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CLOAKS OF OBLIVION (2017年)
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CLOAKS OF OBLIVION
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解説 - CLOAKS OF OBLIVION
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Recent 50 Comments



1. 失恋船長 ★★★ (2017-06-19 13:40:39)

2004年から活動を開始したスロベニア出身のバンドがリリースした3rd。スタスタスタターンと小気味よく刻まれるドラムとクランチーなリフワークが醸し出す往年の空気、発声法とマイク調整に頼らない、歌い込めるシンガーの咆哮と懐かしい響きを現代風にアップデートした音楽性は、スラッシュ風味もあるが、ストロングなパワーメタル色も強く、ありそうであまりないVICIOUS RUMORS、METAL CHURCHといった陰影をクッキリと映し出したクールでダークなUS産パワーメタル系バンドの色が強く滲み出ており、緩急を効かせたツインリードのメロディックなフレージングは、押しあい、へし合いとせめぎ立てながら、感情の起伏を巧みに表現しています。激しくも美しいドラマ性、まさにメタルな世界観を見事に構築した音楽性は、実に堂に入った貫禄があり、ヘヴィメタルここにありな、精神性が強く反映されていますね。
ある種の伝統芸能を実直に引き継ぐ姿勢、それは、もとを辿ればNWOBHMだろう。そこにJP仕込のアグレッションを加味し、ドラマ性の高いアレンジとスピーディーな曲調にメロディを乗せる、あの手法だ。親しみやすさとは別のシリアスで閉塞感のある世界観に息も詰まりそうな緊張感を味わいジックリと耳を傾けて欲しいです。保守的な音楽性だが、しっかりと今を伝える事を忘れていないのが最大の肝でしょうね。アメリカ追従のトレンド主義ではない、地に足を着け今の時代をしっかりと生きている。そこが最大の聴きどころでしょう。
紅一点のキュートな女性ベーシストの存在も、むさ苦しい男子ばかりの工業高校に通う、丁度良い感じのルックスを持つ女生徒のようで、エエ感じで華を添えていますね。
全然違うのですが、個人的には何故か古井義明時代のユナイテッドを思い出してしまった。辞めてなければこんな感じになっていたんじゃないのかな?なんてフト思いましたね。




2. 火薬バカ一代 ★★★ (2018-04-16 23:01:51)

中央ヨーロッパに位置するスロヴェニア(小学校で習った当時、あの一帯はユーゴスラビアと呼ばれていましたっけね)出身のHR/HMバンドとしては、初めて正式に日本デビューを飾ったと言われる、女性ベーシストを含む5人組が'17年に発表した3rdアルバム。
てっきりスラッシュ・メタル作品と思って購入に踏み切った本作でしたが、ここで実際に聴けるのは、モダンな感触も宿した音作りやアレンジの下、噛み付くような歌唱から朗々とした歌い上げまで柔軟にこなせる逸材Voの存在といい、ツインGが豊かに奏でるメロディといい、5~7分と尺が長めに取られている曲展開といい、どちらかと言えばパワー・メタル寄りの音楽性。アメリカン・パワー・メタルに、スラッシーなエッジと疾走感、それに如何にもヨーロピアンHM然とした翳りと憂いを湛えた旋律美、ドラマティックな曲展開を加味したサウンドは、失恋船長さんのご指摘の通りMETAL CHURCH、あるいはHEATHEN、近年だとSAVAGE MESSIAH等のバンドを彷彿とさせます。
叙情的な序曲①から疾走曲②へと繋げる欧州HMならではの様式美に満ちたOP構成や、デヴィッド・ウェインとカール・アルバートを足して2で割ったような声質のシンガーの歌唱力が映えるミッド・チューン③、ATLANTIC時代のVICIOUS RUMORSばりのスピード・ナンバー④、スラッシュ・メタル然とした攻撃性とパワー・メタルならではの豊かなメロディを併せ持って畳み込む本編屈指の名曲⑥、各メンバーの技量の粋が集められた大作⑨といった楽曲は、そうしたバンドの強みを端的に示しているのではないかと。
「メタル後進国でしょ?」等と舐めて掛かる輩に強烈なカウンターを食らわされる1枚。



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