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Within the Prophecy (1987年)
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Within the Prophecy
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解説 - Within the Prophecy
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コメント・評価

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1. 火薬バカ一代 ★★★ (2020-03-20 09:53:25)

似たような名前のバンドがチラホラいますが、こちらは英国ブリストル出身の4人組。UKシーンにおけるクラスト/パンクからスラッシュ・メタル方面へのクロスオーバー現象を語る上で欠かすことの出来ない重要バンドであり、NAPALM DEATH、BOLT THROWER、CEREBRAL FIXといったバンドに影響を与えたことでも知られるSACRILEGEが、'87年に発表した2ndアルバム。
MUSIC FOR NATIONS傘下のスラッシュ・メタル専門レーベルUNDER ONE FLAGと契約を交わしたことが関係あるのかどうか、ともかくDISCHARGE辺りからの影響を伺わせるリフ&リズムのササクレ感はそのままに、よりメロディックに歌うようになった金髪女性シンガー、リンダ“タム”トンプソンのVoといい、一層の拡充が図られたインスト・セクションといい、10分越えの大作ナンバーも収録する等ブリティッシュHM然とした薄暗いドラマ性を宿す曲展開といい、これまで以上にサウンドのスラッシュ~正統派HM度数がUP。個人的には聴いていてZNOWHITEのことを思い出したりしましたよ。
無論それがマイナスに働くなんてことは全然なく、寧ろこっちにはバッチ来い。インストの前半と歌入りの後半の二部構成からなるOPナンバー①、アコギと緩急を活かしてドラマティックな盛り上がりを演出する③、次作ドゥーム・メタル路線への萌芽が既に感じられる⑦、本編ラストをオラつきながら走り抜ける⑧といった楽曲のカッコ良さは、音質の悪さを差し引いてもくすまぬ輝きを放っています。
スラッシャーにも、ブリティッシュHM好きにもお薦めできる歯応えのある力作。




2. 失恋船長 ★★★ (2022-04-29 13:09:33)

前作の音楽性をグッとメタルよりに推し進めた2枚目。オープニングからサバスティカルな影響を強く押しだし、その攻撃性とおぞましい暗黒テイストを交互にアクションさせることで独自性を高めている。
不気味なカヴァーアートが示すようなドロリと黒く濁った感性が、ゼラチン状にまとわりつき、鋭さを増した音楽性に絡みつきます。
リンダ嬢の唄い回しも咆哮するわけでも、カミソリシャウトでもない、しっかりとメロディを追って歌い上げるタイプであり、従来イメージされるスラッシュ系のシンガーとは一線を画す存在、女性らしい表現力を損なわない歌声に、悪魔的なサウンドに囚われた堕天使の如く神々しい光を放っています。
その魅力はクリアーなギターが飛び出す③のような楽曲でも存分に発揮され、このバンドの特異性を存分に見せつけている。スラッシュ的な要素もあるが、リズム隊はオーセンティックサウンドを構成しており、前作とは違うアプローチを取っている。
ある意味、禍々しいギターサウンドが、得意のスタイルを牽引しているという事なのだが、ワンパターンに陥らないアイデアと分厚い音像で迫るギターサウンドはバンドの肝でしょう。
無垢な感性を爆発させたUKクロスオーバーサウンドの凄み、禍々しくも美しいタフなサウンドは、加速度を増しながらもメロディアス、暗く湿った英国様式美にも通ずるスタイルと血なまぐさい暴力的サウンドの融合、後続に与えた影響を考えると、今もってしても多くのバンドが束になって勝負しても寄せ付けないだけの、個性とパワーを有していると思います。
Witchfinder GeneralとZnowhiteが合体したようなと言って食指が動いたマニアならば聴いて損はしないでしょう。
ありきたりのサウンドに飽きたマニアにもすすめたい一枚ですね。こういう音楽性はメタルバブル弾ける1987年に作り上げていた事実に驚嘆するでしょうね。



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