ここにも二回目の書きこみ。このアルバム僕にとっては評価が二転三転、変化した作品。はっきりいってこの作品、メタル初心者に理解できる代物ではない。それどころかメタルしか聴いていない人には「非メタル」的作品だと思う。ロックンロールでありパンクでありインダストリアルにもモダンへヴィネスにも通じる。最近RAGE AGAINST THE MACHINEを聴きなおして、この作品と余りに方向性が似ているのに気付き愕然とした。音作りといい、Voの無骨でリズミックんば節回しといい、乾いた硬質な殺伐とした音といい、切れ味鋭いがメタル的ではない奇妙なリフといい、ソリッドで無駄のないリズムといい、歌詞の政治的なメッセージ性といい、ヘンテコなギターソロといい・・・。もしこれが例えば「PAINKILLER」のあとに発表されたとしてもやはり非難ごうごうだったであろう。Voがロブだろうがリッパ-だろうが。今HMファンの多くがこの作品を「名作」と評しているが、それは「過去の作品」であり、「評論家がそういっているから」だ。実際問題発表当時、そして「復讐の叫び」、「背徳の掟」が出た頃までの本作の評価は「駄作」、「問題作」、「実験作」のいずれかでしかなかった。 最初の頃の印象は「地味」、次に、「過渡期の実験作」、その後「HMの骨組的作品」、そして「アルバムでは地味だがライヴで真価を発揮する作品」と、僕の中の評価が移り変わった。そして現在は、ライブ向きの作品というよりむしろ「完璧なスタジオアルバム」だと思っている。ソリッドで無駄がないが、しかし同時に恐ろしく作りこまれている。SEも含めて全ての音が完璧に計算されてそこにある。ギターをギターとして使わず時に効果音を出すエフェクターとして用いる。Voを声として扱わず、ただの「一つの音」にしてしまっている。無慈悲で合理的。何度聴きなおしても、そのたびに度肝を抜かれる。「永遠の問題作」、「HMでもロックでもないPRIESTの音」というのが、最新の僕の評価
'80年発表の6thアルバムです。ヘヴィ・メタルという音楽を体現した歴史的名盤……という評価しか知らずにいましたが、YOSIさんのレヴューや「語れ!」での発言を読んで、実際には拒否反応の多い問題作だったらしいことを知りました。 シンプルでかっこいいと思っていたけれど、よくよく聴けば確かに異質ですね。NWOBHMの牽引役にもなったという評価を鵜呑みにしていましたが、NWOBHMで私の知っているバンドたちの作品とは、明らかに別物。KISSやAC/DCに通じるような、シンプルかつキャッチーなヘヴィ・リフ攻撃だけど、本当に独特。NWOBHMだけでなく、その後のHM作品を何百枚と聴いているのに、雰囲気の似た作品が思いつけないです。 やっぱり変なバンドだ(笑)。だいたい前作までも変わり続けていたとはいえ、この進化は一足飛びで飛躍しすぎ。 伊藤○則さんの相変わらず気恥ずかしいまでに熱い解説、バンドが変化し前進する姿勢を正当に評価する発言は、そのことを考えると驚くほど鋭い感性によっています。今現在はともかく、やっぱ凄いお人だったんですね。 リマスター盤は、それまでの日本盤と曲順が変わっていまして、(1)「BREAKING THE LAW」、(2)「RAPID FIRE」、(3)「METAL GODS」となっていたのが、「BREAKING THE LAW」が3曲目に入っています。たしか最初のイギリス盤がこの曲順だったんだったかな? 最初は違和感ありましたが、今はこっちの方がかっこいいかもと思っています。 シンプルなようでいて、バラエティ豊か、ゴツゴツと硬質でいて、親しみやすい曲がいっぱい。メタル・ゴッドの代表作にして歴史的な重要作です。リマスター盤の方が迫力が出ているので、そちらをおすすめします。(昔のは軽くスカスカに聴こえちゃうとこがあるので) ただこのアルバムの曲って、ライヴで聴いちゃうとスタジオ・ヴァージョンは物足りなくなっちゃうんですよね~。しょうがないんだけど。 アートワークは高い評価を得ているようですが、個人的にはさっぱり良さがわからなかったり。これはかっこいいのだろうか…。 ボーナス・トラック「RED, WHITE AND BLUE」は愛国的な歌…ってことでイギリスの人には感動的かもしれません。おまけとして聴く分には悪くないです。 「GRINDER」(LIVE)の出来はやっぱりもうちょっと。
