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MEKONG DELTA - In A Mirror Darkly ★★ (2020-05-02 01:19:14)

ドイツ産テクニカルスラッシュ2014年作。
創始者ラルフ・ヒューベルトがこのバンドを始動したのが1980年代、現在は演奏技術の高いバンドが多くなったが
当時のスラッシュメタルバンド群では、抜きんでて演奏技術が高く、ステージパフォーマンスでは再現できないのでは、と言われたほど。
何拍子なのかもわからない程に複雑怪奇な変拍子リフを多用し、もはや聴かせるというより演奏技術の限界を追求するような志向性が窺える。
また、クラシックを融合させたバンドで、HRとクラシックを融合したネオクラシカルメタルこそやってるバンドは多いが、
クラシック音楽とテクニカルスラッシュメタルをクロスオーバーしたバンドはこのバンドしか思いつかない。
ムソルグスキーがよほど好きなのか、過去作には、ムソルグスキーの楽曲を融合した作品がある。
個人的には「禿山の一夜」を融合させたDances of Deathが一番好みだが、もはや禿山の一夜が複雑怪奇なスラッシュになっていた。
そういう下地のあるバンドだが、今作はどうやら単にテクニカルスラッシュの限界に挑戦するアルバムで、クラシック音楽は混ざってなさそうだ。
とりあえず一聴しただけでラルフヒューベルト臭溢れる楽曲群、変則リフとハイテクニックのオンパレードで相当疲れるが、このバンドはこうあるべき。
しかし、現在はハイテクニックバンドが増えたので、インパクトが薄れつつあるのも正直なところだ。それでも、このバンドのハイテクは一聴の価値がある。


AHAB - The Boats of the Glen Carrig ★★★ (2020-05-01 03:10:01)

ドイツ産フューネラルドゥーム2015年作。
バンド名は、旧約聖書に登場するイスラエル王「アハブ」をモチーフにした小説『白鯨』のエイハブ船長から引用しており
処女作の白鯨ジャケが印象的なTHE CALL OF THE WRETCHED SEAから、常に「海」をコンセプトとしたドゥーム作品を作り続けている。
今作はついに海中に潜り、海中生物が色彩豊かに描かれた妖艶なジャケが美しく相当ポイント高い。そういう特殊な世界観が魅力的な個性派ドゥーム作品である。
分厚い歪んだギターと唸るヴォイスによる引き摺るようなドゥーミーリフが淡々と続くサウンドがメインで、非常に鈍重な感じなのだが
挿入されるアコースティックパートやクリーンヴォーカルの声が、何故か大海原や深海を感じさせるから不思議だ。
かなり上級者向けのドゥーム作品だが、海をテーマにしたファンタジーが感じられる異色作なので、超オススメである。


DOOM:VS - Earthless ★★★ (2020-05-01 02:14:05)

スウェーデン産ゴシックドゥーム2014年作。
Draconianのヨハンエリクソンが全ての楽器を担当しているドゥームプロジェクトだ。
そういう作品なので、本家Draconianのギターの質感に近く、ヴォーカルは女声ではなく男声。
当然ドゥーム作品なので、Doraconianよりも随分とテンポダウンしている。
唸るようなデスボがメインだが、ギターサウンドの曲間で呟くような声が入ったり、歌い上げるところもある。
ジャケのような荒廃した孤独で冷たい質感が特徴で、凄みを感じさせる重厚感ではなく、適度な音圧で淡々と旋律を奏でる感じだ。
重厚で真性なフューネラルドゥームを望むリスナーにはあまり向かないが、ゴシックあたりがストライクゾーンな人が
フューネラルドゥームの入口として体験するには、もってこいの作品だ。


MOURNFUL CONGREGATION - The Book of Kings ★★★ (2020-05-01 01:20:20)

オージー産フューネラルドゥーム2011作。
この作品以降、2作品のアルバムを発表しているが、それを含め、このジャンルではレジェンドになりつつあると感じる今日この頃だ。
重厚なギターと唸るようなヴォイスの密度が、初期作品から更に際立ち、凄みという点で深化している。
仄かな光を感じさせる、メランコリックさがスパイスとなっている作風がこのバンドの個性で、今作も鬱々とした気分に浸れる。
とりあえず、フューネラルドゥームというジャンルのど真ん中、スタンダードに位置していることは間違いない。
とはいえ、近年では、米露産・北欧産のフューネラルドゥームバンドが量産され、その多くが凡作ながら、一部良質バンドが出始めている。
特にロシアではこのバンドをお手本にしたかのようなバンド群が量産されているなぁ、と感じる。
この作品発売当時は、このバンドがマイフェイバリットNo.1だったが、近年は少しずつ自分の中で順位が下がりつつあるのが正直なところだが
このバンド特有のメランコリックさを武器に、オージー産代表フューネラルドゥームとしてレジェンドな存在であり続けてほしいと思う。


SLEEP - The Sciences ★★★ (2020-05-01 00:03:33)

