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NOUVEAU GLOAMING (2005年)
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NOUVEAU GLOAMING
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解説 - NOUVEAU GLOAMING
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Recent 50 Comments



1. mokusatu ★★ (2006-08-12 14:29:00)

私は今まで約100枚ほどのCDのレビューを書いたが、それらは全てこのCD、このバンドを一人でも多くの人に気に入ってもらう為、引いてはブラック・メタルの未来の為である、と言っても過言ではなかった。
このバンドの「ブラック・メタルとしての」評価を高める為には何が必要で、何を捨てねばならないか、その価値観が私の全レビューの根底に流れていたりするのです。
断るまでもないと思いますが、私は<CODE>信者です。2005年発表の1st。

『(90年代初期のブラック・メタルには)「催眠的(幻惑的)」でありながら「残忍」みたいに両極端な要素が混ざった、ミステリアスで独特のムードがあったよ。昔のアルバム…初期EMPERORとか初期BURZUMとか、そういった独特のムードが素晴らしかった。「とにかく速くてブルータルであればいい」なんて事はなかったはずで、(中略)俺達はそういったムードをしっかり汲み取って、新しいブラック・メタルを作っている』(海外サイト上のインタビューを意訳)

最近のENSLAVEDやSATYRICONに近い、私が「新世紀型ブラック・メタル」と勝手に呼ぶスタイルである。ブラック・メタルが秘めている「麻薬」の現代的抽出法。
・・・と言えば何か格好良いが、つまりブラストはほぼ「ない」、ボーカルが特徴的なほど狂って「ない」、メロディアスと言えるほどでは「ない」、SEはあるけどシンセは「ない」、評価しようとすればもう泣きたくなるほど、一般的なブラック・メタルの美点が突出してない。
言い換えれば、前述のインタビューにあるように、ムードは確固として受け継ぎ、表面的な部分は意欲的に刷新しているブラック・メタル・スタイルである。
ブラック特有の引き攣ったリフが全編を支配するものの、疾走感ではなく停滞感を重視する圧迫的ミドル~スローテンポ、BURZUM辺りのドゥーム/アンビエント要素を取り込んだ絶望的耽美意識、デス声と同等なほどに繰り広げられる暗鬱なコーラスワーク、地獄の濁流の中を這いずりながら歌い上げるようなベースライン・・・。
シンフォニックを完全除去してヘヴィ・メタルに接近したARCTURUS「ASPERIA HIEMS SYMPONIA」、ノーマルボーカルを取り入れて音楽性を高めたBURZUM「DET SOM ENGANG VER」とも言えますが、最も的確なのは、普遍的ブラックに接近したVED BUENDS ENDE...「WRITTEN IN WATER」。
「WRITTEN IN WATER」をHRにするとVIRUSの「CARHEART」になり、BMにするとこのアルバムになると思います(でもHRなのに「CARHEART」の方が狂ってますがw)。
ENSLAVED やSATYRICONが何作も経て作り上げているスタイルを、いきなり凄まじい完成度で作り上げた奇跡の作品。ブラストも北欧的メロディもないからといって評価を投げないで欲しい。もしかすると、このアルバムを包み込んでいるのは英国的湿り気かもしれない。
・・・手段に目(耳)を奪われて、目的を見失ってはならない!!・・・
私はこのアルバムを聴いてそう確信した。新世紀ブラック・メタルの未来の指標となる一枚であると断言しよう。
Vo.、 G.*2がイギリス、B.、Dr.がノルウェーの人。Kvohst(Vo.)はVOID、DHG(元DODHEIMSGARD)に、Viper(B.)は Victonik(G.)としてDHG、VED BUENDS ENDE...、AURA NOIRに参加、ArwarikiaR(Dr.)は伝説的ULVERの元メンバー(ってKvohstが言ってたんだもん)。
1曲目の歌詞にFenriz参加。歌詞は概ねAndrew Nicol(詩人?)から拝借している。

最後にもう一つ過激なインタビューを。無論意訳。
『俺達は、他のどのバンドよりも、ブラック・メタルの理想に近付いてると思うよ。そもそも音楽は…嫌悪だとか・・・戦争による死が、破壊が、みたいに、退屈でくだらない事ばっかりじゃなくて、もっと表現出来る事が沢山あるわけでさ…まー、そういうくだらないブラック・メタルを求めるっていうなら、俺らの事は放っておいて、ANAAL NATHRACHとかMARDUKを買いに行けばいいんだよ』
繰り返すが、私は<CODE>信者である。




2. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2007-04-13 23:45:00)

2005年発表の1stアルバム。

私もやはり最近のSATYRICONやENSLAVED辺りが比較対象として適当に思います。この作品も、彼らの路線と似た、スピードや狂性を意図的に排す事でブラックの根幹の中毒性を演出するタイプのブラックメタルという事が言えると思いますが、SATYRICONが一緒に叫べるようなヴォーカルパートがあったり、ENSLAVEDには鮮やかなリフや曲展開があったりとブラックのリスナー以外にもアピール出来る要素を備えているのに対し、このバンドがその代わりに取り入れているのは、メロディアスなベースや朗誦というには余りに不気味な普通声ヴォーカル、ドゥームにも通じる引き摺るような音などによって作り出される悪夢のような情景。しかも音質は一般的なメタルと比較すると結構ノイジー。

…なんかブラック好きの立場から見ても、一般的なメタラーの立場から見てもかなりマニアックなんですが(苦笑)。クオリティの高さはSATYRICONやENSLAVEDに劣らないと思いますが、彼らの音楽を聴いていると評価されようなんて微塵も思ってないような気がします。

そういえばSATYRICONも「Now, Diabolical」のインタビューにおいて、初期ブラックの独特な雰囲気の抽出を目指しているというような事を言っていたし、感性的には共通する物があるのかもしれませんね。そういったブラックにも食指が働く人にお勧めです。



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