『METAL FOR MUTHAS』の売れ行きに気を良くしたEMI RECORDSが、逞しき商魂を発揮して、前作リリースから僅かなインターバルで発売まで漕ぎ着けたNWOBHMコンピレーション・アルバム第二弾。(但し日本未発売) 「鉄は熱いうちに打て」との戦略自体は間違っていなかったと思うものの、バンド集めに掛けられる時間が十分でなかったせいか、参加面子が第一弾に比べるとえらく地味。何せ前作でIRON MAIDENが果たしたアルバムのセンター役(OPナンバー担当、2曲提供等)を、今回担っているのがTRESPASSですからね…。 そんなわけでインパクト不足は如何ともし難いものがある本作なれど、しかし「山椒は小粒でもピリリと辛い」との格言通り、面子が地味だからってアルバム自体が退屈かというと、さに非ず。DARK STARの名曲にしてNWOBHMのアンセム“LADY OF MARS”や、TRESPASSの代表曲“ONE OF THESE DAYS”が1枚のアルバムで聴けてしまうお得感は魅力的ですし、あとKROKUS参加前のマーク・ストレイスが歌っているEASY MONEY、ブルース・ディッキンソンやビリー・リースギャングも関わっていたことで知られるXERO、WILDFIRE(IRON MAIDEN初代Vo、ポール・マリオ・デイが在籍したバンド)の前身RED ALERTといった、個人的に好奇心をそそられていたバンドの音源も非常に興味深く聴くことが出来ましたよ。WHITE SPIRIT、CHEVYといった中堅どころも、実に手堅くアルバムのクオリティを支えてくれていて頼もしい限り。 解説でゴッドが述べている通り、第一弾とセットで押さえておきたい1枚ではないかと。
1. Trespass - One of These Days - 2. Eazy Money - Telephone Man - 3. Xero - Cutting Loose - 4. White Spirit - High upon High - 5. Dark Star - Lady of Mars - 6. Horsepower - You Give Me Candy - 7. Red Alert - Open Heart - 8. Chevy - Chevy - 9. The Raid - Hard Lines - 10. Trespass - Storm Child -
METAL FOR MUTHASの成功を受けリリースされた第2弾。のちにボーカルとギターがBlue Bludでメジャービューを果たすTrespassから2曲。マーク・ストレイスが歌うEazy Moneyの濃厚さ、ブリティッシュで高貴な香りさえ匂い立つXero、手堅いWhite Spiritは陽性ナンバーで参加、NWOBHMを象徴するような曲で名を馳せたDark Starは代表曲で、 Wildfireの前身バンドRed Alertの曲は今作でしか聴けないはずだし、激シブな⑨はJameson Raidのバンド名で知られる中堅どころ、前作と比べるとネームバリューや瞬発力は劣りますが、 Trespassが提供した2曲などまさにNWOBHMだし、ブリティッシュな響きに彩られる時代性を感じさせるには十分なインパクトを残していますね。Metal Massacreシリーズ同様、HM/HR系のバンドがのし上がる様を垣間見る事が出来る一枚としてVOLUMEⅠと共に楽しんでほしいですね。 Eazy Money好きやわ