米国産ドープスモーカー向けドゥーム。
前作Dopesmokerは名作Jerusalemのリマスター&未発表曲アルバムなので、それをカウントしなければ
完全新作としての復活は実に24年ぶりくらいになるか。Dopesmokerは完全新作と思っていなかったのでゲットせず
Jerusalemをゲットしたのは2000年以降なので自分にとっては10数年ぶり。
とはいえ、Jerusalemは神盤と思っているので、この10数年聴く頻度はワリと多く、長く愛聴してきた。
大麻合法国のマリファナデーを発売日に設定してリリースされたが、その情報を遅れて知ってしまい発売日過ぎてゲット。
一応予約購入したというのに、発売日をチョイ過ぎて届いてしまった。
Jerusalemではマリファナ騎士団が聖地を目指していたが、今作はジャケのとおり、ついに宇宙に行ってしまった。
濃厚なストーナー臭を帯びたギターリフが繰り返され、スペーシーな酩酊感を楽しむことができる逸品だ。
ドラムがオリジナルメンバーからNeurosisのドラマーに交代しているが、Neurosis的なひねくれ感はなく、ドラミングは大きく変化してない。
というか、Jerusalemの頃とほぼ音楽性やコンセプトは変わらず、もうマットパイクが好き放題やってる作品だ。
そもそもSleepファンは、それを望んでいる筈で、再びJerusalemの酩酊感を堪能できる作品であればOKなんだよね。
Jerusalemは1曲50分越えの、陶酔に没頭する有り得ない曲の長さがウリだったが、今作は前作より短い曲が6曲。
そういうところのインパクトが薄れた感は否めないが、曲間に無音があったからといって別に大した問題ではなかった。
ギターの厚みやストーナー感はより深みを増した印象で、会心の復活作品だ。
日本では大麻所持は犯罪なので、覚醒剤や危険ドラッグと同等な危険なモノと勘違いしている人が多いが
多くの国が合法化している流れに乗って、日本でも合法化されて、この作品を楽しむという日が来ればいいなと思う。


JEX THOTH - Blood Moon Rise ★★★ (2020-04-29 23:40:43)

米国産女性ヴォーカル・サイケデリック・ヴィンテージ・ドゥーム2013年作。
ヴィンテージドゥーム作品ではここ10年ではコレを凌ぐインパクトを持つ作品には出会っていない気がする。
ヴィンテージとは言っても、ローファイ志向でロックをやっている類のサウンドではなく
あくまで、ギターサウンドがいかにもヴィンテージ臭が漂う音作りであり、全体的に残響音が深めの録音状態に仕上がっている。
どんよりと超スローな楽曲が多く、控えめな癖に存在感のあるギターに細かく揺れるシンセがサイケデリックに絡む。
ジャケからもわかるように、死臭がプンプン漂っているというのに、フューネラルドゥームのような根暗感が無く
仄かなストーナー臭とギターのヴィンテージ臭のためか、むしろサイケデリック職人気質が前面に出ている。
そういう濃いサウンドでありながら、女声ヴォーカルの「歌」を最も聴かせるバランス感覚がスゴイ。
アトモスフェアな感じとストーナー感覚が、まるで自分が埋葬されていくかのような錯覚を引き起こす。
感じさせる温度は非常に冷たいが、凍りつく感じではなく、冷たい水の感覚だ。
一聴して、この特異な感覚を是非体験してみて欲しい。


PENTAGRAM - Curious Volume ★★★ (2020-04-29 23:00:25)

米産ドゥームロックレジェンドの2015年作。
80年代から(デビュー前に15年くらい下積み期間がある)硬派で頑固なロックをやっており
オリジナルメンバーこそヴォーカルのみだが、ローファイ志向の化石のようなスタイルを堅持し現役で活動している。
ボクはこのバンドの作品は随分長く愛聴しており、自分のドゥームサウンド探求のルーツでもある。
この盤でも、ブレることなくドゥームロックの原点的なヴィンテージサウンドを聴かせてくれる。
そういうバンドだから決して判りやすい個性があるワケではなく、一口でサウンドを説明することが難しいが、
長くPentagramを聴いていると、リフを一聴しただけでPentagramだな、とわかる独特な癖、濃く深い味わいがある。
コレジャナイ感を感じるアルバムをリリースした時期が無いワケではないが
作品リリース毎に、ローファイ志向を頑なに守りつつ、職人気質に中身の渋みが色濃くなっていく。
その濃さはこの盤で最高潮に達しており、何度繰り返し聴いても、飽くことなく堪能できる。
このバンドはこれからも長く活躍してほしいとホント思う。早く次の作品が出ないかな。


ADELE - 21 - Rolling in the Deep ★★★ (2020-04-29 00:38:23)

