ロックの名盤である。捨て曲はない。産業ロックとよばれているが、このアルバムで聴かれるサウンドはかなり骨太である。ポップでキャッチーでありながらロック魂を感じさせるのだから、さすがとしか言いようがない。バラードの「Waiting For A Girl Like You」は超がつくほどの名曲である。この一曲のためだけにアルバムを購入しても絶対に損はしない。しかも捨て曲はないのである。こんなにコスト・パフォーマンスの良い作品はそうあるものではない。「Juke Box Hero」や「Urgent」はもちろん、「Break It Up」,「Girl On The Moon」など聴き応え十分である。ルー・グラムは素晴らしいシンガーだ。「Waiting For A Girl Like You」を聴けば納得してもらえるはずである。
Waiting for a Girl Like Youは81年における産業ロックアーティストの楽曲の中で最もパッとしなかった印象ばかりが記憶に残ってるね。むしろロック界が比較的大人しかった82年に似合う作風だったような。実際、同曲は10月のシングルリリースで翌年にかけてヒットしている。 メンバーに変動はあったものの英国人MICK JONES主導のバンドであるから、ラテン系アメリカ人の多いJOURNEYやTOTOより"ネクラ"な音楽性になってしまうのは止むを得まい。それでも売れたんだよね、ネアカ産業ロックがひしめいていたあの時期に。 と、当時青二才で前作の作風を期待していた自分にとって非常に印象の薄い本4thである。1stシングル6.を始め4.以外の曲に聴くべきものがあると言ったら言い過ぎだろうか。曲レビューでもよく使っている"ジリジリ""ジワッと"、そんな擬態語がしっくりくるのが本作、ひいては本作以降のFOREIGNERだろう。