本作こそ、ゼップにもっとも近い精神性をもった作品だ。 この煮え切らない、サビという明確なサビがない、非常にもったい ぶったパフォーマンス。 ゼップの最終章IN THROUGH THE OUT DOORの完成形がここにある。 これこそブルース、完全に板についている。 デビュー作にて、これは奇跡だ。 この作品に溺れると、同時期の全てのHM/HRアルバムが霞んで見える から怖い。 ハードロックの原点ここにあり。 BLACK CROWES が非HM/HRに分類されていることが、何よりも残念だ。
印象的なKeyリフを纏ってシャープに疾走する“SHOT IN THE DARK”と、国産HR/HM系バラードの最高峰と評すべき逸品“SHOCK WAVES”という二つの名曲を収録し、ファンからも「HMバンド」VOW WOWの代表作として高い人気を誇る'86年発表の3rdアルバム。 アメリカンな色合いが強く打ち出されていた前作『CYCLONE』に比べ、メロディの湿り気やドラマ性といったブリティッシュ・テイスト(日本のバンドですが・・・)の大幅回復が図られた本作には、曲名通りのアーバンで洗練された雰囲気が心地良い“NIGHTLESS CITY”や、哀愁のHRナンバー“SIGN OF THE TIMES”、劇的にラストを締め括るバラード“PAINS OF LOVE”といった優れた楽曲が顔を揃えているわけですが、やはり何と言ってもトドメとなるのは、“SHOT IN THE DARK”と“SHOCK WAVES”という超ド級の名曲の存在。 特に、壮絶に泣きまくるG、魂を燃焼させるような絶唱を振り絞るVo、全編を壮麗且つ悲壮に彩るKey、そして熱く激しく脈動するリズム隊とが一体となって、呼吸困難を催さんばかりの息苦しい盛り上がりを演出する“SHOCK~”は、何度聴いても涙ちょちょ切れる至高の逸品。 未だこの名曲を聴いた事がないHR/HMリスナーは、確実にミュージックライフで大損ぶっこいてますよ!