この曲のPVは何度見たことやら。この曲が一番ツボだ。
ミドルテンポでタテ乗りの、湧き出るようなパワー溢れる演奏に、更に存在感のあるアデルの歌が乗る。
サビのカッコよさは鳥肌モノでガッツポーズしたくなる。
アデルの声は、普通のシンガーよりも音域がやや低めなので、男声のボクでも頑張ればカラオケで音域がギリなんとかなる。
PV見ながらよく練習したが、なかなか歌いこなせない。まあ、当たり前か。


ADELE - 21 ★★★ (2020-04-29 00:29:23)

有名どころの女性シンガーで一番好きなのは誰?と聞かれたら、ボクはアデルが好きだ。
声にパンチ力があり、ひとつひとつの発声に表情があり、圧倒的な存在感がある。
多くの女性シンガーが持つ可憐さやエロさのような魅力ではなく、抜群な歌唱力、野太い声質、力強さ、表現力が魅力だ。
グラミー賞で多くの賞を受賞した鉄板級のアルバムで、初っ端から凄まじいパワーに圧倒される。
この人のアルバムは全て必聴盤だが、ボクはコレがイチオシだ。
随分前に2020年内に新作が発売されるアナウンスがあったが、新型コロナウイルスの影響でどうやら延期になりそうという
ニュースをさっき見た。すごーく残念で仕方がない。だから今コレを聴いている。


DAVID BOWIE - Labyrinth: from the Original Soundtrack of the Jim Henson Film - As the World Falls down ★★★ (2020-04-28 20:22:57)

自分が何歳の頃かはっきり覚えていないが、映画「ラビリンス」を録画してよく観てた頃に聴いた曲で
ヒロインがゴブリン王に扮したデヴィッドボウイを探し回るワンシーンで流れる甘くエロい曲だ。
当時ファミコン版「ラビリンス」を買い、(何故そこまでラビリンスにハマったのかよくわからないがw)
映画中のサウンドがファミコンサウンドに変化して使われていることに驚いたが、
この曲はゲームクリア時のエンディングテーマに使われており、割と完コピされてて驚愕した。
非常に思い出深い曲だ。


FORSAKEN - After the Fall ★★★ (2020-04-27 23:36:06)

マルタ島ヘヴィメタルど真ん中バンドの2009年作。
たぶん出身国からして、無名バンドなんじゃないかと思うが相当クオリティは高い。
この作品の前作、前々作を聴いた回数が多すぎて、どうしても過去作への思い入れが強いが
初めてForsakenを聴くなら、もうここからでいいだろう。
スローからミドルテンポのツインギターが唸るど真ん中ヘヴィメタルだ。
キャンドルマスばりに歌い上げるヴォーカルといい、パワー溢れる作品だ。
ギターの質感が若干前作までと異なり、エフェクターの構成をドゥーム寄りに変化させているんじゃないかと思わせる。
ドゥームバンドのイメージを持っていないので、音の質感はボクは前作までが好き(このバンドに限り)なんだが、
これはこれでアリで、過去作への思いからネガティヴなことを書きながらも10年後も聴いているような気がする。


FORSAKEN - Anima Mundi ★★★ (2020-04-27 23:24:57)

マルタ島出身のヘヴィメタルバンド2004年作。
90年代から長く活躍しており、最近は2017年作のアルバムも出ている。
自分にとって最も好きな作品は、このAnima Mundiと次作のDominationだ。
After the faii(2009年作)はギターの質感が若干ドゥーム化しており、それはそれで素晴らしい。
しかし、硬派にヘヴィーメタルをやっているこの2作品が特に素晴らしい。
ツーバスでドコドコやったりスピードに頼ったりせず、ひたすらスローからミドルテンポで
ヘヴィーメタルど真ん中をやっているスタイルは、まさに化石とも言えるが、今となっては
ここまで頑固なメタルはむしろ存在価値が大きいと思う。
もうこの作品が発表されて15年くらい経つが、この路線でこのバンドを超える作品には出会えず
未だによくマイカーで愛聴している。


NIKOLAI KAPUSTIN ★★★ (2020-04-27 04:18:10)

