この曲から24年後(!)に続編“Icarus Ⅱ"が制作された(「Somewhere To Elsewhwre」に収録)ことから考えると、この曲は彼らにとってそれ程特別な曲だと言うことか。 静かなピアノとヴァイオリンで美しく始まり、ハードだが叙情的なメインへ。この間だけでKANSASの魅力は端的に表現されている。そこからは感情表現を重んじた為か比較的抑えられた展開だが、最後には美しく疾走しフェード・アウト。曲想は翼を持った嬉しさと、二度と地上に戻る事の無いという寂寞感が絶妙な対比を生んでおり、非常にリリカルだ。 イカロスとは、監獄の島から父ダイダロスと共に人工の翼で脱出したが、高く飛びすぎた為に太陽の熱で翼が溶け、海に墜落死した青年の名である。ならば、この鋼鉄の翼を持ったイカロスとは何者だろうか。私には一応の見当はついているのだが、それでは皆様の楽しみが失われてしまうので止めておこう。ヒントは「Somewhere To Elsewhere」のブックレットにある。(私の勝手な解釈だが)