上で皆さんが語られているとおり、代表作でもあり問題作。 それまでの売りの一つでもあったギターソロが激減し、曲のメロディよりもリフの重さに重点をおいたかのような、ヘヴィ・メタルの新たな姿を決定付けた様な名盤である。 抜群の格好よさと勇ましさを持つ「BREAKING THE LAW」、ザクザク刻まれるギターにドラムが被さってくるイントロが印象的な「RAPID FIRE」、ヘヴィなリフにキャッチーなコーラスがのる、バンドのアンセム・ソングともいえるヘヴィ曲「METAL GODS」、単調なリフながら格好よくヘヴィな「GRINDER」、まるで聖歌のような美しさを持つ「UNITED」、一緒に歌いたくなるほどキャッチーで、アンコールでもお馴染みの代表曲「LIVING AFTER MIDNIGHT」、ハモるリフが印象的な「YOU DON'T HAVE TO BE OLD TO BE WISE」、ダークなリフで構成された「THE RAGE」、延々とリフが紡ぎ出される「STEELER」、とやはり捨て曲はない。 ジャケットも個人的には◎。
アルバムタイトルを見るといかにもHMなのですが、上で指摘されている方も居られるように、本作は純然たるHM作ではありません。どちらかというと基本的な形はHRです。 また、音が結構きれいに整理されているので、一聴したところスカスカに聴こえないこともない。それもまた違和感を感じる原因かと思われます。 しかし、そんなことはどうでも良いのです。曲が格好良いのですから。 本作はJPには珍しく(失礼!)、捨て曲が無く曲の配置も良く考えられている名作です。この完成度の高さは、管見ながら『PAINKILLER』と『DEFENDERS OF THE FAITH』に匹敵するものと評価しています。これがまた、良い時期に発表されたのでした。時流を先取りすることに秀でていたJPの面目躍如といったところでしょうか(たまに失敗しますが)。
一聴した時は音が薄っぺらな感じがして印象はあまり良くなかったですが、 何度も聴くうちにギターリフが心地良く感じるようになっていきました。 Breakng The LawやRapid Fireのようなハードな曲も良いですが、 UnitedやLiving After Midnightのようなキャッチーな曲も光っています。 個人的に最も気に入った曲はラストのSteeler。
最初はじみ~な印象に陥りやすいだろうアルバムであるが、何度か聴いてく うちにところどころのリフが頭からはなれなくなるとても中毒性の高いアルバム。 飾り一切をそぎ落とした無機質な鋼の重厚感と、表題にもあるような鋭利さを 加味したこの時代を象徴する名盤です。 Breaking The Law 、Steelerはもっと評価されてもいいはず。
1曲目のBreaking the lowがすべてだと思う。不朽の名作であるScreaming for venganceまでの土台作りとなるアルバムだといえるだろう。このアルバムの成功により当時世界最大のマーケットだったアメリカ攻略の足掛かりであった事は間違いない処である。 中身ははっきり言ってメタルキッズが期待するようなものではないが、Priestの歴史を知りたいのであれば、まずこのアルバムを聴くべし。余談になるが、このアルバムが録音されてミックスダウンしようとした矢先に、何者かにマスターテープが盗難されるという事件がおきている。実はPriestと同じマネージメントに所属しているアーティストのマスターテープも盗難に遭っていることから、内部の者の犯行ではないかと言われている。
