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SCHOOL OF HARD KNOCKS (2020年)
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SCHOOL OF HARD KNOCKS
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解説 - SCHOOL OF HARD KNOCKS
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Recent 50 Comments



1. 失恋船長 ★★★ (2020-03-01 13:57:58)

早い段階から先行公開された①②を聴き、ビフ・バイフォードのソロは無理無駄のない古典ロックへの邂逅になるのかと感じていた。SAXONと言えばNWOBHMを牽引したバンドとして有名だが、正直、個人的にはSAXONサウンド=NWOBHMと思ったことはない。もっと古典的な英国産ハードブギーを下地に速度を高めたのがSAXONだと思うからです。豪快なノリはバイカーズロックなどと呼ばれ愛されましたが、かび臭い地下室サウンドとは無縁だし、あの鋭利に突き刺さるソリッド感はない、そういう意味でも、ムーブメントの立役者ではあるが、もっと大きな意味で括られるバンドだと思う。特に、NWOBHM勃発前に1stをリリース、フォーキーなナンバーからプログレ風味までの、70年代の英国勢からの影響をもろにうけた内容だった。2枚目以降ムーブメントにのり変貌したSAXON、しかし今作から感じ取れる英国流儀、その音作りには並々ならぬものを感じる。1stがそうだったように、叙情味溢れるメロディはWISHBONE ASHだし、参加メンバーのカラーもあるが、KING CRIMSONのカヴァーの実績もあるように、英国プログレ勢からの影響もしっかりと残している。

NWOBHMの牽引者となった伝説のバンドだが、あのムーブメントがなければ、どのような音楽性に進んだのか興味は尽きない。今作におけるオープニングの2曲や、サイモンとガーファンクルで有名な⑥など、初期のスタイルを継承していると言えるだろう。だからこそ③から④の流れにゾクッとさせられるし、ギターソロが北欧風のヘヴィな⑤、今アルバムの中で一番SAXONしている⑦と続くバラエティ豊かな展開に引き込まれる。貫禄のパフォーマンスに魅了される哀愁ハード路線の⑧、湿り気ったぷり、泣かせのトラッドナンバー、WISHBONE ASHのカヴァーで酔わせアルバムの幕を閉じて欲しかったのだが、狙いすぎなアコースティカルなバラード⑩(曲単位ではよいのだが)、サックスも出てきていいんだだけどね、そのせいで⑪が入ってこないという、プチ不満はあれど、先行公開したオールドスクール路線のみならず、古臭くないサウンドプロダクションのおかげで、十分に今のサウンドとして仕上がっているのがポイントです。

スピーディーなSAXONが好きなマニアには物足りなさはあれど、ビフのルーツたる音楽性に触れ、もしNWOBHMがなければ、SAXONはこういう音楽性に落ち着いていたのではと、ふと思い、英国ロックの深淵なる音楽性を覗いた気分ですね。
正直何を歌ってもビフなので、あんまり目新しさがないと感じるのが最大の長所であり欠点なのだが、ビフのファンなら迷わずゲットだろう。




2. HIGASHI ★★★ (2020-03-18 05:28:06)

20年発表の初ソロアルバム。初ながらも彼自身のキャリアを総決算したような仕上がりになっていて、誰と曲を作っているかで曲のカラーがはっきり分かれているのも興味深い。
まずは自身の①、②は初期SAXONを彷彿とさせる軽快なロックナンバーでご機嫌にアルバムはスタートする。続くAkessonとの共作の3曲、特に④は今回のハイライトとも言うべきシリアスで聴き応えのある出来栄えだ!サイモンアンドガーファンクルの名曲⑥はちょっと浮いている気もするが、いい気分転換になっていると思う。
後半のCarterとの共作は今のSAXON風味満載で、ウィッシュボーンアッシュのカバー曲と合わせて3曲一気にブリティッシュの世界にいざなってくれる。音楽的にはアメリカンタイプのバラードの⑩は唐突感は否めないが、これも彼のアメリカで頑張っていた頃の財産であろうから無視できない歴史の一ページだ。そしてラストソングの自身の⑪では“This is my life”と主張するところはいかにも彼らしくて、長年のファンとしては微笑ましい気分にさせてくれる。
中身が素晴らしいので、最初はチープに感じていたジャケットにも最近は親しみを感じてきた(笑)
他人はどう感じるか知らないが、個人的には文句のつけようのない傑作である!



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