一言で言えば「『BACK IN BLACK』を硬派にした双子アルバム」。 サウンドもよく似ており、続けて聴いても違和感がない。 違いと言えばポップなメロディが減ったくらいか。 この路線は好みではないのだが、欠点が見あたらないので文句も言えない。 『BACK IN BLACK』『BALLBREAKER』と共に完璧なアルバムなんだと思う。 唯一、全米1位を記録した代表作の1つ。 これからブライアン時代のAC/DCを聴くなら『LIVE』が良いと思う。 代表曲だらけのベストな上、ライブなので後から他のCDを買っても損しないからだ。 問題はその次。 この『FOR THOSE ABOUT TO ROCK』はいかがだろうか? 怪物『BACK IN BLACK』から入るのが常道なのだろうが、『LIVE』やその他のライブビデオと曲が被るし、後に『BONFIRE』を買うと2枚になってしまう。 それなら、タイトル曲1つしか被らない本作はうってつけだと思うのだ。 特に好きでもない人間が思わず薦めてしまうほど完成度の高いアルバム。
ちなみにライブで取り上げられたのは大定番For Those About To Rock (We Salute You)の他にLet's Get It Up、Put The Finger On You、Inject The Venom、C.O.D.。
前作「BACK IN BLACK」での大成功を引き継ぎ、ついに全米1位に到達した'81年発表の大ヒット作。 プロデュースは三たびロバート・ジョン“マット"ランジが手がけており、そのヘヴィかつファットな音作りは絶品。 楽曲の方はというと、明るくノリのいい「PUT THE FINGER ON YOU」、AC/DC独特のリズム感を持った「LET'S GET IT UP」、リフがヘヴィな「INJECT THE VENOM」、テンションの高い「SNOWBALLED」、「T.N.T」を髣髴させるコーラスの「C.O.D.」、コーラスがキャッチーな「NIGHT OF THE LONG KNIVES」、不気味な盛り上がりを見せる「SPELLBOUND」等、決して悪くはないものの、いかんせん決定打に欠ける。 ライヴにおけるラス曲として定番となっている大砲ぶっ放しナンバー「FOR THOSE ABOUT TO ROCK(WE SALUTE YOU)」は緩急をつけた展開が見事な名曲ではあるが。
全米1位を獲得してアメリカを制覇したアルバムにしては、あまり省みられることはないけど、(アルバム発表後はともかく、 ライヴで演奏するのもタイトル曲ぐらいだし)「BACK IN BLACK」よりは衝撃度は薄いですが、楽曲の完成度はどれも押しなべて高いです。 あの「AC/DC」を期待するなら聴いても裏切られることは決してないと思います。
AC/DCが最もヘヴィ・メタルに接近したアルバムですね。 目線が世界に向いてるのが分かるし実際全米1位を獲得したのも頷けるサウンドなんですが、好みからはやや外れちゃうというが正直なところです。 タイトルトラック以外がちょっと物足りないのも惜しい。 いなたさが戻った次作の方が個人的には好きです。 でも聴いて損なことは全くないので、Highway To HellやBack In Blackの次に聴くアルバムとしては最適だと思います。