純粋にクラシックピアノを学んだ人にとって、ジャズを弾きたいというときに壁になるのは、適当な楽譜がナイ、ということだ。
そもそも即興性や変則的リズムなど演奏者の感覚に拠るところが多いので、それがキッチリ記譜されたスコアはかなりレアな上、市販のジャズスコアは重厚さのないイージースコアで溢れている。
というワケで、ジャズをクラシック様式に昇華させ、誰でも読譜できるように記譜されているカプースチン作品の登場は、ジャズピアノを弾きたいピアノ弾きを狂喜させた。
カプースチンの楽曲の特徴は、端的に言えばテンションノートを多用するジャズピアノだが、和声的なピアノ曲との違いは、スイング、バウンス的リズム感が求められることや
オフビート(ウラ拍にアクセントをつける)演奏法だったり、更に技術的なことを言えば、親指の打鍵が特殊だったりする。演奏難度はなかなか高い。
多くの作品があるが、最も有名と思われるのは「8つの演奏会用エチュード」「10のバガデル」あたりだろう。が、より多くの作品を是非聴いてもらいたい。
伝統的なジャズに留まらず、ロック、ラテン、現代音楽の様々な要素が楽曲中にアレンジされており、どの作品も相当な聴きごたえがある。
個人的に好きなのは8つの演奏会用エチュードの「プレリュード」「夢」「フィナーレ」や、一時期ケータイ着メロにしてた「「アリーバロッソのブラジルの水彩画によるパラフレース」だ。
演奏家は、当然本人が弾いている作品がイチオシだ。一時期「カプースチンラストレコーディング」というCDが出て、あーこれで最後なのか・・と残念な気分になったものだが
間髪入れず「カプースチンリターンズ」というCDが発売されて、「はえーよ!」とツッコミ入れてズッコケた。
本人以外では、川上昌裕のCDが早くから出回っているほか、最近は辻井伸行の演奏が素晴らしい。
とりあえず骨太なジャズピアノのソロ作品を聴きたいなら、カプースチンの右に出る者はいない。超オススメである。


RAVEL ★★★ (2020-04-27 02:42:17)

管弦楽・バレエ音楽などの作品や、ムソルグスキーの「展覧会の絵」のオーケストレーションを手掛けるなどで「管弦楽の魔術師」と言われているが
ボク自身はそっち方面は興味がなく、ピアノ作品をコレクションしている。演奏の難易度は非常に高く、ラヴェルのピアノ曲の中では比較的難易度の低い
「亡き女王のためのパヴァーヌ」「古風なメヌエット」を学習した思い出から、この2曲が特に好きな曲だ。
最も有名な曲は、ラヴェルが学生時代に作った初期作の「亡き女王のためのパヴァーヌ」や、煌びやかな作風が素晴らしい「水の戯れ」「鏡」あたりだろう。
ここのサイトにはダークサイドなサウンドを好む人がワリと多いと思うので、是非聴いてもらいたいのは、「夜のガスパール」だ。
「オンディーヌ」「絞首台」「スカルボ」という3曲からなる組曲だが、少なくともこの時代までのあらゆる作曲家のピアノ作品と比較しても
相当高度な演奏技術を必要とするかなり濃密な作品で、譜面を見るだけで気が遠くなりそうな楽曲だ。その分鑑賞するには疲労を伴うが相当聴きごたえがある。
特に、超スローで静かでありながら重厚な「絞首台」はまるで絞首台に登っていくような感覚が美しくも呪術的に描かれており、聞き手を絶望に突き落とす。
そして「スカルボ」はスペインの歌舞「ホタ」を取り入れた、悪魔的な鍵盤の連打が特徴で、凄まじくアグレッシブで前衛的な旋律、音の塊が聞き手を圧倒する。
特にこの演奏家の演奏がイチオシ、という人はあまり思い浮かばないが、そもそも「夜のガスパール」あたりを弾きこなす演奏家自体少ないので
ボクはラヴェル作品はピアニストは気にせずに売っていればとりあえず購入している。


JEAN SIBELIUS ★★★ (2020-04-26 21:18:37)

フィンランド作品は特にボクのツボに入りまくるので、我が家にはフィンランド産メタルやドゥーム作品は多い。
基本、針葉樹の生える国の音楽はボクのツボなんだろうと思う。というワケで、シベリウスは特に好きなクラシック作曲家だ。
一般にはピアノ作品より交響曲などが有名なんでしょうが、ボクはピアノ作品のみコレクションしている。
シベリウスのピアノ曲の特徴は、まず難易度がそんなに高くない。最小限の音数でありながら曲によっては豪華に聴こえる。
要は、無駄な打鍵が無く音響効果が大きいということだ。なので、ピアノを嗜む人にはシベリウスは超オススメである。
特に好きな楽曲は「樹の組曲」作品75で、たぶんピアノ曲としては最も有名なんじゃないかなと思う。
雪を連想させる北欧情緒溢れる作品で、第2番「孤独な松の木」は初めて聴いた時には、2ページ足らずの短い曲ながら
静寂を感じさせながらも大木の雄大さを連想させる楽曲に圧倒された。第5番「樅の木」の叙情も捨てがたい。
しかし最も好きな曲は、あまり弾かれていない無名な曲だが「故郷にて」である。郷愁を感じさせる美しい曲で、よく弾く曲だ。
演奏家は、フィンランド作品を世に広めた館野泉の演奏が聴きやすくて定番だ。
ただ個人的にはマリア・ビータサロの演奏がかなりツボにハマる。


ASTOR PIAZZOLLA ★★★ (2020-04-26 20:21:54)

