メタルチャーチを世に送り出した事で知られるGround Zero Recordsからリリースされたコンピ作。参加バンドの大半がマイナー過ぎてメイスとメタルチャーチ以外は初見というラインナップに不安もありましたが、聴くに堪えないというバンドはなく流石はアメリカのバンドはレベルが高いなぁと感じましたね。リリース時が1984年と言う事もあり、L.Aの風はまだ吹いておらず、多くのバンドがオーソドックスな正攻法で勝負、NWOBHMの影響も多大にあるが大陸的なグルーブ、清々しい気配もあるが濁りのあるブルージーさなどアメリカンな響きが何とも懐かしく、まだ何者にも毒されない純粋培養されたソリッドなあの音が聞こえてきます。 統一感はあれど派手さに欠け、これと言った決定打がないまま進行するコンピ作にありがちな展開故に初心者には進める事は憚れますが、メイスの『Marching Saprophytes』なんて、ドラムがボーカルを兼任しており、のちのデビュー時とラインナップも違うので興味の惹かれるマニアも多いでしょう(後にシンガーとして収まるカークはここではベースを弾いています)。どう見てもサトウとしか読めないSATOのベースはアリスインチェインズのマイケル・スターだったり、メタルチャーチの『Death Wish』もオリジナルアルバム未収録と思われるので希少価値もありそうですよね。群雄割拠ひしめき合い天下統一を目指しシーンの隆盛を極めんとする各バンドの野心溢れる荒削りな楽曲を前にニヤニヤするのもマニアの楽しみの一つ、1988年にはSPVからCD化もされた一品ですのでマニア筋には引っかかる要素もありですかね
1. Lipstick / Daily Ground 2. Open Fire / Cry for the Nations 3. Koda Kahn / Fantasy & Science Fiction 4. Overlord / On the Edge 5. Rottweiller / Intense as Hell DISC:B 6. Bondage Boys / The Loser 7. Sato / Leather Warriors 8. Strike / Deadline 9. Mace / Marching Sacrifice 10. Metal Church / Death Wish