米産メロディアスハード2020年作 アメリカンロックは基本聴かない。が、今年はVandenbergの新作をゲットしたり、一部気になる盤はある。 House of Loadsは、その音楽性から現在のボクのツボにはハマらないタイプだと思うんだが、Sahara(1990年)、Demons Down(1992年)に猛烈にハマり ヴォーカルのJames Christianの声が、青春時代に刷り込まれた感があり、この人の歌唱を聴くと無条件で懐古の情が沸き、血が滾り、血圧が上がる。 Demons Downの後に解散し、VandenbergらとManic Edenをスタートさせて、James Christianは作品を発表する前に解雇されたんですが、 もしコレがクビにならずに作品を出してたら、きっと追い続けてただろうと思う。また、12年のブランクの後に再結成されて狂喜したのも束の間 The Power And The Myth(2004年作)が思いのほか残念な作品だったので、ココでHouse of Loadsは見限ってしまった。 とりあえずDemons Downほどの名盤でなくてもいいので、普通にメロハーやって及第点以上だったらボクは満足なんだよ。 その後の作品は、なかなかいい作品もあったみたいだが、ゲットまではしていない。何かが違うんだよ、何かが。ツボにハマらない。 ということで、ヘンに奇をてらった作風は求めないので、普通にハードな作風でJames Christianが普通に歌ってればゲット、と思い、 期待通りの作風だったのでゲットしてみた。 このオーソドックスな感じ、ヴォーカルの味わい、コーラスとの絶妙な絡み、米産でありながらちょっとシットリした感じ、コレがいいんだよ。
カナダ産メロディアスハード2010年作 ややプログレッシブロック寄りながらも、非常に聴き易い正統派なメロハー路線。1991年のデモ作品と、バンド名をSeven Yearsに改名した後の作品 を収録したコンピレーション作品だ。もはや入手困難で、海外で取り扱っているショップを見ても100ドルくらいが最安値だった。 かなりのポテンシャルを感じさせる内容のワリに、全く表舞台に出なかったのは、レーベルとの契約上の問題があったようだが、後にIN THE NAMEという バンド名で作品をリリースしている。唯一のフルレングスアルバムIn The Name(1995年作)は、これまた全くの無名のまま鳴かず飛ばずで消えてしまったが ボクはこの盤を心底惚れこんでおり、ゲットして25年経った今でも愛聴している。派手さの無い、どちらかというと地味な作品な上、ジャケやバンドロゴが微妙。 そういうことも含めて、他バンドの影に隠れてしまい、その素晴らしさがあまり知られることが無く、活動も終わってしまったのが非常に残念だ。 彼らのサウンドは、演奏のテクニックの裏付けがありながらも、決してトリッキーなリフや速弾きなどに偏らず、一部でプログレと言われながらも 派手に曲展開するような仰々しさがなく、聴き易い範囲で複雑な展開をする。濃厚になり過ぎない適度な哀愁を漂わせ、とても自然体で聴ける。 Kingsvane時代の楽曲の一部はIn The Nameの盤に収録されている。彼らのサウンドに興味があるなら、今でも簡単に入手できるIn The Nameをオススメするが 彼らのサウンドに感銘を受けルーツを辿るなら、Kingsbaneは必聴盤だ。ボクがゲットした頃はそこまで高騰してなかったが、まあ、100ドルは高いな。
オーストラリア産テクニカルデスメタル2014年作 The Scream That Tore The Sky(2005年作)の衝撃は忘れられない。テクニカルデスは星の数ほどいるが、Stagazerのハイテクは群を抜いている。 ギター、ベース、ドラムの三者に言えることは、相当な演奏技術者である上、メタルのジャンルには収まらない多様性を持っていることだ。 サウンドの特徴としては、音の密度の高さだ。ヘヴィな音の厚みで圧倒するのではなく、高密度な音数を用いて高速で刻むリフの迫力が最大の特徴だ。 デスメタルにしてはナマ音に近いエフェクトを施し、各パートの音像がクリアに聴きとれるので、圧倒的な音数によるインパクトが誤魔化しなく伝わる。 そういう音響なので、ベースの音もワリと細部まで聴きとれるが、このベースのテクニックが凄すぎる。ボクはベーシストなので尚更ベースに耳が行くが これほどハイテンションなベースを弾くミュージシャンも珍しい。割とベースが前面に登場するところも、このバンドの大きな特徴だ。 卓越した演奏技術の基盤があり、更に楽曲がメタルの枠に収まらないインテリジェンスさを感じさせる、やや前衛的な造りなので、相当聴き応えがある。 The Scream That Tore The Skyの頃は結構疲れる音楽性だったが、音響的な進化のせいか、高密度な音の束であっても無駄な疲労感を伴わないところがいい。 ハイセンスな楽曲、全体的に漂うイーヴルな感じがホント素晴らしい。超オススメ。
米産テクニカルHM2018年作 この人はSanctuary、Nevermoreのヴォーカルだ。オペラを学んだ経歴からも、広い声域と伸びやかなロングトーンが魅力だ。 その魅力を最も引き出していたと感じる作品はSanctuaryのInto the Mirror Black(1989年作)だったように思う。 バックの演奏は限りなく物静かで、ヴォーカルを際立たせる録音が最適で、アップテンポよりもスローがいい。 Nevermore時代はよりテクニカルな音数の多い音楽性に進化していったが、テクニカルな楽曲重視のファンからは中期以降が ウケていたみたいだが、ボクは初期作品しか聴けない上、Into the Mirror Blackを超えたと思わせるモノがなく 結局Nevermoreは1枚もゲットしなかった。ちなみにSanctuary名義でリリースされたThe Year the Sun Died(2014年作)も 一応ゲットはしたものの、処女作のアツいサウンドに回帰した感じで、ボクとしてはコレジャナイ感のある残念な作品だったように思う。 もはやテクニカルさが前面に出た賑やかなサウンドが持ち味になり、ヴォーカルの魅力を活かしきれていないと思わせる作品が続いた今 再びソロ名義の作品をゲットしてもきっとツボには入らないんだろうとは思っていたが、まあ、期待通りの作品というワケにはいかなかった。 試聴のみでゲットせずにおこうかと思ったが、好きなヴォーカルだし、この作品を収録中に心臓発作で他界してしまったので、一応ゲットした。 ラストでツボにハマる歌声を聴かせて欲しかったが・・・ちょっと残念。
B級スラッシュメタルの名曲。80年代後半スラッシュメタル全盛期に登場したGothic Slamのこの曲は、当時数少なかったHR/HMテレビ番組で、 毎週のようにPVが放映されて、忘れられなくなるほど刷り込まれた感のある曲だ。当時は目下売り出し中という感じだったんだろうか。 シャツとジーパンを着たお世辞にもカッコいいとは言えない全体的にイモ臭さ満点のファッションセンス、チョビ髭ヴォーカルによる癖のある絶叫スタイル、 Who Died and Made You God!!と全員で叫ぶコーラス、その総じてダサい光景を更に際立たせるカメラワークなど、B級愛をやたら刺激するPVだった。 ギターテクは結構高く、演奏力はあると思うんだが、そのローセンスさに全て掻き消されている。 しかし、毎週のように映像で刷り込まれたせいか、当時のスラッシュメタルでは相当印象に残っている曲だ。