アルゼンチンの作曲家・バンドネオン演奏家で、タンゴを世界に広めた仕掛け人はこの人だ。
とはいえ、元々はジャズ畑にいたようで、たまたまバンドネオンを演奏する切っ掛けがあり、そこからバンドネオン奏者として大成していったようだ。
しかもクラシックを学ぶために渡仏した際には、タンゴ演奏家であることをあまり公言しなかったらしい。
そういう生涯なので、ある程度の年齢に達するまで、タンゴ一筋というワケではなかったようで、↑の基本ユニットが定番になるのは晩年。
ちなみに基本構成は↑の4楽器に加え、エレキギターが加わっている。
ボクはこの人のバンドネオン作品にはあまり興味はない。が、この人が残した作品をピアノソロ用に編曲された作品群はツボに入りまくる。
ピアソラ自身が編曲した「タンゴ・ラプソディ」、山本京子編曲「リベルタンゴ」、Juan Carlos Zunini/Saul Cosentino編曲「Oblivion」
このあたりが必聴である。本人以外編曲した人自体は北半球の人だろうが、南半球のアルゼンチン・ブエノスアイレスの濃厚な哀愁を堪能できる。


FRANZ LISZT ★★★ (2020-04-26 19:31:08)

ここの解説や発言の通り、高い鍵盤技巧が話題になりがちな作曲家で、ピアノを嗜む人が上級にグレードを上げる時期に必ずと言っていいほど憧れ、Lisztの楽曲を目標にする。
「超絶技巧練習曲集」などと訳された名称のせいか、高度な鍵盤技巧が代名詞みたいになっているが、決してそう捉えるべきではない。
超越しているのは肉体と精神と心であるとLisztは明言している。技巧については肉体的要素であり、Lisztの作品を単に技巧がスゴイということで片づけるのは勿体ない。
鍵盤技巧に偏ることなく、技巧に裏付けられた、より内面性の強い、心を打つ作品が数多い。実際、この曲集の第3番「風景」は、技巧的な面だけ見ると譜面通り弾くことはそんなに難しくはない。しかし、内面性を加味した心を打つ演奏となると、一筋縄にはいかない。
ウチには東芝EMIがまだ楽譜を売っていた頃(1980年代)のボロボロの楽譜がピアノの傍に常備してあるが、未だなかなか思い通りに弾きこなすことは難しい。
最近は年齢を重ねて集中力も衰え始めたのか演奏精度が下がってきた。が、Liszt作品は生涯の友として嗜んでいきたいと思っている。
↑の人が書いている代表曲が超有名曲だが、名曲は数多い。Liszt作品後期になればなるほど宗教色が強くなり鍵盤技巧は控えめになっていく。これはこれで鑑賞するにはいい。
個人的にはやっぱり超絶な演奏が全盛の頃「超絶技巧練習曲集」「ハンガリー狂詩曲」の作品や、旅愁が感じられる「巡礼の年スイス」「巡礼の年イタリア」が好きだ。
シューベルトやシューマンの曲を編曲した作品中「冬の旅」「魔王」「献呈」や、ペトラルカのソネット第104番、3つ演奏会用練習曲第3番ためいき、メフィストワルツ
挙げればキリがないほど素晴らしい楽曲群だ。
演奏家は、旅愁を感じさせる楽曲の場合は、技巧が派手に聴こえないボレットがお好みだ。鍵盤技巧のダイナミズムを堪能するなら、チョイとマニアックだが
ケマル・ゲキチの演奏が最もツボだった。


VOIVOD - The Wake ★★★ (2020-04-26 18:43:33)

Angel rat以降、どうもコレジャナイ感漂う作品が続き、全くボクのツボにハマらず
ギターが病気で脱退後、更に混迷するのかなと思いつつ、一応はずっとチェックしてきたのは
Nothing Faceのようなプログレッシブ&スラッシュ的なスタイルで蘇ってくれないかなという期待があったからだ。
ジャケを見て、コレは大丈夫なのかという不安を感じつつも発売当時にゲットしましたが
コレは!Nothing Faceで悶絶したファンにとって期待通りの作品に仕上がっている!
コレは2018年の作品ですが、とりあえず2018年にゲットしたHR/HMベストアルバムですよ。
元々Pink Floydをカヴァーするような、サイケ&スピリチュアルな志向性を持ったバンドで
情緒不安を引き起こしそうな変則リフや不協和を絶妙に構築する楽曲が一番の売りだったと思う。
そんな個性がこの作品には再び宿り、まさにNothing Face路線の新作と言うに相応しい。
ヴォーカルのスネイクの声質は年齢を重ねても昔と変わらず、この変則的で丁度良い音圧のギターにフィットしてる。
Voivodはハードコアやザクザクギターやカッコいいロック路線だと魅力が半減するよ。
やっぱり薄目のギターの方がスピリチュアルさが全面に出るし、スラッシュテイストが最もフィットするよ。
ドラムもオリジナルメンバーでずっと活躍してるけど、こういうスラッシュなドラムの方がカッコいいね。
もうね、このアルバムはVoivodの集大成ですよ。ホント多くの人がコレを体験して驚愕してほしいと思う。


