STYXは優れたバンドである。その魅力は、メロディアスな曲にある。STYX初期(CRYSTAL BALLまでの6枚)は、プログレの影響を強く受けた楽曲が多いものの、そのメロディアスな路線に優れている片鱗を聴かせた。GRAND ILLUSION('77)では、プログレ感覚を残しつつ、よりタイトに、ドラマティックな路線へと変更して成功を収めた。この路線にあるGRAND ILLUSION~CORNERSTONEに至る3部作には、優れた名曲が生み出され、ヒットチャートの常連になった。Dennis De Young、Tommy Showの優れたソングライターがいたのも重要である。わかりやすいメロディ、曲構成の旨さは、産業ロックのお手本と思う。だからこそ、80年代のPARADISE THEATER、KILROY WAS HEREという名作は、コンセプトアルバムなのに、とっつき易く、楽しくて、しかも聴き心地のイイ内容に仕上がったのだと思う。90年代の2度の復活劇も無論、ソングライティングの良さを確信させたアルバムである。 STYXの代表曲:Lady、Sweet Madam、Crystall Ball、Come Sail Away、Miss America、Blue Colour Man、Boat in the River、Babe、The Best of Times、Mr.Robot、Don't Let It End、Love Is A Ritual、Show Me The Way、Brave The World
STYXは最近沢山のライヴアルバムをリリースしている。「Return To Paradise」、「Styx World Tour 2001」、そしてREO SPEEDWAGONとの競演作「Arch Allies Live At Riverport」がそうだ。これらのアルバム、どれを聴いても素晴らしい。思いっきりロックしているし、メンバーが楽しみながら演奏しているのが音から聴き手に伝わってくる。正直言ってSTYXは大人しいバンドだと思っていた。しかしこれらのライヴアルバムを聴いて考え方が180度変わった。STYXはロックだ!しかも底抜けに楽しいライヴバンドだ! 個人的には「Return To Paradise」がお勧めです。昔のSTYXしか知らない人に聴いて貰いたい。今の彼らを。