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THE HOUSE OF ATREUS: ACT I (1999年)
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THE HOUSE OF ATREUS: ACT I
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解説 - THE HOUSE OF ATREUS: ACT I
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Recent 50 Comments



1. えが ★★ (2006-01-02 20:17:00)

1999年。傑作「INVICTUS」に続く9thアルバム…なのだが、22曲(!)の収録曲中、3分を超える曲は半分以下の10曲。ギリシャ神話をモチーフにして場面展開の多いドラマを描こうとしたのだろうが、つなぎの小曲(語り、インスト含む)が入り乱れてアルバムの流れはとにかく悪い。印象に残るのは01、03、15あたり。中盤はダレます。
次作への過渡期的作品。



2. ゴリャートキン ★★ (2008-08-12 06:37:00)

1999年11月発表の通産9枚目。マリッジ3部作に続く「アトレウス2部作」の第1弾。
ストーリーもののコンセプト・アルバムで、マリッジ3部作とは違い、小曲やインストが散りばめられた全22曲という構成。
そのための取っ付きにくさは確かにある。日本盤が出ず、物語の概観をザッとつかめない辛さもある。
歌のスタイルは前作に続いて表現優先で、裏声や威嚇シャウトを多用している。
ただ前作はストレートな楽曲も多かったのに対し、本作はドラマ重視なムードなので、その歌のスタイルは前作よりはハマっているのではないか。
1曲目サビの力を抜いた歌唱などには不満もあるが、アルバム全体を見ればB!誌レビューでの「腑抜けヴォーカル」という酷評は不適当と思う。
事実、本作は前作に引き続いて欧州での彼らのステータスを高めたアルバムなのだ。
楽曲のスタイルとしては、黒いジャケットのイメージそのままのダークな雰囲気に満ちている。
スピード曲は少ない。アップテンポの曲もあるのだが、厳めしい曲調のために重々しく聴こえる。
理由はリフだろう。前作はアグレッシヴながらもノリの良い、いくらかシンプルなギターリフが多かった。
一方、本作のリフはやたら緻密で、ガリガリと唸りをあげている。
ストーリーを理解したうえで対峙するなら、本作には無駄な楽曲は一つもない。どの曲もクオリティは高い。
しかし、小曲やインストが連続するパートもあるし、最初のうちはフルで聴くには忍耐もいるであろう。
ちなみに全22曲中、7曲が1~2分程度のインスト、4曲が2分程度の歌入り小曲。
そしてアルバム2曲目がセリフと歌が交互に出てくる変則的な曲というのもクセモノだ。
であるので、新たに本作を買おうという人や、好きになれなくて長いこと放ったらかしにしていた人のためにオススメの曲を列挙してみたい。
歌入りの「普通タイプ」の曲は、1、3、7、8、10、12、15、18、19、20、21なので、この11曲をプログラム再生して聴くのを勧める。
1曲目「Kingdom of the Fearless」は劇的な構成の、長めのスピード曲。
3曲目「Through the Ring of Fire」は吐き捨てシャウト系のサビがカッコ良い。
7曲目「Return of the King」8曲目「Flames of the Black Star」はミドル~アップテンポの、ダークな雰囲気のリフ・ソングだ。
10曲目「And Hecate Smiled」は短めの曲で後半はインスト。12曲目「Child of Desolation」はギターソロの素晴らしいバラード。
15曲目「Great Sword of Flame」は強烈な爽快感のあるスピード曲。
18曲目「Fire God」は元々は80年代にカナダのスピード/スラッシュ・バンドPILEDRIVERに提供したアグレッシヴな曲。
19~21曲目「Garden of Lamentation」「Agony and Shame」「Gate of King」はメドレー的な流れの、本作のクライマックスだ。
取っつきにくさはあるが、良い曲があるのは事実。ライブの定番曲も多い。
本作は、ドイツの演劇監督から「歌劇用の脚本と曲を書かないか」と請われたのがキッカケだった。
そしてこの「アトレウス2部作」は実際に舞台化されてドイツで何度も上演されている(マリッジ3部作もその後に舞台化。タイトルは「反逆者」)。
ちなみに元々デヴィッド・ディフェイズは演劇一家に生まれ育っている。



3. ゴリャートキン ★★ (2008-08-12 06:45:00)