SANCTUARY - The Year the Sun Died ★★ (2020-04-26 17:35:58)

当時1stと2ndのどちらがツボにハマったかによって評価が分かれそうな作品。
ボクはSanctuaryは2ndのInto The Mirror Blackこそ真骨頂と思っている。
静かなるリフをバックにハイトーンヴォーカルが絡むというコントラストが素晴らしかった。
スラッシュ全盛期にそのスタイルは唯一無二の個性だった。半面、ヘドバンできるような作風ではないからか
スラッシュメタルとは言われながらも、スラッシュフリークに受け入れられたのかどうか疑問な作品ではあった。
ブランクを経ての新作には、当然2ndのあの静寂さえ感じる雰囲気を期待していたが、
残念ながらどちらかというと1stへ原点回帰したような熱いサウンドとなっている。
演奏技術や楽曲のクオリティは当然高いので、相当聴きごたえある好盤だが
ボクとしては、温度を氷点下まで下げた冷たい作風を期待していただけに、2ndの個性が失われたのは残念。


SEVEN SISTERS OF SLEEP - Ezekiel's Hags ★★★ (2020-04-26 16:45:49)

ローランDeath氏オススメによりゲット。
ジャケの神々しく祭儀的なデザインから、聴く前に予感がしたが重度なドープスモーカー向け昇天スラッジである。
歌詞をよく見ると判ると思うが、描いている世界は苦行を乗り越え涅槃の境地へ辿り着く的な世界観だろう。
そして最後には宿命に従い神の兵を引き連れてWarMasterとして破壊の扉を開く・・という感じかな。
ボクは善良な社会人なので、タバコか葉巻を代用して、このサウンドに浸ってみたい。
鈍重なリフもあれば激しくブラストするパートがあったりするが、基本全体的に重苦しく、霧がかかっている。
ストーナー的要素を大いに含んだ重厚かつアトモスフェアなスラッジサウンド&ストーリー性のあるコンセプトがステキだ。


ANGEL WITCH - As Above, So Below ★★★ (2020-04-26 01:55:07)

聴いている回数は圧倒的に1stが多いんですが
Angel Witchの作品で一番好きな盤はどれ?と聞かれればコレだ!
まず、ジャケが再び1stのようにJohnMartinの画風になった上、曇り空をバックに黒字のバンドロゴがステキだ。
そしてギターを担当するのがビルスティアーというのがスゴイ。CarcassやってたギターがAngel Witchに加入とか普通有り得んでしょ。
マイナーコードやディミニッシュコードを多用したダークな旋律はビルスティアーの腐敗臭がスパイスとなって、濃厚な魔性を帯びている。
それでいて、1stの頃にあったNWOBHMの雰囲気が融合したサウンドを構築しているのだから素晴らしい。
ヴォーカルの旋律がキャッチーに聴こえないのは、楽曲の殆どがマイナーコードで構成されてて、半音進行の歌いまわしを多用してるからだろう。
NWOBHMテイストの名盤と言う人は多いが、確かにそういう魅力はある。しかしこの盤の最大の魅力はそこではない。
音と旋律の中にAngel Witchの悪魔的コンセプトを表現する仕掛けが随所にあり、決して単に過去作の延長上の作品として扱われる作品ではない。


ANGEL WITCH - Angel of Light ★★ (2020-04-26 01:03:26)

7年ぶりの新作ですが、恐らく多くのリスナーは70~80年代NWOBHMの息吹を求めてコレを聴いているのだろうと思う。
そういう意味では再び1stの頃のNWOBHMど真ん中路線へ回帰したようなサウンドが耳に馴染み、とても心地よく聴くことができる。
しかし、前作As Above So Belowで感じられた魔性に感銘を受け、そこを期待していた人にとっては、その魔性が若干弱まった感覚に陥る筈だ。
逆に前作のマイナーチェンジがダメだった人は、今作が良いと感じるんじゃないかな。
熟練のカッコいいロックサウンドで、クオリティは高い。ただ、前作の路線がかなりツボだった自分にとっては少々残念な作品だな。


UNTIL DEATH OVERTAKES ME - Days Without Hope ★★ (2020-04-24 01:38:43)

2006年に自分がこのバンドを追加登録して書き込んでいるのを見ると笑える。
少なくとも当時は、このバンドが自分のフェイバリットバンドになるとは到底思っていなかった。
あまりのポンコツさに金を支払った自分が情けないとも思った。
それでもこのバンドのCDを買い続けたのは、他では聴けない濃厚な孤独感、静寂、真性さが宿っているからだ。
音はポンコツでも、その根暗なコンセプトに対して全く妥協していないところに惹かれるのだ。
シンセを垂れ流し、分厚いギターを垂れ流し、疲れた犬のように唸るタイプのフューネラルドゥームをやりたいんだろう。
で、結構な枚数、ポンコツサウンドに投資し、やっとこの盤で期待に少し応えてくれた、という感じだ。
とりあえず残念人生サウンドとこのトゲトゲ&尾根の太陽ジャケは非常にマッチしている。
この作品の素晴らしいのは、1曲目のギターが入るまでのシンセサウンドだ。この人が作るシンセサウンドはシンプルかつ根暗だ。
それ以降の曲は、やりたいことはすごくわかるのに、ギターのリバーブが深すぎてポンコツ感が拭えない惜しいサウンドである。
しかし、この盤以降の作品では、音のバランスや録音が向上していき、唯一無二の作品になっていく。
この盤がその転換期の重要作品(と自分は思っている)なのだ。


