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1. 失恋船長 ★★ (2018-03-26 13:07:52)

ハードな方向に進みたい石原慎一郎とレコード会社の期待に応えようとする西田昌史との軋轢が原因で解散の道に進んだ、老舗国産バンドのEARTSHAKER。以前から精を出していた楽曲提供やプロデュース稼業を行うマーシーこと西田昌史でしたが1996年に、盟友とも言えるドラムの工藤や、旧知の仲である藤村幸宏らとバンドを結成したのがコチラです。
時代は1996年、ラフな服装に身を包むメンバーショットを見れば、何となく音も聞こえてきそうですが、あえてEARTSHAKERで培った方法論は排除、生っぽい90年代中期ならではのロックサウンドで勝負。その質感の違いを嗅ぎ取るシェイカーファンにとっては、情緒のなさにガックリと膝をついたでしょう。
でもこうして時が経ち免疫が出来ると、これが以外と悪い組み合わせでない事に気がつきます。つまりマーシーの歌メロには、彼の味が随所に出ているし、方向性を変えただけで、魅力的なメロを歌っているのだ。工藤のドラムはパワフルだし、やはり藤村の変態的なスケールの運用など、聴かせる場面も多い。ただ、どこかオジサンが背伸びをして無理している感は、音に漂っている事実は拭えないのですがね。そこは嗜好の問題で、マーシー節を聴きたいファンにとっては、けして駄作と切り捨てる事は出来ないでしょう。

でもシェイカーサウンドを求める方は、素直なアレンジが耳を惹くロッカバラードSpread Wingsに幻影を追い求めてしまうでしょうね。罪作りなアルバムですよ。古い作品ですが中古市場でも安価で売られています。シェイカーファンならもう一度トライするのも一興でしょうね。



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