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解説 - TACHYON
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1. 火薬バカ一代 ★★★ (2015-04-21 22:13:49)

MOON DANCER活動停止後、厚見麗(Vo、Key)と沢村拓(G)が、新たにグレッグ・リー(B)、ガイ・シフマン(Ds)のアメリカ人リズム隊と共に結成したTACHYONが、プロデューサーにミッキー・カーチス(!)を迎えて'81年に発表したデビュー作。
ニュー・バンドと言っても、サウンドの基軸となるのはMOON DANCER時代と同じく万華鏡の如く煌く厚見のKeyプレイなので、プログレッシブ・ロックという大枠に変化はなし。ただメンバー全員が平等に曲作りに参画し、よりモダンなアプローチが試みられている収録楽曲からは、初期QUEENばりのドラマ性は大きく後退(ついでに少女漫画的なビジュアルからも卒業)。代わって増強されているのが、トロピカルな②で聴かれる沖縄音階、④に取り入れられたレゲエのグルーヴ、更に⑤を妖しく包み込む中近東テイスト・・・といったワールド・ミュージックな要素。
厚見が曲作りをほぼ一手に担ってたMOON DANCERの音楽性の方が、ドラマティックな統一感があって好みっちゃ好みでしたが、そのMOON DANCERに通じる①から、題名に相応しいスケール感を湛えた⑨に至るまで、腕利き揃いのメンバーが、高度な演奏技術/深みのある表現力を生かして縦横無尽に駆け巡る本作のクオリティにだって決して文句はないわけで。
《このサウンド・ラッシュに、君はもうタキオン粒子になるしかない》という、言葉の意味はよく分からんがとにかく自信満々に断言してくる帯の惹句に、思わず「なるしかない」と同意してしまう1枚。



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