アルバム・ジャケットのカミソリの刃のように鋭利でソリッドに研ぎ澄まされたリフに重点が置かれた'80年発表の名盤。 プロデューサーは同年にDEF LEPPARDのデビュー・アルバムも手がけるトム・アロム。 これまでの作品にあったメロディや構築美、ギター・ソロといった要素を一切排除した作風は、ある意味問題作とも言えるが、それ以上に曲が良いのが本作の強み。 後に自らの代名詞ともなったヘヴィ・チューン「METAL GODS」、一度聴いたら忘れることのできない、あまりにもかっこいいギター・リフを持つ「BREAKING THE LAW」、アンコールには欠かすことのできないパーティ・ロック・ソング「LIVING AFTER MIDNIGHT」といった代表曲を始め、文字どおり弾丸のような突進力に満ちた「RAPID FIRE」、金属を削るような研ぎ澄まされたギター・リフを持つ「GRINDER」、聖歌のような観客合唱型ナンバー「UNITED」、明るいロック調ナンバー「YOU DON'T HAVE TO BE OLD TO BE WISE」、重厚で威厳に満ちた「THE RAGE」、疾走感に満ちたリフが延々と繰り返される「STEELER」といった好曲が収録されている。 リマスター盤には英国国歌のような「RED,WHITE AND BLUE」と'80年のアメリカ・ツアーにおける「GRINDER」の臨場感溢れるライヴ・バージョンが追加収録。 アメリカ進出前のバンドの集大成とも言うべきアルバムであり、これまでのアルバムは本作に辿り着くまでの通過点であるといっても過言ではない! なお、本作よりドラマーがレス・ビンクスから元TRAPEZEのデイヴ・ホーランドに交代している。
CDで聞く分にはいいんだけど、スタンディングのフェスで完全再現やるのには向いていないかも Grinder、You don't have to be old to be wise、Rageは満員電車状態で聞くもんじゃないな・・・ 全体を通してノリがいいから、跳ねたり、踊ったりして楽しむものかと(後ろで聞いてれば良かったんですけどね) Loud Parkでのバンドのパフォーマンスは良かったとおもいますよ
ワタクシのJP初体験は復讐の叫びという邦題がなんかカッコイイSCREAMING FOR VENGEANCE、そして次作のDefenders of the Faithだった。ヘヴィメタルの聖典として、多くのフォロワーを産んだ名盤。そして、80年代に巻き起こるハードロックからメタルへの移行、その時代の象徴となる作品が今作だと教えて貰ったが、国内盤はUS盤仕様と同じくBreaking the Lawから始まるという構成が良くなかった。 余りにも単調なリフとリズム、妙なキャッチーさ、そしてソロはブワーッと弾くという流れ、あと銀行強盗に押し入るショーもないPVも更にマイナスで、ライブではテンポアップしてやったが、アメリカ仕様なのだろうがオープニングナンバーとしては弱かった。特に2曲目のRAPID FIREがカッコ良かったので、絶対にオープニングはコッチだと思う。 しかし、本来は②がオープニングで①が3曲目だと聞いて妙に納得した。そしてそういう曲順にして聴くと実にシックリくる。エッジの立ったメタルギターとリフ、そして加速化したサウンドの①からミドルに②へと流れ、哀愁のメロディとキャッチネスさを意識した③は実にハマっている。 だから④のGRINDERもシンプルに力強く刻まれるリズムとリフに耳が持っていかれる。サビメロが印象的なスケールの大きい⑤、オリジナルの6曲目はYou Don't Have to Be Old to Be Wise、7曲目がLiving After Midnightとなる。正直、この並びでは⑥は地味に感じるが曲自体はコマーシャル性のある曲であり、次作以降に引き継がれるアイデアの雛形だ。 今作は、今聴いても新鮮さがある。そのフレッシュ感の正体は、音楽に対する忠誠心だろう。邪な感情ではなく時代を見据え対峙したベテランバンドの捲土重来とも言うべき、渾身の一枚。その狙いすました音楽性は、新時代の幕開けに相応しい勢いとハードエッジに富んだ作風だ。