アルバムジャケに「RacerX with Paul Gilbert」と書かれているとおり、このアルバム発表当時若干19歳だったポール・ギルバートの驚異的なスピードとテクニックを世に知らしめるべく製作された作品。この作品はシュラプネルのマイク・ヴァーニーの企みどうり、メインはポールのギターテクニック。そのため楽曲ほうは若々しいと言えば聞こえがいいが、ぶっちゃけまだまだ発展途上の感が否めない。だがそんなことはどうだっていいのだ!!そんなことなど全く気にならないぬほど、ここで聴かせるポールのギタープレイは凄まじいんである。 僕がこの作品を聴いたのはかなり遅く速弾きギタリストの大御所イングヴェイ、世界最速の称号を授かったクリス・インペリテリ、至高の天才ギタリスト、ジェイソン・ベッカーを体験した後だった。そのため余ほどのことがない限りギタープレイで衝撃を受けることはないだろと思っていた。(残念ながら僕はMr.BIGのロックンロールよりのポールのプレイにどうしても馴染むことが出来なかったためポールのプレイはほとんど聴いてこなかった。)だがしか~し!!何気なく中古ショップで「安かったから」という安易な理由でこの作品を手に入れた僕は、ここで聴かせるポールのギタープレイに完全にノック・アウトされてしまった。インストナンバー「FRENZY」での怒涛の超テク&スピードの嵐は驚嘆しを通り越してもう笑うしかなかったし、「STREET RETHAL」ではディ-プ・パープルを想起させるリフを問答無用のスピードで弾き倒し、「HOTTER THAN FIRE」の特大スィープの嵐にぶっ飛ばされ、「Y.R.O.」でのイングヴェイのもろパクリも清々しいほどだ。 ポール・ギルバートはMr.BIGでしか聴いてないよ、という方はぜひ聴いて頂きたい。彼のルーツはここにある。そして16年の時を経た今でもロックギターテクニックの最高峰に君臨する作品である。