1994年、長野県で結成されたロックバンド。
1998年にメジャーデビュー。2006年4月12日に解散。2014年4月12日に再結成し、同年10月に2daysを行うもその後は再び活動休止している。
バンド名は「ポップな可愛らしさと裏に怖い部分がある」点がバンドの音楽性と共通していたという理由でのキリトによる命名である。なお、メジャー1stアルバム『FINALE』リリース時よりバンド名表記を「PIERROT」と大文字に変更している。
扇動的かつ叙情的なキリトの詞、ヘヴィかつ奇抜なサウンドのアイジのギター、幻想的かつ妖艶な空気を醸し出す潤のギターシンセ、攻撃的かつ繊細なKOHTA(キリトの実弟)のベース、独特なフレージング・打撃音を展開するTAKEOのドラム・電子パーカッションが織りなすPIERROT流のロックは、他のヴィジュアル系バンドとは一線を画す音楽性を持っていた。特にギターシンセと電子パーカッションを同時に駆使するバンドはPIERROT以外では後にも先にもほぼ皆無であり、楽曲・ライブのどちらも独創的であった。
インディーズ時代から“暗黒のドラマ性を持ったスタイル”を、ビジュアル/楽曲の両面で展開。アルバム『FINALE』『PRIVATE ENEMY』では、神話的な匂いをもった物語をメロディアス/ハードエッジ・サウンドにのせて表現するなど、クオリティの高い音楽性を示した。
PIERROTのギターについてアイジは「これと言ってリードとかサイドとかいう役割分担をしてるわけじゃなくて、二人で一つのギターという感覚なんです。」と述べている。
特に初期から中期のPIERROTのギターは、立体感が重視されていた。ステレオサウンドを駆使し、RチャンネルのアイジギターとLチャンネルの潤ギターの掛け合い、ハモリ、その他あらゆる手法を使って立体的なサウンドが構築されていた。後期になっていくつれ、立体的なサウンドからシンプルで重層的なサウンドへと変化していった。
宗教的世界を舞台にした幻想的で物語のような歌や、実社会を激しく毒々しく皮肉る歌まで、歌詞の内容はサウンドとあわせて日常生活からかけ離れた独特の世界を作り上げている(“狂気と退廃が渦巻くカオティックな詞世界”)。しかし、その中に現実に向けたメッセージもこめられている。比較的メロディアスな楽曲もあるが、普通のメロディーの枠を突き破ったかのような破天荒な楽曲も製作した。いずれのタイプであっても作家性を強く発揮しており、バンド前期の多くの楽曲では、ギターシンセを始めとして効果音・ミキシングでの調整などをフル活用して、奥ゆきを持たせて歌詞の作り出す世界を引き立てている。
活動の後半ではサウンドの贅肉をそぎ落とす方向に進み、エレキギター中心のシンプル・アグレッシブな楽曲の割合が多くなった。
Current members (リーダーはキリト)
キリト (村田信也) - Vocal、Lyrics、Band leader
アイジ (水井伸次) - Guitar
潤 (山浦淳) - Guitar、Guitar Synth
KOHTA (村田康太) - Bass
TAKEO (石川武夫) - Drums