日この頃。そもそもメタル作品を買う頻度が減ってしまった。
もはや、正統派路線で、どうしてもCDで手元に持っておきたいバンドとして購入し続けているのは、この人たちだけかも。
掘り下げれば裾野が広いプログレメタルのひとつに過ぎない無名バンドなんでしょうが、相変わらずそのポテンシャルは高い。
サルサやレゲエの南国イメージが強い国の出身なのに、濃霧に覆われた湿り気たっぷりの冷たいメロハー要素を多分に含むAOR的雰囲気を持つ。
スペイン人が多いお国柄だからなのか・・タイフーンマリアで水浸しの被害に遭遇したからなのか・・この水分量高めの北欧情緒がツボ。
ドリームシアター的なテクニカルな曲構成は、従来作品同様に複雑さを持つものの、改良が加えられ若干耳に馴染みやすくなったという印象。
そもそもレビュー記事自体殆ど発見できないが、Skylighting(2020年)が圧巻のクオリティだっただけに、今作は若干世間評が下がっているように見える。
ボクとしては、初期作品はドリームシアターの焼き直し感が強かったが、アルバムを重ねるにつれて、そのサウンドはバンド固有の色となり
一聴しただけでAVANDRAの音楽という独自性を確立できていると感じている。そして、その音空間の虜になっているなあと思うのです。
ただ手放しに完成度が高いか、というと、その重厚なギターにディレイやリバーブが深めにかかり、ウィスパーヴォイスやシンセの電子音が絡むと
音像の輪郭が壊れやすいという難点があり、相変わらず初期から同様の問題を抱えているなぁ、と思ってしまう。ただ、その無理筋な残跫音こそが
このサウンドの魅力でもあるワケです。また、ピアノ音源とその旋律は、ボク自身がピアノ弾きだからどうしても安直でチープに聞こえてしまう。
そういったマイナス点を差し引いても、高い演奏技術に裏付けられた説得力のある楽曲群に圧倒される、充分な魅力を備えた作品だ。
今作は少年が銃を携えているジャケ、曲タイトルを見ても、戦争のテーマが根底にあるのは明らか。
世界中が混沌としている今、アメリカ合衆国の自治国でこのテの世界観の作品だと、何やら重いコンセプトが背景があるのではと勘ぐってしまう。
実際そうなのかどうかは知らないが、そう感じさせてしまう作品でもある。ボクとしては最近はそういう作品を避けて、ライトに楽しめる音楽を
チョイスしている。その点も若干マイナスかな。繰り返しになるけど、そんなマイナスを差し引いても必聴版なのだ。
・・・しかし、デジタル主流の時代なのか、辺境国のCD入手が日に日に難しくなっていると感じる。この盤はリリース後1年も経たないのに
約6000円と結構お高い買い物だった。その半分は空輸代なんだよね・・。なんとかならんのか。

kamiko! ★★★ (2023-07-18 21:17:23)


Skylighting

プエルトリコ産プログレッシヴメタル2020年作
初期Dream Theaterの雰囲気を纏う処女作から約1年足らずで登場した2作目。ボク的にかなり期待しているバンドだが、短いスパンでの新作発表にチョイ驚きだ。
前作はなかなか難解な作品でもあり、まだ完全に消化しきれていないのに、昨年11月に新作をゲットし、難解さを乗り越えるためにワリと高い頻度で愛聴している。
前作に比べて大きな進化を遂げたとは言い難いが、かなりの力作である。楽曲の作り込み度合いが高く、なかなかスッと耳に馴染まないが高い完成度だ。
本家Dream Theaterと比較するとまだカワイソウなクオリティかも知れないが、やはり初期Dream Theaterの再来を感じさせるこの空気はたまらなくイイ。
終始霧に覆われているようなシンセと、ハーモニーを重視したウィスパーヴォイスに近いヴォーカルとコーラスにより、繊細で湿度高めな雰囲気である。
そんなスタイルだからか、ヴォーカルに力強く声を張ってほしい、ギターやドラムがトリッキーな演奏をしているのに霧の中に霞んでいるように聴こえる等
若干の不満点はある。次作で改善して欲しいと思うところだが、そんなマイナス要素を払拭するだけの演奏力と楽曲、初期Dream Theater的ギターワークといった
大きな魅力が詰まっている。前作はイチオシのキラーチューンが残念ながら無く、佳作揃いといった印象はあった。複雑な曲展開で個性を出そうとするあまり
不自然な旋律というモノが結構目立ち、キャッチーさに欠ける印象を持っていた。今作はそういう不自然さが若干改善されたと、まず感じている。
それでもなかなか耳に馴染むのに時間がかかる。旋律がスッと入ってこない間は、実は絶妙な旋律を奏でていたとしても、霧の中に紛れて伝わってこない。
曲を覚えてくると、霧の中で何かやってるだけに聴こえていたモロモロの演奏が、徐々に伝わってくる。そうなると、このサウンドの魅力から抜け出せなくなる。
今作は印象的なギターのリフ、トリッキーなリズムと淡々とした雰囲気のバランス感覚、ギターとシンセの掛け合いなど多くの魅力が詰まっててグッドだ。
ジメジメした季節を好むボクとしては、梅雨時期になるとコレばっかり聴いているかも知れないな。

