STYXの理想的時代は、このPARADISE THEATERの発表前後あたりかと思います。 本作は、バンドの音が成熟、洗練された時期に出来上がったコンセプト・アルバムで、STYXの最高傑作に挙げる方も多い。 ただ、本作のその音だが歌謡曲に近い曲群が多く、HR然してはいなのだが・・・。 本作の売りはクリスタルな響きを帯びる名バラードThe Best Of Timesで、 この曲のヴァースのメロディがオープニングとエンディング付近で挿入されていて、 アルバムの統一性を持たせるのに成功している。 オープニングのA.D.1928~Rockin' The Paradise~Too Much Time On My Handsまでの 流れは素晴らしく、一気に聴きいってしまった方も多いかと思う。これらは、 De YoungとT.Showとのコンビがひときわ素晴らしかったことを痛感させられる。 J.Youngの十八番ロックロールには、Half-Penny, Two-Pennyが収録されている。 この曲も素晴らしい。ただ、上述の曲群に挟まれる中間の曲群には、 ちょっと歌謡曲の路線になっていて中だるみしてしまうこともあるが。 それを差し引いても本作は、一聴の価値ある作品と言えよう。
日本でもっとも過小評価されているバンドのひとつ、STYX。 僕もSTYXファンの友達に勧められるまで気にも留めなかったが、しかし・・・。 彼らの数々の名アルバムの中でもこれは群を抜いている。 PARADISE THEATERの盛衰は人生そのもの。The Best Of Timesなんて涙なしでは聴けません。 ベスト盤や、Show me the way、Mr RobotoをSTYXだと思ってはいけません。 ぜひこのアルバムを聴きましょう。コンセプトアルバムのよさも再発見すること間違いなしです。
渋谷陽一という、日本音楽評論史上最大の勘違い野郎によって けっちょんけちょんにされてしまったこのバンドですが、 「この耳無しエセ評論家。売れ線で何が悪い。売れ線=いい曲ってことと違うんかい。 お前の言う"商業主義に反発する衝動"を売り物にするバンドよりStyxの方が曲いいがな」 Styxについて、僕はそんなことを考えたりもします。 ・・・余談はこっちへ置いといて。このアルバムの紹介です。 このアルバム、コンセプトアルバムとしてのまとまりはそれほど強くないんですが、 それでもしっかり「A.D.1928」~「The Best Of Times」~「A.D.1958」にみられる フレーズの関連性など、まとめるとこはキッチリまとめられてます。 で、何が素晴らしいって、そういう体裁を取りながら、全曲名曲であるという事です! 中盤ちょっと一聴しただけではピンと来ない曲も1~2曲ありますが、 それだって、普通のアルバムに入ってたら十分名曲です。 「Rockin' The Paradise」「Half-Penny, Two-Penny」でノリノリになり、 「Too Much Time On My Hands」「She Cares」の爽やかさにうっとりして、 「The Best Of Times」でぼろぼろと泣き、 「Lonely People」のシャッフル感を楽しみ、 「Nothing Ever Goes As Planned」のQueenもびっくりのコーラスを堪能する!! もちろん頭と終わりの「A.D.1928」「A.D.1958」だってしっとりしてて最高です。 結構レンタル屋にもありますよ、これ。 (というより、Styxではこのアルバムしか置いてない場合が多い(泣)) ひとまずお試しください。絶対気に入りますから。間違いない(長井秀和風)
ROCKIN' THE PARADISEって、フロリダのユニバーサル・スタジオのビートルジュース(ミュージカル)で以前歌われてました。替え歌でしたけど。メイン曲の扱いで、観客も大盛り上がりで、「アメリカではSTYXってビッグだったんだな」と感じた瞬間でした。 で、このPARADISE THEATREですが、各曲のクオリティーが物凄く高く、しかもバラエティー豊かです。聴きやすいのにエキサイティングで、しかも心に沁みる。 ずーーーーっと聴き続けるアルバムです。 だからこそ、この後の「KILROY WAS HERE」は痛かった・・・・・
ponponさんと同じく私も大学時代に大阪のフェスティバルホールで同ツアーのコンサートに遭遇しました。Paradise Theaterの巨大な看板が今も目に浮かびます。オープニングの「Rokin' The Paradise」から芝居仕立てのステージに引き込まれ、フィナーレの「The Best Of Times」まで目くるめく夢のような瞬間が続きました。生で見れたことは私の誇りであり、忘れえぬ青春の1ページです。 もちろん同世代の'Journey'や'Boston'にもはまりましたが、'Stycs'はどのアルバムもどの曲もメロディアスに作りこまれていて、彼らこそ'Queen'と並ぶ'The Beatles'の継承者だと勝手に興奮していた若かりし頃の思い出です。涙・涙・・・