このバンド80年代を代表するAOR系サウンドの旗手と言っても大袈裟ではありません。デビュー作である、今作もセルフタイトルをつけるに相応しいモノであり、ジェリー・フルジックとビル・ケリーを中心に結成された、このバンドは最初から素晴らしい作品をリリースしています。 西海岸風と言える爽快さと、大地に根を張るアーシーさ、そこにクラシックなAORをブレンドした、TOTOやSTYXなどに通ずるスタイルを築き上げています。まずはオープニングの「If It Takes All Night」、爽やかですねぇ、弾けていますよ、でもしっかりとした枠組みを作っています、土台がしっかりとしていますよね。素晴らしいメロディーとヴォーカルハーモニー、その組み合わせの美しさに、ダコタの魅力を感じます、ちょいビンテージ集を漂わせる鍵盤プレイもアクセントになっていますねぇ。サビメロなんて一発で頭に残るでしょう。渋いねぇ「クレイジー・フォー・ユア・ラヴ」は、ゆったりと穏やかに流れるAORサウンド、スッと滑らかなに溶け込んできます。必殺のバラード「You Can't Live Without It」。「One Step」のサビメロに胸キュン、ギターサウンドも歪ませていますねぇ。スローなイントロから一転、メロディックなロックサウンドへと展開する「Restless」強力なフックのあるメロディが全体を支配、実に印象的な一曲です。再発盤にはボートラが2曲収録されていますが、これは実に美味しいオマケになっています。本編と比較しても一切遜色のない名曲、むしろ、これがあるからより作品の質を向上していると言えます。次のアルバムにも通ずる、哀愁のある歌が胸を締め付ける「The Higher You Rise」はこれぞダコタと言いたくなります。THE AORロックですよ。80年代という時代を見据えたロマンティックなAOR系ロックナンバー「Give Love Another Try」ベタですがベタには叶いませんよ。