ハードなギターが鳴り響くサウンドといきりまくったラップが飛び交う曲を中心としたアルバム。シングルとして発表されたラッパ我リヤをフィーチャーした必死でリリックを覚えまくった「Deep Impact」、とにかく騒げという雰囲気のHIP-HOPとロックを掛け合わせた「Amploud」の2曲からしてもそうだ。アルバム曲も社会風刺を交えたリリックが印象的な「21st Century Riot」、サビで一気にハードに爆発するがメロディはキャッチーな「百合の咲く場所で」など冒頭で言った通り、ハードに仕上がっている。しかし、1曲1曲の出来は前作よりも高く勢いを感じる。また、ハードな曲が多めな一方で聞かせる曲も多少はある。特に、アコースティックなサウンドに合わせて日常的なリリックを歌う「静かな日々の階段を」は聞かせる類のDAの曲の中ではトップクラスに位置する曲だと思う。個人的にはこのアルバムがDAのアルバムの最高傑作。
速くないメタルは嫌いと言う事で、お知り合いからタダ同然で譲り受けたメタリカの最新作。ブラックアルバム以降、自力でアルバムを買った事のないワタクシですが、今作は名盤ブラックアルバムの流れを順当に引き継いでいるのは明白で、無駄な装飾を省き実にソリッドでオーソドックスなサウンドへと向かっています。自身が築き上げた様式を再構築、オーセンティックなスラッシュナンバー①、普遍的なメタルスピリット溢れる②と掴みはOK、ヘヴィなグルーブが心地よい③、シンプルに聞こえるが拘りの場面展開が初期の頃をダブらせる90年代以降のメタリカな④と流れ良く進み、安易な過去の焼き回しや、○○風で終わらない飽くまでも挑戦的な姿勢は流石の一言。 何故2枚組みなのかはよく分からないが、実は通して聴かないで分けて聴くとダレる事無くスッと聴けるから不思議なものですね。2枚目のラストに収録される『Spit Out The Bone』のカッコよさ足るや、クールなメタリカを存分に味わえますね。最近、パープルのトリビュートやロニーのトリビュートに寄稿したレインボーメドレー、メイデンのカヴァーなど、その影響があったのか、ここまで正統性の強くメタルナンバーをやってくれるとは夢にも思わなんだ。 メタリカがスラッシュメタルバンドだったのは80年代の話、25年以上も前の事である。そろそろ、その呪縛から解き放たれてほしい。それでなければブラックアルバム以降が何だったのかって事になりかねないのでね。 ボン・ジョヴィしかり、エアロスミスしかり、メタリカも、その存在がジャンルだと思いますので、それほど世界的成功を収め誰にも属さないオリジナルティを高めたのですからね。 個人的にはウンコみたいなC級、D級メタルを愛する貧乏耳ゆえに、今のメタリカは高尚過ぎるので熱心に耳を傾ける音楽性にはなりませんが、このタイミングでど真ん中のメタルスピリットを貫いてくるとは思いもしませんでした。そんなに激烈に走らなくともヘヴィだし十分スリリングだし、楽曲、演奏もタイトで無理なく設計されていますよ。