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Kraken II

南米はコロンビアを代表するレジェンダリーな男たちが世に放った2枚目のアルバム。今作はキーボードプレイヤーをゲスト参加させ、前作にあった気骨溢れるメタリックスタイルにいい意味での柔軟さ、所謂大衆性を加味させたことにより、マイナー調のメロディもグッと際立ち叙情性もアップ。自分たちにやりたいことがしっかりと具現化、前作の反省を踏まえしっかりと成長の跡を見せてくれます。

音楽性の幅が広がったと言っても軟弱になった要素は皆無、メジャー感のみならず、プログレッシブな展開も増し辺境地メタルのレッテルを自ら剥がしています。英詩ではないのでね、語感のなど気になる人もいるでしょうが、線は細いがハイトーンを駆使しエモーショナルに歌い上げる姿も前作以上に様になっています。

完全に前作とは別物と捉えた方が無難に解釈できる渾身の2枚目。コロンビアのメタルシーンがどのような形で形成されていたのか分からないために、軽はずみなことは言えないが、勢いだけではない知的なエッセンスや、南米特有の熱情、それらをクールな感性でまとめ上げたバンドのセンスが光ります。
当然レコーディング環境は褒められたものではない。音質も深みも厚みもない、それでもメタルに対する愛情がビンビンに伝わる仕様になっていますよ。その秘められた思いを解き放っている、バンドの将来性に思いを馳せ耳を傾けるのが、一番の楽しみ方でしょうね。

失恋船長 ★★★ (2020-05-21 13:05:57)


Kraken I

南米と言えばスラッシュ大国なイメージが強いのだが、コロンビアのメタルシーンを切り開いたと言われるレジェンダリーなKRAKENが披露したサウンドは実にオーセンティックな正統派スタイルでした。
オリジナルはアナログのみのリリースであるために現物を見たことはないのだが、今作と2枚目のアルバムをジョイントした作品をリミックスしてCD化リリースされたものだがるので、そちらで今作を確認することができますが、一部カットされているのでフルを聴くならダウンロード版を手に入れるのが一番でしょう。

シャリシャリとした細めのギターなど、懐かしい時代を感じるのだが、87年のコロンビアの経済状況や、そもそもロックを取り巻く環境を考えれば、メタルバンドとして音源をリリースするのは並大抵のことではないでしょう。そう思うと音質云々よりも、愛すべき音楽に実直に向き合った熱量に絆されます。

勇壮なエピカル風味満点のナンバーからメイデンよろしくなドラマ性の高い楽曲も放り込み、いろんなスタイルの鋼鉄サウンドを披露、基本はスピード重視だしメタリックなスタイルを貫いている、その方向性にブレはなく視聴後の満足度は高い。その判明、時代&金銭的事情からくる垢抜けないB級感に、日ごろメジャーなサウンドに慣れ親しんでいる方には、チョイと厳しいかもしれませんが、耐性のあるマニアなら、ここで聴けるピュアメタルサウンドに唸らされるでしょうね。

南米的な陽気さやサンバ的なノリは皆無、むしろ東欧圏あたりの陰りのあるマイナー調のメロディと情熱的な血が騒ぐ、好戦的なメタルスタイルにグイグイと惹き寄せられます。真っ向勝負で挑んだヘヴィメタルサウンド。構築美溢れる激奏こそヘヴィメタルなカタルシスの開放であろう。

今の時代、知識があれば、こういった辺境の地のレジェンド達に簡単に出会えます。いい時代になったなぁ。

失恋船長 ★★★ (2020-03-06 13:09:53)