カナダ出身の正統派HM/HRバンドが、かつて1985年にリリースした5曲入りミニ・アルバム「Master Of Disaster」に7曲のボーナストラックを収録して2002年にCD化されてた作品を紹介します。詳しいバイオはわかりませんが、カナダ産とは思えない多様性に富んだヨーロピアンテイスト溢れるミステリアスかつダークなストロングスタイルを極めた剛直なまでのパワーメタルサウンドを披露、この手のサウンドは即効性は薄くとも、聞き込むほどに身体に刻まれるメタル魂を鼓舞する熱いエナジーが迸る勇猛なメロディが随所に盛り込まれ一見、正攻法故に地味に写るスタイルも、数多くの模倣を生かした独自性と継承性の二面を巧みにアピールしていき自らのアイデンティティを形成しているから面白い。自主製作で終わったEP限定500枚と大きなチャンスを得ることなくシーンに埋もれたわけですが、こうして改めて聞き返すと魅力的で劇画かかった大げさなマイナーサウンド等も轟かせ、スケールの大きさや演奏レベル的にも申し分ない本格的なスタイルを披露、日ハム・ダイエー・中日・巨人と渡り歩いた小柄ながらも強打者とも真っ向勝負を仕掛けた負けん気の強さが自慢の名投手、武田一浩あたりを想起させられる、真っ当なHM/HRを聴き胸をすくような気持ちにさせられます。武田のようなタイトルは得られませんでしたが、記憶に残る隠れた名盤ですね。再発CDも廃盤で手に入りづらいようですが、マニアならずとも聴いて欲しい一枚ですね。