TERRORIZER - Caustic Attack ★★★ (2020-04-24 00:46:05)

年齢を重ね感受性が衰えているんだろうが、少なくともWOFを超える衝撃に出会えることは無いと思っているし
TerrorizerはWDFさえあればOKなのだが・・
正直2作目以降の作品はあまり好きになれず、コンテナの奥深くに収納されることに。
前作はピートサンドバルが復活していたこともあり、高密度なドラミングではあったが
どうもコレジャナイ感があった。
というワケで、今作もあまり期待はせずにゲットしたんですが、コレはスゴイ。
まあ、名盤WDFは若い頃に受けた衝撃の大きさが半端ナイので、それを超える衝撃とまではいかないが
WDF時代の作品を期待するメタラーとしては、限りなく期待通りの作品だ。
ギターの音圧はこれくらいクリアな方が丁度いいんだよ。
購入当時(2年前くらい?)は結構品薄で、きっとこの作風に狂喜したファンが多かったに違いない。
ここのレビューが全くナイのは不思議でならない。
やっとあのTerrorizerが帰ってきた!と思わせる好盤だ!


XENTRIX - Bury the Pain ★★ (2020-04-23 22:29:49)

80年代後半スラッシュメタル全盛期頃、欧州産でありながらベイエリアスラッシュ的なバンドが多く出てきたが
そんなバンドの1つがXentrix。このバンドは英国出身。
当時のメタル誌でも殆ど見かけた記憶がなく、知名度は相当低かったはず。
Thrash The Wall (1990年作)という欧州スラッシュメタルバンドのオムニバス盤があるのですが
(HelloweenやRunningWildあたりがこの盤に収録されているのが少々笑えるが)
当時の欧州産スラッシュメタルシーンを感じることのできる好盤でXentrixの曲が収録されている。
このオムニバス盤は当時周囲のバンドマンの間でも結構話題になったし、ここから辿っていったスラッシャーはいたんじゃないかと思う。
このバンドも脱スラッシュの風潮の煽りを食らったのか、初期のベイエリアスラッシュ的な魅力が薄れていった感がある。
3rdは好盤ではあるものの、もはや脱スラッシュの結果、こうなりました的な楽曲群で、従来の魅力が半減という印象は否めない。
このバンドの特色としては、ツインギターで聴かせる硬派な楽曲群、初期作品ほどベイエリアスラッシュ色が強く結構カッコいい音なんですが
微妙なバンドロゴやあまりカッコよくないジャケから、真面目な音楽性に反してB級イメージがつきまとい・・・
ボクにとっては、スラッシュ全盛期に陰ながら存在したB級スラッシャーの名を拝するA級に限りなく近いバンド、だった。
そんなXentrixが23年ぶりの新作というので、果たしてどんなサウンドなのかかなり期待したワケですが
まず、ヴォーカルが太くなって全体的な印象が変わっている。アレ?というのが最初の感想。どうやらヴォーカルはチェンジしているようだ。
そこは引っかかるところだったが、ツインギターで聴かせるタイプのベイエリアスラッシュ色のスラッシュメタルを真面目にやっており
Xentrixはこうあるべき、という音楽性に納得。そして、ジャケがかなりダサいのがいい。
墓場まで持っていきたいほどの名盤・・とまではいかないが、当時の欧州産スラッシュの香りが蘇る好盤だ。


SACRED REICH - Awakening ★★★ (2020-04-23 20:25:23)

