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1. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2014-04-26 23:37:47)

2014年発表の3rd。

Vyl氏参加、KEEP OF KALESSINを思わせるハイクオリティな作風…と、ショップでもかなり大きく扱われていて、試聴してみたら一発で気に入ってしまいました。まず素晴らしいのは、ショップでの売り文句「KEEP OF KALESSINを思わせる」が全くハッタリに聞こえない、ギターワークで聴かせるメロディック・ブラックとしての超クオリティっぷりですね。

スラッシュメタルをベースとした豪速の刻みリフを随所に混ぜつつも、ブラックらしい繊細なメロディのトレモロを織り込んだ、下手にヘヴィさに頼ることなく、フレーズの細やかさ、華やかさで聴かせるギターワークは、正にKEEP OF KALESSINが提示した様式を踏襲したスタイル。そのテクニカルなギターワークにピタリと連動し、緊張感を跳ね上げるVyl氏のドラミングも合わせて、バンドのアンサンブルを聴いてるだけで恍惚となれます。

但し、DISSECTIONのブリザードリフを思わせる寒々しいパートもありますが、左右のギターをクラシカルなメロディでハモらせたり、メロブラとしてもメロディアスさが破格な上に、メロディの方向が土着性や邪悪さよりも、叙情性や華美さの方に向かっているため、本国ではTV出演すら果たしたKOKと比較しても、ブラックとしての邪悪さは希薄。KOKよりも、更にメロデスに近い音を出している印象。

邪悪でカルトなブラックも好きですが、個人的にはこういう甘美なギターワークでうっとり出来る高品質なブラックもまた素晴らしいと思います。エクストリームメタルとしての緊張感は随一ですし。非マニアなブラック好きや、メロデス愛好家にもお勧め。かなり素晴らしいです。



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