77年発表の第1作目。 メンバーはHATFIELD AND THE NORTHからリチャード・シンクレアが抜けニール・マーレイが加わった形となっている。よってHATFIELDSが模索した音楽性は大方このバンドにも持ち込まれている。その高い音楽性にも関わらずパンク全盛という時代が悪かったのか後々までその真価が見過ごされて来たようである。 収録曲は全4曲で全て10分を超えるインストゥルメンタル。ある意味アクの強いリチャードの存在がない為、HATFIELDSの頃よりはメンバーが好きなことをやりたいだけやっているという感じがする。基本的にはカンタベリー系のジャズ・ロックの王道を行っているが、多少時代を感じさせるフュージョン臭さもあるし、HRにも通じるような爆走する場面もあり聴きどころは多し。そういう意味ではHATFIELDSよりも勢いがある。 とにかく4人全員の秀逸なプレイが耳を離さない一枚。アラン・ガウエン(moog, piano)、アマンダ・パーソンズ(vo)、ジョン・ミッチェル(per)、そしておなじみの(?)ジミー・ヘイスティングス(fl)というゲスト陣も作品に華を添えている。 HATFIELDSをはじめカンタベリー・ファンにとっては決して避けては通れない傑作と言える。