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By Any Means Necessary (失恋船長)


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By Any Means Necessary

かつてマイク・ヴァー二ー主催のコンピ作『U.S METAL-UNSUNG GUITAR HERO VOL.4』に参加した実績のある、テキサス産のスピード/パワーメタルバンドが1992年に自主製作で世に出した1st。
自主制作故の音質の緩さ、その甘い輪郭と稚拙な面もそのままパッケージはされているのだが、時代に抗うが如きダークテイスト満載の不愛想極まりないUS産メタルサウンドを披露。遊びの少ないガチンココンクリートサウンド故に、耐性のない方には少々堅苦しく聴こえるだろう。また、高低を行き来するシアトリカルな歌い回しも苦手なマニアもいるだろうが、密度の濃いメタリックなサウンドは、真摯にこのスタイルと向き合い、ギミックなしの真っ向勝負を仕掛けることで独特の緊張感を生み出す事に成功。曲によってはエピカルなムードも漂わせ、説得力のあるパフォーマンスを披露している。

こういう作品に出合うたびにプロデューサーの存在感を思い知る。彼らも、もう少し大衆性を取り込み聴かせ方に工夫が出来れば感触も良くなるのに、力任せに踏んじ張るパワースタイル故の不器用さが評価を分けるでしょうね。歌い手も迷いを感じるし、力感のある楽曲はハマれば相当な緊迫感があるのに、おどろおどろしい雰囲気モノになったりと、アイデアの渋滞も感じたりと、損しているなぁと感じる。これは嗜好問題ですからねぇ、難しいところですが、自主制作とはいえ、フルアルバムまで漕ぎつけた自信を誇りが漲っているのは間違いない力作です。

失恋船長 ★★ (2020-05-10 16:36:49)