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SCARS (2013年)
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SCARS
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解説 - SCARS
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1. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2013-08-31 16:29:29)

2013年発表の1st。

プリミティブブラック的な音から始まり、次第にサイケ色を増していったNACHTMYSTIUMですが、こちらは少々毛色の異なる音を出していますね。アメリカの初期ブラックやウォーブラックの延長、もしくはカスカディアン/アトモスフェリックブラックの延長とも取れるような、意図的に篭もり感を演出し、オブスキュアなノイズに包み込まれるようなバンドサウンドに、時折神秘的で瞑想的なキーボードを絡めてくる、新旧ブラックの良い所取り…といった感じの作風。

…なんですけど、個人的にはちょっとEMPERORの1stにも共通する、邪悪な寒々しさを感じるんですよね。キーボードの神秘性のみならず、要所で登場するサタニックなトレモロ、適度に篭もったバンドの音、ブラストだけに頼らず、その煙る音の中で心地良く炸裂するスラッシーなリズム、そして「グアアアア!」系の生々しい絶叫と、かの名盤を思わせる要素がそこかしこに鏤められている感じ。6曲目「Wrath and Revenge」のトレモロのメロディなんてモロだと思う。

ただ、やはり近年のNACHTMYSTIUM譲りの音像重視の音作り、サイケデリックな作風も少なからず混じっていて、私としてはNACHTMYSTIUMの「Instinct : Decay」とEMPEROR「The Nightside Eclipse」を足したような作品、という印象があるんですよね。サイケでドゥーミーな大作のタイトル曲なんかは、特にEMPERORとの共通性を感じる部分はない作風ですし。

カスカディアン勢を始め、最近のアメリカ大陸産のブラックって、既存のブラックに捕らわれない、進んだ感性を持つバンドが多い印象ですが、そうした感性を感じさせつつもブラック本来の邪悪さ、ミステリアスさを感じさせてくれる良盤。NACHTMYSTIUMで言うなら、「Instinct : Decay」「Silencing Machine」の路線に共感を覚える方にお勧め。



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