遂に復活を果たした老舗バンドのフルアルバム。ジョン・ブッシュの復帰という話題性もあるのだが、ジェフ・ダンカンとフィル・サンドバルの二人によるギターチームが復活。ベースはジョーイ・ベラ、ドラムはフィルの弟、ゴンゾである。完全体での復活劇というのは大きな話題性を持っているが、今更初期の頃のような正統性の強いメタルをやるわけもなく、ましてや2000年である。 そういう目線で見ると、このバンドらしいスタンスで現代的なメタルと真っ向勝負。ヘヴィなグルーブ感を従え力強いサウンドを披露。熟練された男達による復活劇は、お小遣い稼ぎではない本気度も感じさせるが、全ては売れ行き次第という雰囲気がないわけではない。 そのリバイバルブームな匂いを感じると、こんな感じで落ち着くよなと妙に納得するのだが、単なる回顧録ではない再結成劇は後ろ向きではないだけに、現役感を伴っている。 結局、また解散するが、2000年にこういうスタイルの音楽性で復活した事を知って欲しい。当時としてはこれが正統派メタルの限界でもあった。そうすると再度の復帰作に対する驚きも少ないだろう。メタル度よりもアメリカンなロック色が強まったとも評価出来る今作、このバンドらしい、騒々しいリズムの豪快さ、トリッキーなギターワークも耳を惹く二人のアックスマン、正統派という枠を取っ払った意欲作として聴くのが一番正しいような気がする。 初期と比較なしで楽しんで欲しい。March of the Saintのインパクトが日本人には強かった。