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1. 火薬バカ一代 ★★★ (2013-05-23 21:58:35)

HARLAN CAGE等の活動を通して、日本のメロディアスHRファンから篤い信頼を得る哀メロ職人、L.A.グリーン(Key)とロジャー・スコット・クレイグ(Vo)のコンビが在籍していた事でも知られるバンドが'85年にリリースした、最初で最後のフル・アルバム。(国内盤の邦題は『聖未来』だったか)
グリーンとロジャーがメイン・ソングライターを務めているため、音楽性はHARLAN CAGEのそれと同一線上にある、歌心に溢れたVoと、ツボを押さえたGが紡ぎ出す洗練された泣きメロに、分厚いボーカル・ハーモニー、そしてキャッチーなKeyをたっぷりフィーチュアした美しき産業ロック・サウンド。
但し「HARLAN CAGEのアルバムだってここまで楽曲は粒揃いじゃなかったぞ!」というぐらい収録曲の平均レベルはバカ高く、取り分け、BON JOVIの名曲“RUNAWAY"を思わせるKeyのイントロ・リフだけで「掴みはOK」となる①、プログレ・ハード的な壮麗さを纏った、ドラマティックなアルバムのハイライト・ナンバー②、スマッシュ・ヒットを記録した、サックスの調べも印象的に残る甘やかなバラード③という、冒頭の名曲3連打は圧巻です。
本編後半も、メロメロに泣きまくる胸キュンもののバラード⑧、PRAYNG MANTISにも通じる哀メロが華麗に舞う⑨といった楽曲を山場に、名曲・佳曲が目白押しで、最後まで一時たりともテンションが下がることはありません。
長らく再発がかからずに、マニアの間で幻の名盤とされていた本作ですが、'04年に「リリース20周年」を記念して、未発表のライブ音源3曲を追加収録したリマスター盤が目出度く再発。また廃盤になってしまう前に是非とも購入して家宝にして頂きたい1枚です。




2. 失恋船長 ★★★ (2014-10-04 21:09:38)

オープニングから華やかなキーボードも分厚いコーラスワークも全開、キャッチーな歌メロも印象的だし哀愁を含んだフックに富んだメロディと、何を聴かせたいかが明確に伝わり奇をてらわないアレンジは安心感を生み、その胸キュンメロディの数々に心が洗われるでしょう。バラードは切なく、そして温かみもあり優しく抱きしめてくれるハードサウンドはメロディ愛好家の涙腺を刺激し続けるでしょう。やや類型的でハードさに欠けるサウンドメイクに物足りなさも覚える趣もあるでしょうがカラッとした哀愁と透明感、嫌みのない素直さは押し並べてクオリティの高さを保持していますね。アメリカンなプログレハード風サウンドに叙情性と大衆性を加味した一代叙情詩、このバランス感覚が素晴らしい。美しいメロディに酔いしれたい方にはおススメの一枚です。


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