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Turn Out the Lights

ギャランティの関係などもありGILLANでの活動は実入りの良いものではなかったと不満も有ったギタリストのバーニー・トーメ。それ以前の活動もあり自身がリーダーとなり動き出したプロジェクトが今作になります。ソロ名義ではありますが。当初からバンドとして運営するも、バーニーのロックンロールライフも災いしたのか、メンバーを固定する事も出来ずバンド活動は暗礁に乗り上げてしまった。それ故に、イマイチ知られていないのだが、バーニーのカタログの中では一番、彼のカラーがストレートに投影された作風とも言われ、マニアの中では一番に押される事も多いと言われる一品。
しかしレコード会社であるKAMAFLAGEレコードが倒産した為に、幻の名盤となり実質、バーニーが版権を買い取り再発される1996年まで、世に埋もれていたのも大きな要因だと思う。また、リリース時の活動にも問題があったのは周知の事実だ。

GILLAN時代からシコシコ作り始めた楽曲群、アルバムのレコーディング中なのか終わったのかは分からないがOzzy Osbourneに参加したのは有名な話。そして完成後にAtomic Roosterへヘルプに出たりと、主役たるバーニー自身が、おぼつかない印象を与えていた。一説にはマネージメントに対する不満や、他のメンバーとの関係性などもあり、止むに止まれぬ事情もあったというが、やはり移り気の多い男との印象が強かった。そうこうしているうちに、ソロをElectric Gypsiesというバンドとして機能させる事となり、今作はスッカリ影が薄いモノへとなってしまった。

アイルランド出身者ではあるが、ゲイリー・ムーアのような泣きの要素も、アイリッシュフレーバーも持ち込まない音楽的志向。どこか尖った印象を与えるルックス同様、刺激的なギタープレイを中心としたロックンロールタイプのギタリストであり、またパンクからの影響も感じさせるタイプだった。パワフルさはあるが、GILLAN時代からランディ・ローズの後任に選ばれるようなタイプとは思えず、今作でも、多様性のある賑やかで騒々しいロックを中心に、裏街道を走るダーティさも加味させつつも、モダンかつアグレッションを有するギタープレイは、バーニー・トーメの個性を全開に披露している。

叙情的な泣きや、胸キュンメロディを愛するが故に、バーニーの示した音楽性にハマる事が無かったのだが、先日、訃報を知り改めて今作と向き合う事としました。今もって印象は変わらないが、彼がランディの後任に選ばれたのは刺激的なルックス&ステージ映えするギタリストしての位置づけもあったんだろうと思う。そしてステージングも腕も悪くなかったからAtomic Roosterに声を掛けられたと思われる。シーンからは遠ざかっていたアイリッシュの悪童。REST IN PEACEです。

失恋船長 ★★ (2019-04-12 20:21:37)


Wild Irish

アイルランド出身で、GILLANやオジー・オズボーン・バンドへの参加、あるいはフィリップ・ルイスと結成したTORME等での活動で知られたギタリスト、バーニー・トーメ死去の報に触れ、「そういえばこの人のアルバムを持っていたよな…」とCD棚を漁って発掘してきた、彼が'96年にソロ名義で発表した作品。(未発表曲や本編とはバージョン違いの楽曲等を収録する4曲入りオマケEP付きの2枚組仕様)
GILLAN以降のキャリアについては殆どフォローしてこなかったので、本作が彼の何枚目のソロ・アルバムなのかは不明。ただ表題含めて原点回帰を志向しているというか、非常に「らしい」作品に仕上がっていることは間違いありません。トーメ自身が兼任する、感性に任せてインプロヴァイズしまくる破天荒なGプレイと、味勝負のヘタウマVoを基軸に、トリオ編成の強みを生かしてシンプル且つ骨太に押し出して来るロックンロール・サウンドは、例えば「アイリッシュ」と聞いて期待してしまう、ゲイリー・ムーアの名曲“望郷の果て”に代表されるような、彼の地の大自然を想起させる美しさとか雄大さとかとは無縁。その代わりここには、口が悪くて喧嘩っ早く、酒と音楽をこよなく愛する(まさに『ワイルド・アイリッシュ』な)下町グルーヴはパンパンに詰まっている気がしますよ。また荒くれているようで、幕間から不意に顔を覗かせる哀愁に胸打たれる⑥や、ヘヴィに揺らめく7分以上に及ぶ大作ナンバー③のカッコ良さなんかもなかなかのもの。
やはり今聴いてもストライク・ゾーンど真ん中の音楽性とは言い難いのですが、それでもバーニー・トーメというギタリストに備わった強烈な個性は十分に伝わってくる1枚です。

火薬バカ一代 ★★ (2019-04-11 23:53:58)