1993年9月21日、DGC Recordsよりリリースされた3rdアルバム。
アルバム・タイトルは、直訳すると「子宮内」である。
前作『Nevermind』の大成功を受け、バンドの意向によりアンダーグラウンドへの回帰をテーマに作られた。プロデューサーにはSteve Albiniを起用。特に、Kurt Cobainの意向が強く反映されており、サウンドはより暗くなった世界観を受けて、ヘヴィで低音を重視したものになった。サウンド・デザインに関しては、「インディーの鬼才」と呼ばれたSteve Albiniの貢献が大きく、特にドラムの録音は伝説に近くなっており、リスナーの期待を良くも悪くも裏切り、セールス的には前作ほどは振るわなかったアルバム自体に対して、Steve Albiniの名声は一気に高まった。また、オープニング・ナンバーの「Serve the Servants」は最初の音が不協和音であったり、「Very Ape」の狂気染みたハウリングから「ノイズと言う名の芸術」と言う異称を持つアルバムでもある。レコーディングにかかった費用は24000ドル。要した期間はたったの1週間という短期間であった。Steve Albiniはこの作品のプロデュース料について、自身の信条を理由に、通常の慣例となっている印税として報酬を受け取ることを断っている。
また、発売直前になってバンドがSteve Albiniのミックスにリミックスを施して「レコード会社からの圧力」が囁かれたり、『Rape Me』がフェミニスト団体から「不謹慎である」として訴えられるなど、図らずもあらゆる面で「問題作」になってしまったアルバムである。
「Heart-Shaped Box」「All Apologies」の2曲はメンバーの意向によりScott Littがミックスを担当している。
アメリカでは量販店向けに「Rape Me」を「Waif Me」に表記を変更し、バック・カバーのデザインを中央部を拡大した検閲バージョンが発売された。同時に収録曲中「Pennyroyal Tea」は、Scott Littによるシングル・ミックスに差し替えられている。
Billboard 200では、再び1位を記録。RIAAより5x platinumに認定。2013年までに、世界で1,500万枚以上のセールスを記録している。
Recorded:February 12–26, 1993, Pachyderm Studio in Cannon Falls, Minnesota
Producer:Steve Albini, Scott Litt
3. エストック ★★ (2002-01-18 21:04:00)
11. ジグジグ ★★ (2002-06-18 14:02:00)
12. クーカイ ★★ (2002-07-28 00:55:00)
実はここ数年本作を聴くことはない。
理由は単純。聴いていると死にたくなってくるから。
発表当時、良く聴いていたのは6曲目の「DUMB」と12曲目の「ALL APOLOGIES」だった。
スティーヴ=アルビニの作った音は、ザラザラした質感を持ち生々しい。前作の持っていた音の整合感は喪失したが、ロックが本来持っていた生きることに対する嘆き、悲しみ、怒りを表現するのに、これ以上の音はなかろう。そしてカートの歌声。詩。
ロック史上に名を残す傑作アルバムであるとともに、呪われた人の生を、切り裂いた腹から臓物を掻きだすように告発した作品。
そしてカートは子宮へと帰っていった。二度と生まれてくることは無い。
15. アメンボ ★★ (2002-10-20 19:38:00)
とても悩んでいた時期だったのでどうしようもない時はコレを聴いていた。
周りにたいする怒りと悲しみと絶望。自分に対する怒りと悲しみと絶望。
クーカイさんはコレを聞いていると「死にたくなってくる」といっておられますが、僕はそれをとおりこして「生きていたい」と思えてきます。
このアルバムは僕にとってとても重要なアルバムです。僕が今、友達や彼女や家族と笑いあうことができるのは生きているからです。自分で死をえらぶのは勇気じゃない!
あぁ、それで批評は「ネバーマインド」のほうが個人的に曲は良いと思う。だけどこのアルバムには「ネバーマインド」にないものがある。ようはどっちも聴いとけってこと!