歌詞について
ストーリーは、トロイ戦争最後の戦いから始まる。
ギリシア連合軍の総大将、アルゴス王(ミケーネ王)のアガメムノンは10年続いたトロイ戦争についに勝利する。
狼煙のかがり火は山を連なり、ギリシア全土に勝利が知れ渡る。しかし王妃クリュタイムネストラはアガメムノンの帰還をまったく望んでいなかった。
試練の炎の輪(トロイ戦争)をアガメムノンはくぐりぬけたのだ。一方、トロイは徹底的に破壊された。しかしアガメムノンは本当に勝利のただ中にいるのか。
王の帰還をアルゴス市民(Elders)と王女エレクトラは讃える。アガメムノンは武神の加護(Flame of the Black Star=ヘラクレスの矢)ゆえの勝利と語る。
しかし王妃クリュタイムネストラこそ、武神の加護を頼みつつ、王への憎しみを募らせている最中であった。
不吉なムード(インストNarcissus:ナルキッソスは水面に浮かんだ自分に懸想し、転落して溺死した)の中、王は自分の邸宅に足を踏み入れる。
アルゴス市民はトロイ戦争の意義に疑問を持ち始め、アルゴスにも応報の破局がもたらされるのではと不安がる。
アガメムノンは、トロイ王女カサンドラを攫ってきていた。カサンドラは予言能力を持つと同時に、その予言は誰にも信じてもらえないという呪いを掛けられていた。
いまや王の愛妾に身を落としたカサンドラは自分の死を悟る。そのカサンドラは輪廻転生を繰り返す女、エマレイスの生まれ変わりであった(G Minor Invention)。
そして、ついに神罰がアガメムノンに下る。王妃クリュタイムネストラとその情夫アイギストスは、王のバスタブを血で赤く染める。カサンドラも一緒だ。
(しかし一体、何が神罰なのか。アガメムノンの曾祖父タンタロスは神を饗宴する際になぜか自分の息子を料理してふるまってしまった。
神に人肉を食わせたという大罪を犯したのだった。それゆえ「罪を犯し続ける」「血を流し続ける」という呪いを掛けられた家系なのである。
さらにアガメムノンの父アトレウスは弟のテュエステスと反目、その後、仲直りの饗宴と見せかけテュエステスの子を密かに惨殺し、それを料理に出している。
テュエステスは復讐を誓い、神託に従って自分の娘ペロペアと近親相姦し、アイギストスをもうける。
その後ペロペアはアトレウス妃となり、アイギストスは養子なったが、真実を知ったアイギストスはアトレウスを暗殺し、テュエステスを王位につけた。
しかしアトレウスの子アガメムノンはスパルタの力を借りてテュエステスを追放、アルゴス(ミケーネ)を取り戻した)
これがアイギストスの復讐の物語である。そしてクリュタイムネストラにも憎しみの理由がある。
もともとクリュタイムネストラはアガメムノンの従兄弟に嫁いでいたが、その夫を殺し、アガメムノンが奪ったのだった。
そしてクリュタイムネストラの娘イピゲネイア(一説には前夫との間の子)は、トロイ戦争の出征時に神への供物として殺されていたのだ。
アイギストスは父に、クリュタイムネストラは娘に、復讐の遂げられたことを報告する。
しかしこれは新たな新たな復讐の種を生んだのであった。その主は「母によって父を殺された」娘エレクトラと息子オレステスだ。
憤怒に満ちたエレクトラは炎の神に「罪人どもを焼き殺せ!」と祈願し、同時に幼き頃の母を思い出し悲しみにくれる。
この悲しみを歌った「Garden of Lamentation」の素晴らしさはただ事ではない!
そしてアルゴスでは、復讐に半生をささげてきた怒れる王アイギストスの圧政が始まる。一方でクリュタイムネストラはこの呪われた王家の血を制御したいと願う。
アルゴス市民、そしてアルゴスを脱出したエレクトラとオレステスの姉弟は絶望の中で、いつの日か敵に打ち勝つことを誓う。
ラストのインスト「Via Sacra」とは英語で「Sacred Road」の意。姉弟の復讐の道は次作へ続く。



4. ゴリャートキン ★★ (2009-02-11 11:51:00)

訂正。
その後、アイスキュロスの「アガメムノン」を読んでみたが、エレクトラはアルゴスに残っていた。
オレステスがアルゴスから脱出したのか、事件時にアルゴスでいなかったのかなどは不明。
また、14曲目"Days of Wrath"を神罰と見なしたが、少し不正確。
確かに神の怒りを買ったタンタロスの事件があり、呪いをかけられていたのは事実。
だが、クリュタイムネストラの策謀によってアガメムノンが神の怒りを新たにも買っていたのだ。
それは、真紅の絨毯に土足であがったこと。
戦勝者なら当然、と妃に勧められるままに土足であがってしまった王だが、これが神の怒りを買ったという。
現代のイベント時のレッドカーペットの習慣はここから来るのだろうか。
衣料が貨幣ともなるような時代においては、畏れ多いほどの贅沢なことだったようだ。
これにより、アガメムノンは神の加護を失ったという。


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