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KRAKEN I (1987年)
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KRAKEN I
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解説 - KRAKEN I
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1. 失恋船長 ★★★ (2020-03-06 13:09:53)

南米と言えばスラッシュ大国なイメージが強いのだが、コロンビアのメタルシーンを切り開いたと言われるレジェンダリーなKRAKENが披露したサウンドは実にオーセンティックな正統派スタイルでした。
オリジナルはアナログのみのリリースであるために現物を見たことはないのだが、今作と2枚目のアルバムをジョイントした作品をリミックスしてCD化リリースされたものだがるので、そちらで今作を確認することができますが、一部カットされているのでフルを聴くならダウンロード版を手に入れるのが一番でしょう。

シャリシャリとした細めのギターなど、懐かしい時代を感じるのだが、87年のコロンビアの経済状況や、そもそもロックを取り巻く環境を考えれば、メタルバンドとして音源をリリースするのは並大抵のことではないでしょう。そう思うと音質云々よりも、愛すべき音楽に実直に向き合った熱量に絆されます。

勇壮なエピカル風味満点のナンバーからメイデンよろしくなドラマ性の高い楽曲も放り込み、いろんなスタイルの鋼鉄サウンドを披露、基本はスピード重視だしメタリックなスタイルを貫いている、その方向性にブレはなく視聴後の満足度は高い。その判明、時代&金銭的事情からくる垢抜けないB級感に、日ごろメジャーなサウンドに慣れ親しんでいる方には、チョイと厳しいかもしれませんが、耐性のあるマニアなら、ここで聴けるピュアメタルサウンドに唸らされるでしょうね。

南米的な陽気さやサンバ的なノリは皆無、むしろ東欧圏あたりの陰りのあるマイナー調のメロディと情熱的な血が騒ぐ、好戦的なメタルスタイルにグイグイと惹き寄せられます。真っ向勝負で挑んだヘヴィメタルサウンド。構築美溢れる激奏こそヘヴィメタルなカタルシスの開放であろう。

今の時代、知識があれば、こういった辺境の地のレジェンド達に簡単に出会えます。いい時代になったなぁ。



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