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BEHIND THE REALMS OF MADNESS (1985年)
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BEHIND THE REALMS OF MADNESS
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解説 - BEHIND THE REALMS OF MADNESS
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1. 失恋船長 ★★★ (2022-04-27 17:08:05)

スラッシュメタル後進国だった日本だけに、今以てマイナーな存在に終わっている、英国産極悪クロスオーバースラッシュメタルバンドの記念すべき1st。DISCHARGEとSLAYERの融合等と例えられる機会の多い今作は実に独創的なウネリと凶暴性を有している。闇に魅入られたサバスティカルな地を這う蠢き、峻烈なるビートと刺激的な音像、そのヒステリックで暴力的なサウンドながら、英国由来の湿り気のある根暗な感性を楽曲にドップリと落とし込み、単なる過激さ命のハードコアパンクストは一線を画す高い音楽性を披露しています。
紅一点の女性シンガー、リンダ”タム”シンプソンも無駄に凄むことなく咆哮、その刺激的な歌声はパンキッシュな感性に彩られ迫力十分。このバンドの個性は音のみにあらず、やはり女性シンガーを立てた事が大きいだろう。
アルバム毎に音楽性はチェンジするために、少々混乱を招く可能性もあるが、ここで聴ける純粋無垢な弾け飛ぶ感性、ハードコアパンクストとして鍛えられたバンドが次に邂逅したのが新進気鋭のスラッシュだったという事なのだろう。
こうして改めて聴くと、このバンドがいかに後続に影響を及ぼしたかが伺いしてる。それ故に、知名度の低さにもどかしい思いを味わうが、今やカタログ雑誌を買いながら音楽を聴く時代でもないので、再考される機会もあるでしょう。

この野蛮で刺激的なサウンドながら、英国由来のねっとりとした情緒とダークな質感、暗く湿った音像を切り裂く破れ被れな演奏、安易にクロスオーバースラッシュメタルという言葉を使いたくない、唯一無二の個性を有している。○○からの影響を高次元でやり切ったバンドのセンスに脱帽です。

今ではデモ音源プラスで復刻盤も出ているのでマニアならずとも手に取って欲しい、歴史に埋もれている名盤でしょう。



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