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Non Cogitant Sed Tamen Sunt (Usher-to-the-ETHER)


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Non Cogitant Sed Tamen Sunt

2014年発表の2nd。
バンド名は「神の子を代理する」という意味だとか。

この作品、Rawなブラックメタルの中においても、一際目立つような苛烈な音作りですね…。それこそULVERの「Nattens Madrigal」やNARGAROTHの「Regens~」辺りに匹敵する、耳を劈くようなノイジーさ。ただこのバンドが稀有なのは、ノイジーな中に響くトレモロリフのセンスが、これらの作品と比較しても劣らないほど素晴らしいことですね。メロウさや悲壮感に満ちていながら、ブラックらしい神秘性に満ちたメロディはブラック好きならば一聴で虜にされてしまうでしょう。

ただ、前述したバンドが極端に粗い音質とミニマリズムを融合させていたのに対し、このバンドの楽曲の展開は印象深いメロディを伴う疾走を軸に据えた、かなりドラマティックなもの。確かに、先人達の音の方がエポックメイキングだったとは言えるんですが、聴き手の好みによってはこちらの方をより気に入る可能性も大いにあると思います。割とマイナーなバンドながら、前述したような、ブラックメタルというジャンルのランドマーク的な作品にも肉薄出来る魅力のあるアルバムを作り上げたのではないでしょうか。

余りにも苛烈でRawな音は明らかに聴き手を選びますが、こういう辛口な音質でも行ける人は是非。メロディセンスは素晴らしいですし、鼓膜にダイレクトアタックな音ながら結構メロディを前面に出してくれるので、最初の印象よりは聴きやすく感じるかも。

Usher-to-the-ETHER ★★★ (2014-10-01 20:08:39)