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THE MAGIC WHIP (2015年)
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THE MAGIC WHIP
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解説 - THE MAGIC WHIP
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1. 帰ってきたクーカイ ★★★ (2015-06-16 21:10:41)

 今年の上半期で最もリリースが嬉しかった作品の1枚である(もう1枚はHelloweenの新譜。こいつも名盤だ)。

 前作はあのクソ忌々しい「COPY CONTROL CD」で2003年にリリースされた『THINK TANK』なので、12年ぶりのスタジオ・アルバムだ。そりゃ、驚くよな。当時8歳だった子供が成人している時間幅だから。リリースを知って、本当に吃驚した。

 音楽性にも驚く。本当に掛け値なしに素晴らしい。前作が、「これはこれで進化しているし、良いように思うよ。これがラストでもまぁ良いんじゃない。グレアムも辞めたし、しょうがねぇよなぁ」的な名作だったのに対し、本作は「これがラストでも構わん。こんなのが作れちゃあアーティスト冥利につきる」的な名作だ。
 音楽的な会話がなされていることが伝わってくるし、これまでの諸作で聴こえてきた「これがBLUR」というメロディが、本当に自然に聴こえてくる。予想外に素晴らし過ぎる集大成的なアルバムだ。あの、3rdまでの方法論がバブルに弾けて袋小路に突き当たった4th、グレアムが切れて逆のベクトルに振り切った5th、穏やかさと神経症的な苛立たしさが同居した不思議な6TH、とうとうグレアムがいなくなり、デーモンの世界観で進化を図った7TH、そしてそれ以降の各々の音楽的冒険が、1st~3rdの名作群と共に俯瞰されるようだ。
 もう一度書くが、もしこれがBLURのラスト・アルバムだったとしても、ファンの一人として何の悔いもないな。ま、俺が「悔いが無い」と書くのもおかしいのだが。
 傑作。



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