スタジオ・アルバムとしては「DREAM POLICE」に続いて発表された'80年発表の5th。 プロデューサーはTHE BEATLESの数々の作品等を手掛けたジョージ・マーティン。 奇抜なアルバム・ジャケットのデザインと同様、サウンドの方もモダンな作風となっており、その人工的なエフェクト処理に当初は違和感を覚える。 ロビンがフレディ・マーキュリーのような歌唱を聴かせるリーダー・トラックの「STOP THIS GAME」を始め、軽快なリズムで決める「JUST GOT BACK」、エディ・コクランのようなロックン・ロール曲「BABY LOVES TO ROCK」、哀愁のメロディを奏でる「CAN'T STOP IT BUT I'M GONNA TRY」、甘くほのぼのとしたメロディのバラード「WORLD'S GREATEST LOVER」、ロボット・ヴォイスがいかにも'80年代的な「HIGH PRIEST OF RHYTHMIC NOISE」、ハードな疾走チューン「LOVE COMES A-TUMBLIN' DOWN」、ダンサンブルな「I LOVE YOU HONEY BUT I HATE, YOUR FRIENDS」といった佳曲が目白押しのアルバムであるが、これまでの作品に見られたような必殺のナンバーが見当たらないため、アルバム全体の印象は薄い。 本作発表後、ルックス面でのファン人気の一翼を担っていたトム・ピーターソン(B)がバンドを脱退。 トムがバンドに復帰するまでの間、バンドは長い長い低迷期を迎えることとなるのであった。