Metallicaが推したバンドという雑誌記事からこのバンドに巡り合ったメタラーはきっと多いはず。
自分もそのクチで、タイムリーにゲットした作品はThe American wayで、Ignoranceは後追いで、確か2thと同時購入だった。
スラッシュバンドとして語られることが多いようだが、1stこそスラッシャー向けだけども、以降の作品はスラッシュ色は徐々に薄れていき
どちらかというとその時代のトレンドの音楽性を取り入れようとする姿勢や、脱スラッシュといった志向性があった。
当時はクロスオーバーなスラッシュというのがトレンドとしてあって、多様化していった時代だったが
このバンドもその波に乗りつつ脱スラッシュ的な音を追求していたんだろうということは感じることができる。
しかし、このバンドの良いところは、そういう時代にあって、スラッシーなテイストこそ薄れていくものの、ロックサウンドの原点から外れることなく
どちらかというと頑固に自身のスタイルを維持していたところだ。結局は新しいモノを取り入れようとする志向性は見えつつも頑固さが勝ってしまった。
とはいえ、3rdあたりから、当時一世風靡したPantera的なヘヴィネスが見え隠れしていたのは確かで、ボクにとって一番のお気に入りは2ndであり、3rdは嫌いではないが
初期2作品を特に愛聴した過去がある。
そういうバンドだから、派手さはなく、新しモノはダメな不器用なイメージが少しあり、どちらかというと地味で頑固な音楽性であり、
Metallicaが推した理由というのも、そういうロック原点的な魅力なんじゃないかと憶測するのである。
23年ぶりの新作に期待する音楽性は、やっぱり不器用で地味で頑固な音なんですが、まさにストライクですよ。
スラッシーな曲もあれば、ミドルテンポの曲もあり、昔の路線から決して外れない立ち位置にいる硬派なスタイルが魅力。
若い世代のメタラーにもオススメしたいと思うものの、この音に喜びを感じるのは、やっぱり当時を知る世代なんだろうね。


METALLICA - Hardwired… to Self‐Destruct ★★★ (2020-04-23 19:17:42)

初期作品And Justice for allまでが自分のストライクゾーンで、ブラックアルバム以降は
熟練の作品としてクオリティの高さは認めても、あまり好きになれなかった。
DeathMagneticも当時買いましたが、あまり聴かなかったな。
この2016年作はごく最近手に入れたんですが、どうも賛否両論のようで。
初期作品の濃厚な哀愁や、HM的音圧で押し切る感じや、コンセプトアルバム的なストーリー性云々などは一切無く
元々のメタリカのルーツであるNWOBHMに限りなく近い、ロックの原点、ヴィンテージ臭すら感じられるサウンドだ。
全く新しい何か、とか、奇をてらったような、突出した世界観というのは無い。
無駄を削ぎ落し、音圧も控えめに、各々メンバーが培ってきた熟練した技術を最大限に発揮した演奏を聴かせる。
路線がブラックアルバムやDeathMagneticの延長と見る人も多くいるようですが(確かに一理あるが)
それらの作品以上にコマーシャルな部分を排除した、時代を遡って原点回帰したかのようなスマートでクールな作品。
後期作品を全く受け付けなかったのに、この作品は自分のツボに入りまくる。
マニアック路線ばかり追求して、有名バンドを聴く行為自体、自分のステイタスに反するという妙なポリシーがあるものの
この作品は認めざるを得ず、長く愛聴するだろうと思う。


POSSESSED - Revelations of Oblivion ★★★ (2020-04-23 17:08:54)

再結成で蘇るバンドこそ多いが、再結成モノで最も衝撃を受けたのはコレだ!
デスメタルにドップリとハマった中学3年生~高校時代には、既にこのバンドは短命で解散寸前
Death、Obituary、Morbid Angel、Pestilence、Entombedあたりがジワジワと台頭し始める時代に
デスメタルのルーツを追い求めて80年代前半から活躍するバンドを漁り始めた頃に出会ったのがPosessedだ。
クレカも無く通販という技も体得していない若造だった自分は、僅かなバイト代を持って1時間半かけて街中へ出かけ
唯一デスメタルを売っているタワーレコードで探すしか手段を持っていなかったが、そうやってCDを探すことがライフスタイルになった頃
やっとの思いで見つけたのが、Beyond the Gateだった。
アルバムの完成度は微妙ではあったが、ハイテクなギターと微妙にモタるドラムのギャップが個性的なサウンドで
当時台頭し始めたバンド群に比べて、録音状態もやや劣るといった感じだった。
しかし、サタニックな世界観に魅力があり、次の作品は絶対に欲しい!というアツい思いを持っていた、が・・
結局作品は発表されず、Possessedは過去のバンドとして殆ど忘れた存在になってしまった。
デスメタル黎明期に青春を過ごした世代としては、この33年越しの再結成&新作発表は、有り得ない衝撃的な事件だ。
当時のメンバーはヴォーカル以外総替わりしているのが残念、特にあの個性的で過小評価されていたドラマーがいなくなってる。
しかし、当時Possessedを少しでもかじった人は、是非このサウンドを聴いてほしい。
Possessedのハイテクギター&構築的な楽曲、Possessed節とも言える独特なリフなど、当時のテイストを残しつつ
全体のクオリティーを一気に上げて登場してきた。
サタニックさを思わせるギターの小技やモタるドラムは残念ながら一新されているが
自分世代のデスメタラーには、これほど痛快な作品は滅多に出会えない。
なんでもヴォーカルは爆発事故かなにかで半身不随になってて、ライブでは車椅子に座って歌っていた。当然
ベースは新たにベーシストが加入している。
大怪我を乗り越えて、よくぞPossessedの新作を発表してくれた。
コレを聴くと、当時のデスメタルシーンと青春時代が蘇り、妙な懐かしさと共に元気が出てくるんだよ。