kamiko! ★★★ (2021-05-11 00:56:05)


The Narrowing of Meaning / Descender

11分超の大作。美しいピアノ旋律の導入部分から、変拍子を多用するDream Theater的なリフ、シットリとしたヴォーカルへ移行。
徐々に盛り上がっていく構築的な楽曲が素晴らしい。また、Image and words時代のあの雰囲気が蘇ったかのようなギターソロなど
Dream Theaterをリスペクトした楽曲としては、アルバム中この曲が最も色濃い。
単にDream Theaterのモノマネで終わらない終盤の印象的なリフなど、非常に完成度が高い。
Image and Words時代を好むDream Theaterファンが、本家Dream Theaterに再び作ってほしいと思っている楽曲を、このバンドが作ってしまった。
まだまだ本家には及ばないが、これだけの下地があると、録音状態が万全になれば、次作で本家すら超えてしまう名盤を作ってくれるのではないかと
かなり期待をしてしまう。

kamiko! ★★★ (2020-09-23 23:56:20)


Descender

プエルトリコ産プログレッシブロック2019年作
最近よくゲットするBlood Musicレーベルからのリリース。YouTubeの再生回数も1万6千回程度で、恐らく全くの無名バンド。
ところが、そのクオリティの高さから、もし人気に火が点けば、一気に頂点まで駆け上がるほどのポテンシャルを感じさせるサウンドだ。
このサウンドの音楽性を一口で言ってしまえば、「プエルトリコ産Dream Theater」だ。恐らくかなりの影響を受けていると思われる。
ギターやドラムのリフは、Dream Theaterファンなら一発でお気に入りになるだろう。Dream Theater的リズム構成、ギターの刻み方が特徴。
天才ジョンペトルーシと比較するのは少し可哀そうだが、シンセとギターをハモらせながらのハイレベルな超絶ギターソロなども僅かに登場。
とはいえ、曲芸的なギターに偏ることなく、楽曲の中に適度にトリッキーなフレーズを織り込んでいる点は、ボク的にはかなりポイント高い。
空間を埋めるシンセがとても良い仕事をしているせいか、ヴォーカルやコーラスと融合して、湿り気たっぷりの哀愁を漂わせているのもいい。
とりあえず真っ先にDream Theaterフォロワーのようなサウンドに聴こえるのは致し方ないにしても、旋律や曲構成から独創性も感じられる。
時折挿入されるピアノや、コーラスのハモリなどのコードワークから、楽曲構成力は相当高いと感じる。また、ギターは相当のテクニシャン
だと思うが、ギターソロが占める割合は低く、ここぞというところでトリッキーなソロをさりげなく聴かせる。
キャッチーに心に残る判りやすい楽曲は無いが、繰り返し聴くことで味わいを堪能してみたいと思わせる楽曲群だ。
次作あたりで、キラーチューンが登場すれば、爆発的にヒットすると思うんだけどね。
Dream Theater的サウンドを求める人は騙されたと思って聴いてみるといいよ。思わぬ拾い物をした気分になるかもよ。

kamiko! ★★★ (2020-06-18 14:57:45)