1982年5月3日ステレオ・ライヴ録音。レーベル:ORFEO
カルロス・クライバーのたぐいまれな天才をもっともリアルに記録したCDとして世に知られる1枚で、天井知らずに噴出する熱狂的な活力と、ディテールの隅々にまで息づく鮮烈な生命力には、もう形容する言葉を失うほど。実況ゆえのほころびや収録時間の短さという面もありますが、この1枚から得られる感銘はズバ抜けている。
以下、このアルバムに寄せられたクライバーの言葉。
「私にとって、レコーディングにOKを出すことは常にある種の恐怖を伴うことでした。しかし、バイエルン国立管弦楽団との今度の演奏は、大いなる喜びを持って私がレコーディングを承認することを可能にしてくれました。
我々は、耳に訴えるこの“スナップ・ショット”に対し、いかなる化粧も施したくありませんし、どんな小さな修正も加えたくなかったのです。実際、どのような批判に対しても、私たちは反論する根拠を持っています。
生命力を耳から感じ取ることができる人達にとって、これほど心をこめて、自信を持って、また精霊に導かれるかのように楽しげに演奏を聴かせてくれるオーケストラは、バイエルン国立管弦楽団を置いてほかにないとすら断言できます。本当にありがとう!」
指揮:カルロス・クライバー
バイエルン国立管弦楽団